自然界最強の毒を保有する菌も。危険な細菌9種類

現在も猛威をふるっている危険な細菌についてご紹介します。ちなみに細菌はウイルスと異なり、寄生することなく自分だけで生き延び、単体で増殖が可能な微生物です。

1.病原性大腸菌

(via wikimedia)

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大腸菌は私達の大腸に生息している細菌です。ほとんどの場合は無害ですが、一部は強力な毒素を出すものがいます。それが病原性大腸菌と呼ばれるもので、最も有名なのがO-157です。

O-157は、ベロ毒素と呼ばれる毒性物質を腸内に放出し、激しい腹痛や出血をともなう下痢を引き起こします。最悪の場合、ベロ毒素が血液中に吸収されて、腎臓を破壊し、急性腎不全で亡くなることもあります。この合併症は感染者の2~7%の人が発症しています。

(via newsthatmoves)

日本では、毎年数十人がO-157で食中毒を起こしており、特に気温が高くなる夏ごろに感染者が増加する傾向があります。

感染力が強い

病原性大腸菌であるO-157は感染力が強く、たった数百個の菌が身体の中に入っただけでも、中毒を起こす可能性があります。通常の菌では100万個近く体の中に入る必要があります。

また寒さに強く、-50℃近くになっても死ぬことがありません。その代わり熱には弱く、75℃で1分ほど加熱されると死滅します。

2.ボツリヌス菌

(↓ボツリヌス菌)

(via wikimedia)

自然界最強の毒素

ボツリヌス菌が出すボツリヌス毒素は、70kgの人間なら0.7~0.9μg(約100万分の1グラム)で死にます。1gで100万人を殺すことができ、たった0.75kgで全人類を死滅させられるほどの強さです。

そのため、かつては生物兵器として開発されていたことがあり、サダム・フセイン政権にあったイラクやオウム真理教が保有していたことでも知られています。

どこにいる菌か?

(via Pixabay)

ボツリヌス菌は、土壌・川・湖など世界中のあらゆる場所に生息しています。またハチミツにも芽胞という形でボツリヌス菌が含まれていることもあります。

この芽胞は大人が食べても中毒を起こしにくいですが、乳児が食べた場合、乳児ボツリヌス症を引き起こすことがあります。2017年には、生後6ヶ月の男児がハチミツを食べて乳児ボツリヌス症を発症し、亡くなっています。

また乳児以外の感染では、菌が繁殖した加熱処理のなされていない保存食品を食べることで起きています。

どのような症状が見られるか?

(via Forbes)

吐き気やおう吐、排尿障害、発汗障害、言語障害、呼吸困難、喉のかわき、便秘などが初期症状として見られます。悪化した場合、呼吸する筋肉がマヒして死亡します。

3.コレラ菌

(↓コレラ菌)

(via wikimedia)

コレラ菌はコレラ毒素を放出し、現在でも一部地域では流行病として恐れられているコレラを感染させます。コレラの年間感染者数は300~500万人とされ、死亡者数は年間2万8千人~13万人に達します。

その多くは、発展途上国の子どもです。致死率は一般的には5%以下ですが、治療施設が存在しない一部の地域では、50%近くに上ります。

コレラ菌にどうやって感染する?

(via waterpollutiononline)

コレラ菌は塩分を好む細菌で、未調理のシーフードや海水などに含まれています。これを人が口から摂取することで、細菌が取り込まれます。しかし最も多い感染源は、コレラ患者の糞便や吐しゃ物で汚染された水や食品を食べることです。

コレラはどんな症状?

(via clipartpanda)

コレラにかかると、水状の下痢が2~3日続きます。またおう吐・けいれんを起こすことがあります。下痢はしますが腹痛は起こらず、熱も出ません。むしろ低体温になります。

症状が軽い場合には2~3日で治りますが、重症化した場合には下痢による脱水症状で命を落とすことがあります。

コレラ菌は熱には弱い

(via Pixabay)

コレラ菌は熱に弱く、食物を十分に加熱すれば、死滅させることができます。またワクチンが有効で、85%以上の確率で防ぐことが可能です。流行地域では、1人10円前後の安価なワクチンのおかげで、多くの人が未然に感染を防げています。

4.破傷風菌

(↓破傷風菌)

(via wikimedia)

破傷風菌は土の中にいる細菌です。これが小さな傷口から入り込むことで破傷風を発症します。

(via youtube)

破傷風はすさまじい痛みをともうなう病気として知られています。数日から~数週間の潜伏期間を経て、最初にアゴ周辺のけいれんや顔面のひきつりが起こります。けいれんは首や胸部、背中、腹部など体の上から下に広がっていきます。

(↓破傷風の患者)

(via Immunization Action Coalition)

患者はけいれん時に全身が弓なりに反り、その際に激痛とともに背骨を骨折することがあります。最悪の場合、激しいけいれんを起こして呼吸困難となり、命を落とすこともあるのです。

2015年には209,000人が破傷風を発症し、59,000人が亡くなっています。致死率は30%前後ですが、ワクチンの接種を受けていない60歳以上の老人はこれよりもずっと高くなります。

そのほとんどが発展途上国

(↓破傷風が発生している国、黄~赤の地域)


日本では四種混合ワクチンのおかげで、破傷風の感染者は年間100件未満とされています。しかしアフリカやアジアの一部地域などでは、ワクチン接種されていなかったり、公衆衛生に問題があったりして、多くの破傷風患者が出ています。

特に破傷風にかかりやすいのは免疫を持たず、不衛生な環境で産まれてくる新生児で、2008年の調査では新生児だけで59,000人が亡くなっています。

5.アスペルギルス・フラバス(コウジカビの一種)

(↓アスペルギルス・フラバス)

(via wikimedia)

カビの一種であるアスペルギルス・フラバスは、最も発がん性の強いアフラトキシンを放出することで知られています。実験用ラットの場合、たった15μg/kgの投与で、肝臓ガンを100%の確率で発症します。

これを人間に換算すれば、体重60kgの人なら0.9mgとごく少量でガンになってしまうことになります。

どんなものに含まれる?

(via Pixabay)

一般的には米、キャッサバ、とうもろこし、ピーナッツ、小麦などの食品ですが、日本において基準値以上のアフラトキシンを含有する食物が見つかるのは、海外からの輸入食品にほとんど限られています。

具体的には、イランから輸入されたナッツや、ベルーとベトナムからの米、中国からのそば粉などで検出されています。一方最近では、ほとんどの国でアフラトキシンの規制が厳しく行われているため、出回ることが少なくなっています。

6.梅毒トレポネーマ

(↓梅毒トレポネーマ)

(via wikimdia)

梅毒トレポネーマは梅毒という性感染症を引き起こす細菌です。現在では完治可能な病気になっているのにも関わらず、世界的に見ると死亡者数は極めて多いのが現状です。

2015年の調査では感染者数は4540万人、そのうち600万人が新規感染者で、死者数は107,000人に達します。

また日本においても感染者数は増加傾向で、2010年までは500~800例でしたが2014年には1226例、2015年には1275例に達しています。

どんな症状が現れる?

感染すると数週間~数ヶ月で感染部からウミが出るようになります。

それから3ヶ月以降たつと、全身のリンパ節がはれ、発熱、関節痛が現れます。そして梅毒特有の、赤くて目立つ発疹が体中に出てきます。

(↓梅毒特有の全身性発疹)

(via tabletsmanual)

この発疹は治療せずとも1ヶ月ほどで消失しますが、これ以降は細菌がさらに悪さをするために体内に潜伏を始めます。

そして感染から3~10年経つと、全身の皮ふのいたるところに腫瘍ができるようになります。そして10年以上たつと臓器や脳にも腫瘍が広がり、死に至ります。

(↓感染から3~10年たった人)

(via wikimedia)

7.サルモネラ菌

(↓サルモネラの一種、腸チフス菌)

(via Flickr/Kat Masback)

サルモネラ菌は2種類あり、食中毒を起こすもの、腸チフスという感染症を起こすものがいます。その中で最も犠牲者が多いのが、腸チフスを起こすサルモネラ菌(腸チフス菌)です。

2015年の調査では、腸チフスの感染者数は年間1250万人で、死亡者数は14万9千人に上ります。その多くが衛生環境の整っていないインドです。日本では年間100件ほどの症例があります。

どこから感染する?

(via Wikimedia)

感染の主な経路は腸チフス感染者の糞便を介して起こります。ハエなどがその糞便を食べ、それが食べ物に付いたりして、人の口へと入ります。またネズミの糞からも感染することがあります。

どのような症状がでる?

(via zipheal)

感染すると潜伏期間7~14日を経て、最初は風邪に似たような軽い熱がでます。3~4日後には40℃前後の高熱が出るようになり、下痢や血便、便秘が起き、精神錯乱を起こすこともあります。また体の一部に初期の梅毒のような発疹が現れることもあります。

それから数週間高熱が続いた後、腸内で出血が起き、最悪の場合、小腸の一部に穴が開くことで敗血症となり死に至ることがあります。ここを耐えきることができれば、だいたい1ヶ月程度で熱が下がって治ります。

非常に恐ろしい感染症として知られる腸チフスですが、細菌は熱に弱いため、きちんと加熱しさえすれば感染することはありません。

8.黄色ブドウ球菌

(↓黄色ブドウ球菌)

(via wikimedia)

世界的な統計は無いものの、アメリカだけでも毎年50万人もの感染者が出ている細菌です。

黄色ブドウ球菌は人の皮ふ表面や鼻の穴内に存在しており、3人に1人が保持しているとされます。いつもいる場所では悪さをしませんが、傷口に入ったり、食べ物の中で増殖したりすると、人に害を与える可能性があります。

傷口から入ると、蜂の巣状に組織を炎症させ、高熱をもたらす蜂巣炎(ほうそうえん)や、傷口の化膿などを引き起こします。このような感染症を放置しておくと、細菌が血液に入り込み、敗血症や肺炎などで命を落とすことがあります。

(↓傷口の化膿などをもたらす)

(via MedicineNet)

また、黄色ブドウ球菌の毒素が含まれる食品を摂取すると、食中毒となります。食べてから2~3時間ですぐに症状が現れ、はき気、おう吐、腹痛が見られます。

ブドウ球菌の感染はほとんどは、手指を介して起きています。そのため手洗いを徹底出来れば、感染症や中毒になる可能性はかなり低くなります。

9.結核菌

(↓結核菌)

(via wikimedia)

かつては不治の病と言われていた感染症・結核をもたらす細菌です。完治可能な病気にも関わらず、結核による死亡者は2014年時点で150万人に及びます。

亡くなった人の95%以上が発展途上国に住んでおり、その多くは性感染症のHIVにも感染しています。HIVは免疫力を弱めるため、結核が発症しやすくなるのです。

日本においても年間約2万人が新たに結核を発症していますが、十分な医療が受けられるため感染初期では完治可能です。

(↓昭和25~40年および平成22~26年の死亡数)

(via 厚生労働省)

結核菌は感染力が強く、患者のくしゃみやせきなどを通して空気感染します。そのためインフルエンザのように広がりやすく、集団感染が起きやすいのが特徴です。

(↓結核に侵された肺の経時変化、右に行くほど進行している)

(via socratic)

結核にかかると肺の組織が破壊されるため、病状が進むと肺からの出血や吐血が起こるようなります。最終的に肺が侵され、窒息死などで死に至ります。

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