人も殺しうる危険なカニ・ヤドカリ(毒などを持つ甲殻類)

カニ・ヤドカリなどの甲殻類の中で、人にとって危険とされる種をご紹介します。全7種です。

1.猛毒を持ちうる、スベスベマンジュウガニ

(via wikipedia)

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生息地:千葉県以南~沖縄県の太平洋岸、世界ではインド洋東部~東南アジアのサンゴ礁
大きさ:甲幅5cm、甲長3.5cm

美味しそうな名前に反して、食べたら死ぬこともある恐ろしいカニです。このカニの体内には、非常に強い毒性で、フグに含まれる毒として知られるテトロドトキシンや、かつて短期間で数百名の命を奪った麻痺性貝毒が含まれています。

【↓コウラに突起が無く、スベスベとしていて、まんじゅうのような形と色をしている】

(via wikimedia)

スベスベマンジュウガニは、元から毒を持っていたわけではありません。食べるエサが原因で持つようになりました。有毒プランクトンが元になり、食物連鎖を経て、カニにその毒が移行したと考えられています。

そのため、地域や個体間で毒性や毒量が異なります。具体的には、神奈川県三浦半島の個体はフグ毒が主成分で、沖縄県では麻痺性貝毒が多くを占めていることが分かっています。その中間域である徳島県浅川湾では、二つの毒を両方持った個体がいます。

1000匹以上のネズミを殺す毒を持った個体もいる

(via wikimedia)

石垣島で捕獲されたものの中には、30分以内にネズミを1000匹以上殺すことができる毒を含んだ個体が発見されています。もし、この個体を人間が食べたとしたら、まず助からないでしょう。

毒は主にハサミの筋肉の部分に含まれています。一方で、胴体の部分は無毒であることが多いと言われていますが、食べることはおすすめできません。

症状

いづれの個体も神経毒を有し、体をマヒさせて死に至らしめます。

30分以内に口内がしびれだし、吐き気におそわれます。その後、手足から全身にマヒが広がり、意識の消失が起こります。そして最悪の結末は、呼吸困難による死です。

2.強毒を持つ、ウモレオウギガニ

(via berkeley)

生息地:沖縄など南西諸島、小笠原諸島、世界では東アフリカ~ハワイ
大きさ:甲長3.5cm、甲幅5.5cm

スベスベマンジュウガニと同様のオウギガニ科であり、マンジュウガニに匹敵、あるいはそれよりも強い毒を持っていると言われています。本種は、サンゴ礁内で見かけることが多いです。

見た目は中々のグロテスクで、茶色いぶつぶつが青白いコウラを覆っています。スベスベマンジュウガニと同じく、ハサミが黒いのが、特徴のひとつです。

中毒で死亡した人もいる。自殺にも使われていた

(via wikimedia)

本種もテトロドトキシンや麻痺性貝毒を有しています。5cm未満でとても小さいことから、食用になることは少ないものの、東ティモールに住む人が、本種を食べて1時間後に死亡したケースも報告されています。

このように、毒には即効性があるため、本種がよく捕れる太平洋の島では、これを「自殺薬として使った人がいる」という記録が残されています。

3.強毒性のツブヒラアシオウギガニ

(via Loh Kok Sheng)

生息地:沖縄などの南西諸島、インド太平洋のサンゴ礁
大きさ:甲長3cm、甲幅4.2cm

コウラがつぶつぶで覆われているのが特徴的なカニです。こちらも先の2種と同じく、オウギガニの仲間で、先端が黒いハサミを持っています。

上記2種を含めた特徴、生息域からサンゴ礁内にいる、黒いハサミを持つカニがいたら、安易に食べない方が良いといえます。

【↓ハサミが黒いカニは気をつけるべき】

(via wikimedia)

本種もテトロドトキシンや麻痺性貝毒を体内に溜め込んでおり、日本での死亡例も報告されています。中毒例としては、味噌汁にして当たったケースが多いとのことです。

4.ヒメイワオウギガニ

(via decapoda)

生息地:沖縄、小笠原諸島、世界ではインド洋沿岸のサンゴ礁
大きさ:甲長1.9cm

毒があるとされますが、かなり小さいため食用とされることがなく、中毒例もありません。本種も他のオウギガニと同様に体内に猛毒を溜め込む種だと考えられています。

5.ライオンに匹敵する挟む力を持つ、ヤシガニ

(via imgur)

生息地:沖縄より南
大きさ:甲長20cm

世界最大の節足動物であり、重さは最大4kg、ハサミ間の全長は1mを超えます。幼体の頃を除いて完全な陸生であり、水中では生きていけません。寿命は60年以上とされます。

ライオンの咬合力に匹敵する挟力

(via imgur)

ヤシガニの挟む力は、自分の体重の90倍にも達することが明らかになっています。沖縄で捕獲された29個体を調べてみたところ、最大1765ニュートンで、人間の噛む力の1.4倍ありました。

沖縄で見つかった個体は小さかったものの、もし重量4kg級の最大個体であったとしたら、その挟む力はライオンの噛む力に匹敵すると考えられます。

これに勝てるのは、ワニくらいです。そのため、ヤシガニは世界で最も挟む力の強い動物と考えられています。

もし実際に、このハサミに挟まれることがあれば、肉はちぎれ、腱や骨にまで傷は到達することになるでしょう。

ヤシガニを食べたら死ぬこともある
【↓ネズミを食べるヤシガニ】

(via Charles Sheppard)

ヤシガニは、体の中に毒をためこむタイプです。ヤシガニが捕れる地元では、ごちそうとして食べられることもありますが、中毒を起こすことがまれにあります。死亡者も出ています。

ヤシガニが毒をためこむのは、食べるものが原因です。ヤシガニは雑食性で、身の回りの食べられそうなら何でも口に入れ、葉や果実、ネズミ、動物の死体を食べ、共食いもします。

特に、自殺の木とも呼ばれるミフクラギとハスノハギリを食べることが、ヤシガニの毒化の原因とされています。いずれの樹木にも、果実に強力な毒が含まれているのです。

6.皮ふ炎をもたらすゾエア(チンクイ)

(via wikimedia)

生息地:日本全域、世界中の海
大きさ:数mm以下

ゾエアは、カニ類の卵から産まれた幼生です。カニは卵→ゾエア→メガロパ→稚ガニ→成体と脱皮して形態を変え、成長します。

【↓左から時計回りに卵(Eggs)→ゾエア(Zoea)→メガロパ(Megalopa)→稚ガニ(Juvenile crabs)→成体(Adult crabs)】

(via Google Sites)

ゾエアは、頭胸部を覆うコウラにトゲ状の突起が複数生えています。これが人の皮ふに突き刺さることで、炎症が引き起こされます。

多くの場合、刺された部分が虫刺されのようにブツブツと赤くなります。かゆみをともなうことが多く、特に幼児や皮ふの弱い人は、ひどく腫れ上がることもあります。基本的に1週間以内に腫れはひき、完治します。

死ぬようなことは無いものの、ゾエアは目に見えないくらい小さいので、対策するのが難しく、海で頻繁に泳ぐ人にとっては、とてもやっかいな生物です。

ですが、ラッシュガードを着たり、ワセリンを塗ったり、大量発生する7月後半を避けたりすることで、ある程度の予防はできます。

7.水槽を叩き割るほどの超高速パンチを繰り出す、モンハナシャコ

(via wikipedia)

生息地:沖縄、東南アジア、インド洋など
大きさ:15cm

モンハナシャコは、時速80㎞のパンチを繰り出す、動物界最速のパンチャーです。

その加速度は、22口径ハンドガンの銃弾と同レベルで、1500ニュートン(kg·m/s2)の力を産み出します。この力は、厚い水槽のガラスを叩き割るほどです。

(via wikimedia)

このパンチ力は、カニや貝の固いコウラや殻を破壊して、捕食するために手に入れた能力です。しかし、あまりにも強力で、彼らの住処となるサンゴ礁さえも、破壊してしまうほどです。

もちろん人がこのパンチをくらえば、ケガをすることはまぬがれません。遭遇した場合は、近寄らないのが一番です。

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(最終更新:2017年7月12日)コメント0
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