嘘みたいだけど、本当の驚くべき科学写真

海外掲示板で発せられた「信じられないけど、実際にある科学の写真は?」という投稿について、興味深い回答をいくつかご紹介していこう。

1.これまでに撮影された科学の写真で、最も驚くべき信じがたい写真はこれだろう

(via NASA)

これは2012年にハッブル宇宙望遠鏡が、夜空のごく小さな空間を撮影した写真。この小さな点からの光をとらえるために、11日間の露光が必要だった。

何がそんなに心を揺さぶったのかというと、2つの物体を除いて、この写真に写っている光のどの点も星ではないということ。これらの点は、それぞれが数十京kmに広がった星々の集まる銀河で、この写真には約1万個の銀河が詰まっている。

最も暗い点は、地球から120億光年以上離れた銀河だ。光は有限の速度で移動するので、その銀河からの光が地球に到達するまでには120億年以上かかっている。写真をじっと見て、その広大さを実感してほしい。

さらにハッブルのチームは、この画像データから驚くべきことを成し遂げた。写真にうつる各銀河が地球からどれくらい離れているかというデータを使って、銀河の中に飛び込むとどのように見えるかをシミュレーション動画として作成した。

以下の動画の光る点はすべて、あなたを通り過ぎていく銀河である。

【シミュレーション動画】


(※動画では高速で宇宙空間を移動しているが、現実では銀河を通り抜けるのに数兆年以上かかる)

さて、上の写真がどれほど驚くべきものかをよりよく理解するため、下の画像を見てみよう。

(via NASA)

この写真を見て、1万個の銀河を撮影するためにハッブル望遠鏡はどれくらいの宇宙空間を撮影する必要があるかを考えてみてほしい。

左上中央の小さな黄色い四角が見えるだろうか?その空間だけである。この小さな黄色い四角の中に、宇宙の始まりにさかのぼる1万個の銀河が詰まっているのだ。

この空間は実際のところ、夜空に手で米粒をかざしたときの空間よりも小さい領域に収まるだろう。

この米粒を左右、上下に1ミリ動かすと、さらに1万個の銀河が収まり、もう1mm 動かせば、さらに1万個の銀河が収まる。

(via hippopx)

夜空全体を見渡せば、どれだけの銀河を見られるだろうか。あなたが見ている暗闇には、 数百万あるいは数十億におよぶ銀河があり、その一つの銀河には数千億の恒星と数兆の惑星が存在している。

最新の研究では、宇宙全体では2兆個以上の銀河があると推定されている。

現代のコンピュータは、2兆個の銀河の一部が遠くからどのように見えるかをシミュレーションしている。以下の画像はそのシミュレーションである。

(via NASA)

画像の点が、ひとつの銀河である。これらの小さな点から1つだけ選び、それを私達の住む天の川銀河だとしよう。現在の技術では、あなたが選んだ小さな点の片側から反対側に渡るだけで、20億年以上かかる。

この小さな点の間、すなわち銀河間の旅を想像してみてほしい。私達は信じられないほど広大な宇宙空間にいる、小さな惑星上のちっぽけな存在に過ぎないとわかるだろう。

だからこそ、ハッブルが撮影したこれらの銀河の写真は、多くの科学者によって、これまでに撮影されたなかで最も驚くべき科学の写真として選ばれているのだ。

2.人間の涙を顕微鏡で撮影した画像

(via nikonsmallworld)

3.世界で最も美しい蛾と言われる「ニシキオオツバメガの鱗粉」の顕微鏡画像

(via nikonsmallworld)

【ニシキオオツバメガ:マダガスカル島固有種)

(via lipstickalley)

4.イエバエの複眼の顕微鏡画像

(via Nikon Small World )

5.サナダムシの一種、有鉤条虫の顔の電子顕微像

(via yandex)

6. 2つの電極の間を見てみよう。小さな点が浮かんでいるのがわかるだろうか?これが肉眼で見える1個の原子である

(via University of Oxford)

【拡大写真:原子はストロンチウム】

(via University of Oxford)

7.宇宙飛行士のブルース・マッカンドレスが宇宙空間に浮いている写真(1984/2/12)

(via wikimedia)

8.『少年と原子』は世界最小の映画

(via ibm)

これはIBM基礎研究所が、分子と2台の走査型トンネル顕微鏡を使って作成したストップモーション映画である。画面は1億倍以上に拡大されている。その小ささを例えるなら、この映画のコマを千個並べて、ようやく髪の毛一本分の幅になるくらいだ

【動画:少年が自由奔放な原子と出会い、友だちになって遊ぶ】

これらは65個の一酸化炭素の分子で構成されており、分子を静止させるために−268.15 °Cという極低温で撮影が行われている。それらの分子を操作して242枚の画像を作り、ストップモーションアニメを構成。本作の製作には4人の研究者が1日18時間、4週間を要した。

9.これはグランドキャニオンではない。鉄の亀裂を電子顕微鏡で見た画像

(via extremetech)

10.電子顕微鏡で見た紙の端

(via sniperghostdota)

11.これらは絵ではない。ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた宇宙の写真

(via NASA)

これは宇宙星雲。高さは4〜5光年あって、創造の柱と呼ばれている。ここでは新しい星が活発に形成されている。

(via NASA)

これはウエスターランド2という若い星の集まり。だいたい100万~200万歳の星が3000個あるといわれている。地球から2万光年離れた、天の川銀河内にある。

(via spacetelescope)

これはコーン星雲。地球から2400光年離れた場所にある。

(via NASA)

これはソンブレロ銀河。5万光年の広さ。地球から3000万光年の距離。真ん中の白いのが銀河の核。この銀河は、太陽800億個分の質量がある。

(via NASA)

これはM2-9と呼ばれ、2つの恒星からなる連星の最後の姿だと考えられている。

(via NASA)

これは砂時計星雲。地球から約8000光年の位置にある若い惑星状星雲。

(via spacetelescope)

死にゆく星の残骸、IC4406。地球からは2000光年離れている。

(via spacetelescope)

最後は、NGC6388という天の川の中にある星団。

12.最も黒い物体

最近、人類初となるブラックホールの写真が撮影された。

【人類史上初のブラックホール写真】

(via wikimedia)

多くの人がブラックホールを取り囲む光だけを見てがっかりしたが、幸運なことに科学者たちが「ブラックホールの黒さ」の理解を助けるツールを発明してくれた。

(via sciencealert)

上の2つの物体は円ではなく、球体なのだ!

バンタブラック(上の物質)は可視光の99.96%を吸収し、その黒さはブラックホールと同じようなもの。

私たちの脳では、四方八方から「光が吸い込まれる」球体がどのようなものなのか理解できず、目で見ても影を感じることができない。

(via kakvonauchih)

このように精巧に作られたマスクでも、平らに見えてしまう。どの角度から見ても、「平面」の姿しか見えない。

ブラックホールの話に戻るが、ブラックホールを見ることはできない(これからもずっとできない)。光の輪がなければ、下の写真は真っ暗だ。

(via wikimedia)

このような写真を見ると信じられないかもしれないが、科学の世界では完全に真実なのである。

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Posted by uti