世界のひどく汚染された川(9ヶ所)

世界中にある河川の中でも、とりわけ汚染がひどいとされる川を全部で9ヶ所ご紹介します。

1.パシッグ川(フィリピン)

(↓2009年前後のパシッグ川)

(via stephanieh)

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フィリピンの首都マニラを分断する長さ25kmの川です。マニラ西部のマニラ湾とバエ湖をつないでいます。

汚染の原因は、第二次世界大戦以降のマニラの人口激増と工業化です。都市部に集まった労働者達は川岸にスラム街を形成し、そこに工場排水や生活排水、ゴミを捨てるようになったのです。

(↓パシッグ川岸のスラム)

(via Pasig River Avenger)

1990年には、生物が住めない「死に川」と言われ、大量のゴミと不快な臭いでほとんどの生物は死に絶えたとされています。

しかし1990年以降、川の再生計画が実施され、川岸に違法占拠している住民の引っ越しと川を覆い尽くしている大量の廃棄物の除去が行われました。

(↓再生計画実施前後の写真)

(via Traveling Light)

そのおかげで川の見た目はかなり良くなりましたが、多くの生物種が息づいていた、かつてのきれいな水質を現在でも取り戻すことは出来ていません。

2.マタンサ川(アルゼンチン)

(via Outward On)

マタンサ川は、皮なめし工場からの排水流出で汚染されていることから、「屠殺の川」と呼ばれています。

この川はアルゼンチン・ブエノスアイレス州を流れ、その周辺には、約350万人が住んでいます。

動物の皮を処理する工場の排水には、ヒ素やクロム、水銀、鉛など有害な重金属が含まれています。これに加え、処理されていない屎尿や家庭ごみの廃棄も川の汚染に拍車をかけています。

(via patrick-wagner)

1993年には元大統領カルロス・メネム氏が、250億円もの費用をかけて川の浄化を行う予定が立っていました。しかし、浄化作業にはたった1億円しか最終的に使われず、残りは全て違うプロジェクトにまわってしまったのです。

それ以降、浄化対策はおざなりになっており、現在でも非常に危険な汚染された川であり続けています。

3.ベリガンガ川(バングラデシュ)

(via BD chronicle)

人口1800万人を抱えるバングラデシュの首都・ダッカ郊外を流れる川。長さは18㎞、深さは平均7.6mあります。

この川ではあらゆるタイプの汚染が起きています。工場からの排水、家庭ごみ、医療廃棄物、下水汚物、動物の死体、プラスチック、石油などが投棄されているのです。

実際に、ベリガンガ川には毎日4500トンもの固形廃棄物が捨てられていることが判明しています。川に流される汚水も大きな問題となっており、80%近くが未処理のまま排出されています。

(↓ベリガンガ川で有名な浮き橋)

(via Mapio)

川岸に住む約400万もの人が水質汚染の悪い影響を受けていますが、効果的な対策はコストがかかるため、ほとんど取られていないのが現状です。

4.マリラオ川(フィリピン)

(via mdolla)

フィリピンの首都マニラから北に11km離れたブラカン州を流れる川で、マニラ湾とつながっています。

この川には様々な汚染物質が垂れ流されています。例えば、なめし加工・繊維加工・食肉解体・金の精製が行われている工場で廃棄されたものがそのまま捨てられているのです。

(via Zamboanga)

水質検査により、特に銅やマグネシウム、鉛、亜鉛などの重金属が高濃度で見つかっています。これらの重金属は、マリラオ川に生息するピラニアやエビや多種の魚の体内にも存在することが確認されています。

それゆえ、マリラオ川はフィリピンに50個ある「死に川」の一つとみなされています。

5.サーノ川(イタリア)

(via Panoramio)

イタリア・ナポリ南部を流れ、ナポリ湾とつながっている全長25kmの川です。この川は、ヨーロッパ一汚い川と言われています。

その汚染の原因は産業廃棄物の大量投棄にあります。その多くは、有機汚染物質の最大の源とされるPAH(多環芳香族炭化水素)の排出です。

また川の流域では、洪水や地すべりが多くの人を苦しめていました。過去20年においては、河川堤防が毎年2~3回崩壊し、汚染水が川に隣接した街に流れ込み、住民に健康被害をもたらすリスクがありました。

2000年以降そして現在も、川の浄化が行われており、その浄化費用は3500億円に上ると予想されています。

6.チタルム川(インドネシア)

(via Oggigiorno)

インドネシア・西ジャワ州最大の川で、総距離300kmあります。チタルム川は飲水・漁業・農業・産業用途で500万人が利用している、地元民にとって無くてはならない水資源です。

(via SlidePlayer)

その汚染は全て、流域に住む人達の活動によって作られたものであり、特に繊維工場から排出される有害廃棄物と家庭ゴミが多くを占めています。

2000以上の工場から有毒な廃棄物が投棄され、川には大量の鉛、水銀、ヒ素などが存在しています。特に鉛に関しては水質基準値の1000倍もの量が含まれていることが明らかになっています。

これらのことから、チタルム川は「世界一汚い川」とも呼ばれています。

(↓川の掃除中)

(via Reddit)

これらの惨状を受け、2011年から15年をかけて、川の活性化が行われることになりました。その予算は4000億円に達すると見積もられています。

7.ドセ川(ブラジル)

【↓汚染前(左)と汚染後(右)のドセ川】

(via Christine Folch)

ブラジル南東部を流れる総距離853kmの川であり、かつては綺麗な水をたたえていました。しかし、2015年11月に起きた鉱山ダムの決壊により、美しい川は一瞬にして汚染されてしまいました。

当時、ドセ川近くのマリアナでは、鉄鉱石の採掘が盛んに行われていました。採掘後に鉄鉱石は製錬され、その際に排出された廃液は、ダムへ貯水されていました。

2015年、廃液をためていたダムの欠陥部分が崩壊し、6000万m3もの重金属を含んだ水がドセ川に流れ込んだのです。この決壊により、17人が亡くなり、50人以上がケガを負っています。

(↓町を襲ったダムの決壊事故)

(via wikipedia)

(↓茶色に染まったドセ川)

(via teleSUR)

その川の汚染水は17日後に、大西洋にまで流れ込み、周辺のビーチは立ち入り禁止になりました。

(↓茶色い流れがドセ川、右側は大西洋)

(via wikimedia)

この汚染による野生動物への影響は、現在も分かっていませんが、この事故は「ブラジル史上最悪の環境災害」とみなされています。

8.ヤムナー川(インド)

(↓有毒化学物質で泡立つ川)

(via franklinnow)

ヤムナー川は、ヒマラヤ山脈の氷河を水源とするガンジス川最大の支流です。総延長は1370㎞、およそ5700万人がこの川に依存して生活を送っています。

ガンジス川と同様に神格化され、聖なる川として多くの人が体を洗い清める沐浴を行っています。

(via downtoearth)

一方でヤムナー川は世界で最も汚れた川とも言われています。特に首都のニューデリーでは排泄物の58%が川にそのまま排出されていることが分かっています。その上、毎日少なくとも33億リットルもの生活排水が流されています。

これらを受けて、下水処理施設を建設し、直接汚水を流さないようにする施策が、現在ではとられつつあります。

9.ガンジス川(インド)

(via Daily Mail)

インド最大の川であり、世界で3番目に大きな川です。ヒンドゥー教において聖なる川とみなされ、多くの人が毎日のようにここを訪れ、沐浴を行っています。

(↓ガンジス川で沐浴する人)

(via soapboxie)

またヒンドゥー教信者の多くが、川の水が健康に良いと考えていて、まるで万能薬のように飲水として利用しています。

しかし実際のところ、ガンジス川はひどく汚染されています。糞便の混入度合いを示す大腸菌レベルは、基準値の100倍に達しているのです。

ガンジス川の水は、飲水だけでなく料理や風呂などにも使われており、そのためガンジス流域に住む4億人に対し、多大な健康被害を与えています。

(↓ゴミが浮いたガンジス川を泳ぐ少年)

(via theguardian)

実際に毎日2億リットルもの人の排泄物がそのまま排出され、工業排水や生活排水も多量に流れ込んでいます。それに加え、お金がない人は火葬せずに、この川に死体を流しているのです。

多くの人に愛されているガンジス川ですが、実際には聖なる川と呼べないほど汚れてしまっています。

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