ささいなことだけど興味深い疑問(回答あり)

海外掲示板に投稿され、多くの人に共有された些細な疑問をご紹介していこう。回答は掲示板ユーザーのコメントを抜粋している。

1.ダイヤモンドやその他の宝石が人工的に製造されていて、天然のものと見分けがつかないのに、どうして私たちは未だにたくさんのお金を宝石に払っているのだろう?

【左が天然ダイヤ、右が人工ダイヤ】


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販売戦略と企業の独占が原因。ダイヤモンドはこの地球上でユニークでも、珍しいものでもない。デビアス社が長年の独占状態にあって、「未来の妻となる女性を本当に愛しているならば、2ヶ月分の給料を指輪に費やすべきだ」というマーケティングキャンペーンを世界中で行っているから。

実は既に実験室で作られたダイヤモンドは、欠陥がなく完璧で、天然物と見分けることはきわめて困難。デビアス社は、その違いを見分ける方法を見つけ出すために、何億円も費やしている。

2.インターネットが大陸間を結ぶ海底ケーブルに依存しているなら、戦争中にその国のインターネットアクセスを簡単に遮断できると思う。それを回避するためのバックアップや軽減策はある?ケーブルを切断したらどうなるの?

【海底ケーブルマップ】

高速道路を閉鎖するようなものだと考えてみて。たとえばマイアミからニューヨークまで行く95号線が突然姿を消したとしよう。時間はかかるけれど、別のルートを通って行けば、そこまで行けるよね。

インターネットのルートも同じように動作している。予備のケーブルが組み込まれていて、それによって優先ルートが遮断された場合に代替ルートを取るようになっている。でも万が一すべてのケーブルが切断されて、代替経路がなかった場合には、ネットが利用できなくなることもありえる。

3.グレープフルーツはどうして、ほとんどの薬と一緒に飲んではいけないの?

グレープフルーツは、薬を分解あるいは排出する肝臓酵素(CYP3A4)の働きを邪魔するから。分解されなかった薬は、体内に蓄積して、本来よりも薬の作用や副作用を強めてしまう。副作用が強くなりすぎて、死んでしまうこともある。実際に、約85種類の薬がグレープフルーツジュースと一緒に飲めない。

4.どうしてクモやトカゲなどの動物は、何もしないでいる時間が長いの?何が起きているの?なぜなの?

一番エネルギー効率良く生きるには何をしたらいい?

・・・何もしないことだ。

お腹が空いていなくて、発情期でもないし、縄張りに来る敵もいない。…どうして何かをする必要がある?

爬虫類と節足動物は、エネルギー効率を高める進化の道を歩んできた。これらの生物はほとんどエネルギーを必要としないので、非常に長い間食べずに生存でき、劣悪な環境でも生きていくことができる。

ほとんどの生物はエネルギーを得るために絶え間なく闘っている。だがエネルギーを得ることは危険で、安全な巣穴から出なければいけなかったり、狩りの最中に怪我をしたりするかもしれない。

だからこそ、多くの生物がリスクを最小限に抑えるための戦略を練っている。そして最も人気の高い戦略が、単純にエネルギーの必要量を低くすること。

私達のような温血動物はかなりユニークで、エンジンが常にかかっている車のようなもの。つまり、0から100まですぐに出せるけど、止まっていても常にガソリンをがぶがぶ消費している。そのため、温血動物は常に食事をしなければならない。特にハチドリのような小型の高エネルギー生物は、数時間食べないだけで餓死することもある。

それに比べて、冷血動物は体温でエネルギーを無駄にしない。欠点は消化酵素を働かせたり、素早く行動するための筋肉を動かしたりするために、日光などで体を温める必要があること。

しかしその一方で、温血動物に比べてエネルギーを必要としないので、リスクがはるかに少ないという利点がある。冷血動物の中には、食料なしで1年、あるいはそれ以上の期間を過ごすものもいる。

5.移植された臓器は、ドナーの年齢に応じて老化する?それとも移植を受けた人(レシピエント)の身体の年齢に適応する?

臓器は細胞から出来ていて、これは体の他の部分と同じである。

移植手術の際は、移植する臓器を新しい体の静脈や動脈などに接続するだけ。なので移植された臓器の細胞が、他人の血管から栄養を得て生き延び、仕事をする。それだけのこと。

適応というものはなく、臓器の中の細胞はDNAや組成を一切変えないので、基本的には最初から持っているDNA(つまりドナーのDNA)に基づいて生き、分裂して機能する。

ということで、質問に答えると、臓器は”ドナーのDNAと年齢”によって老化する。

しかし、移植された臓器の最大の問題は、レシピエントの免疫システムにある。移植された臓器のDNAが自分の体のものではないことを認識して、あたかもそれを異物かのように攻撃してしまう。免疫システムが、臓器内のすべての細胞を殺そうとするのだ。

これを防ぐために、臓器移植を受ける人は全員、自分の免疫システムが攻撃的にならないように薬を飲まなければならない。もちろん、免疫系を無効にしてしまうと、非常に病気にかかりやすくなるので、100%無効にはできない。少しだけ減らすのである。

免疫システムが完全無効化されているわけではないので、移植された臓器は最終的には攻撃されてしまう。5年、10年経ってもそれは変わらず、死ぬまで免疫抑制薬を飲み続けなければならない。

基本的に臓器移植では、移植された臓器の年齢よりも、レシピエントの免疫力で臓器を殺されるほうが問題になる。

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雑学

Posted by uti