蚊の寿命などカの知られざる雑学
蚊に関連した興味深い雑学を10個ご紹介します。
1.蚊の寿命は成虫後、約1ヶ月
(via wikimedia)
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最も一般的な蚊である、アカイエカやヒトスジシマカ(ヤブカ)の寿命は、成虫になってから約30日です。
例えば家の中でよく見られるアカイエカの一生は、卵から2日ほどでボウフラに孵化、それから4回の脱皮を経て、約5日後にサナギとなります。サナギから2~3日で、羽の生えた成虫となって空へ飛び立ち、30日以内にパートナーを見つけ、交尾して死にます。
まとめると
・卵(2日)→ボウフラ(5日)→サナギ(2~3日)→成虫(30日)
合計約40日です。
(via wikimedia)
メスの場合はもっと長生きする場合があります。それは越冬する場合です。
秋に成虫になったアカイエカは、繁殖するまで命をつなぐため、人目につかないところでじっと動かず、冬を越します。また、冬近くに産まれた卵やボウフラは、成長が冬の間だけ止まります。春が来て暖かくなると、卵が孵ったりやサナギになったりします。
春に成虫へと変態した個体は、卵を1回だけ産んで死にます。全く動かなくなる期間を含むものの、秋頃に産まれた蚊は、寿命が6ヶ月程度と長生きします。
2.血を吸うのはメスの蚊だけ
(via wikimedia)
メスもオスも主食は基本的に糖分であり、花の蜜や樹液など植物の汁を食べて生きています。
そしてメスだけが、卵を体の中で成長させるために血を吸います。血は栄養たっぷりで、卵の成長には不可欠です。吸わないと産卵できません。
一方で例外もあります。メスでも血を全く吸わない種がいます。チカイエカなどがあてはまり、吸血しなくても1回は産卵が可能です。2回目以降は、人などのほ乳類から吸血します。
3.蚊は3000種以上いる。日本には100種近く
蚊は世界に3266種確認されています。家屋内でよく見られるイエカが約800種、屋外で一般的なヤブカは1000種弱います。日本には約100種が生息しており、イエカは31種、ヤブカは43種います。
また蚊の多くは熱帯に生息しており、全種の75%にあたる約2500種にも達します。
4.南極大陸とアイスランドには、蚊が全くいない
(via wikimedia)
世界中で繁栄している蚊も、アイスランドや南極大陸は極めて過酷な環境のため、生存することができません。そもそも南極大陸には昆虫の固有種が1種しかいません。
アイスランドでは、他種の小さな虫はいますが、現在のところ蚊は全くいないとのことです。
一方で、アイスランドよりも寒い地域には、蚊がいるところもあります。アイスランドだけにいないのは、海上から吹き付ける風が非常に強く、天候の変化が激しいため、蚊がその温度変化に耐えきれないからだとされています。
5.蚊は自重の最大3倍もの血を吸う
(via freestockphotos)
蚊の体重は、2~3mgほどしかありませんが、自分の体重の最大3倍にもなる血を体にためこむことができます。とはいっても、実際の吸血量はかなり少なく、1人のヒトが全ての血を失うには、120万回くらい咬まれなければならないほどです。
これだけ大量の血を吸うと蚊も体が重くなります。飛行速度がかなり落ちるため、一度吸血した相手から離れると、血液の栄養を産卵に回すため、2~3日のあいだじっと動かなくなる習性があります。
6.肌が黒い、体臭がきつい人などは蚊にさされやすい
(via Womans Vibe)
蚊に刺されやす人は以下のような傾向があります。
・色黒、日焼けしている(人種としては黒人>黄色人>白人)
・O型
・体臭がきつい
・汗っかき
・妊娠中
・肌を露出する服を着用
上記のように、蚊に刺されやすい人はいるものの、それはごくわずかな差であり、蚊に刺されない人はいません。
7.カという名前は、人を「咬む」の「む」を省略して名付けられた
(via ailovei)
カという呼び方は、人の肌を「カム」の「ム」を略したものです。また「蚊」という漢字は中国に由来し、ブーン(文)という音を立てて飛ぶことから、虫へんに文という文字で「カ」を呼ぶことになったのです。
8.咬まれた後のかゆみは、蚊のだ液が原因
(via SlideShare)
蚊は気づかれずに人の血を吸うため、針を肌に差し込むときに、痛みを感じさせない麻酔効果と血液が固まるのを防ぐ効果がある唾液を送り込みます。このだ液の麻酔効果は約3分で、その間にたっぷりと吸血します。
この麻酔効果が切れると、だ液は体内でアレルギー反応を起こすため、咬まれた患部がかゆくなります。
9.人を最も殺している動物は、蚊である
(via wikimedia)
蚊は2015年時点で、年間約73万人をマラリア感染症によって殺しています。マラリアはハマダラカが感染源であり、吸血時にマラリア原虫のいるだ液が体内に送り込まれることで感染します。2015年時点の感染者数は約3億人で、そのうち90%がアフリカで感染しています。
マラリアは母体を通じて胎児に感染するため、マラリアで亡くなる乳幼児は、年間20万人近くに達すると見積もられています。
蚊が感染源となるのはマラリアだけではありません。デング熱や黄熱病や脳炎などの恐ろしい感染症も彼らが媒介するのです。
10.蚊でエイズは移らない
(via magic)
血液を通して感染する疾患といえば、エイズが挙げられますが、蚊によって感染することはありません。その理由の一つとして、エイズを発症するHIVウイルスが蚊の胃の中で消化されてしまうためです。
また、蚊は麻酔効果のあるだ液を体内に送りこむものの、血液を送りこむことは無いからです。人体に注入される蚊のだ液には、HIVウイルスが入りこむことはないのです。
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