世界のすごい化石13選(恐竜ほか)
興味深い化石を13種ご紹介していこう。
1.アルゼンチノサウルスの巨大な脚
(via Jason Saurian Yates)
スポンサーリンク
白亜紀後期(1億年前~6600万年前)のアルゼンチンに生息していた草食恐竜。史上最大の陸上動物とも言われており、そのサイズは全長30~40mに達したとされている。体重は50~100トン前後。
そして後肢の長さは4.5m、首を伸ばすと体高は8mにもなった。この巨体のため、移動速度はきわめて遅く、最高でも時速6~7km、人の早歩きくらいのスピードだった。
2.これまで発見された中で最も保存状態が良いと言われる、ボレアロペルタの恐竜化石
(via Wikimedia/ケラトプスユウタ )
ラテン語で「北の盾」を意味するボレアロペルタは、カナダ・アルバータ州に生息していた白亜紀前期(1億4500万年前~1億年前)の草食恐竜である。
1億年以上前の化石であるにも関わらず、装甲(皮骨)が押しつぶされることなく、生きていたときと同じ位置で保存されており、皮膚を覆うケラチンもそのまま残っていた。
また胃の内容物もそのままで、シダやソテツなど最後に食べていた植物も判明している。
3.車と同じ位大きい、800万年前のカメ
(via Edwin Cadena)
このコウラは史上最大級とされるカメ、スチュペンデミスのものである。そのコウラの長さは2.4m、最大で3.3mに達すると推測されている。重量はおよそ1.2トン。
また首の開口部付近には、2つのツノがコウラから突き出ており、そのツノには深いギザギザがあった。おそらくこれらは、個体間の戦闘に使用されたと考えられる。
4.皮膚が残った状態で見つかった世界初の恐竜、エドモントサウルスのミイラ(AMNH 5060)
(via Claire H.,D. Finnin / AMNH)
6800万年前~6600万年前、北アメリカ大陸西部に生息していたカモノハシ恐竜である。1908年に、化石コレクターのチャールズ・スターンバーグらによって発掘された。
ミイラ化したこの恐竜は、皮膚、手、腱、鼻孔、胃の内容物、その他多くの部位がほとんど損なわれることなく保存されていた。全長は最大12m、体重は4トンに達し、2足あるいは4足で歩き、葉っぱや枝を大量に食べていたとされる。
5. 約15万年前に陥没穴に落ちて餓死したネアンデルタール人、アルタムーラマン
(via sleepingbear25)
1993年、イタリア南部アルタムーラにて石灰岩の陥没穴で発見されたのが、アルタムーラ・マンである。研究者によると、この化石は12.8万~18.7万年前のものであり、非常に保存状態が良いと言う。
化石は方解石の石筍に取り込まれた状態であった。化石を取り出してしまうと損傷する可能性が高いため、発掘せずに現地調査のみを行っている。
肩の骨から抽出したDNA調査などにより、この化石がネアンデルタール人の成人男性であったことが判明している。彼はおそらく深さ60mの陥没穴に落ちてしまい、動けなくなって餓死したのではないかと思われる。
6.ホラー映画「エイリアン」に登場するモンスターたちのモチーフになったウミユリの化石
(via Vassil – Alias Collections)
ウミユリはウニやナマコと同じ棘皮動物。植物のユリのような茎があり、その根本で海底にくっついている。上の写真のものは、石炭紀(3.6億~3億万年前)のウミユリとされる。
そしてこれらのウミユリ化石は、エイリアンに登場するチェストバスターやエイリアン(ゼノモーフ)のモチーフになったことが知られている。
7.何百もの原始クジラが発掘されているクジラ渓谷
(via wikimedia)
エジプト・カイロの南西約150kmにあるクジラ渓谷は、進化過程の初期にあたるクジラ類の化石が多数発掘されている。
その中にはヘビのような長い体を持つクジラ類のバシロサウルスが見つかっており、その化石は4000万年近く前にさかのぼる。その他にも、原始的海牛類の化石、サメの歯、カメの化石なども発見されている。
この渓谷には、クジラの化石が集中しており、保存状態が非常に良いことから、クジラがどのように進化してきたかについて調査する上で重要な役割を担っている。
8.オパール化した恐竜の歯(オーストラリア、ライトニングリッジ)
(via Carl Bento / Australian Museum)
この歯がどの恐竜から来たものかは不明であるが、長い年月をかけてオパール化した。およそ1.1億年前のものと推定される。
9.化石化の過程で虹色になったアンモナイト
(via Canada Fossils Ltd)
隕石による大量絶滅が起こる6600万年前まで、3.5億年以上生き続けた巨大な軟体動物の化石である。写真のような虹色に光るアンモナイトの化石は、アンモライトと呼ばれ、宝石としての価値がある。
これらは、殻の中層にあって光沢を放つ真珠質層が損なわれずに化石化することで形成される。
10.白亜紀における双頭の爬虫類
(via Haiyan Tong)
これは、恐竜が繁栄を極めていた時代に生きていた水生爬虫類、ヒファロサウルスの化石である。およそ1.2億年前の化石とされ、まだ7cmくらいしかない幼体だった。
成体では1mほどになるが、この個体が成長できなかったのは、この双頭の奇形が原因かもしれない。このような奇形は、まれではあるが、トカゲ、ヘビ、カメなどの現代の爬虫類の間ではよく知られている。
11.ベロキラプトルとプロトケラトプスの戦闘をとらえた化石
(via Yuya Tamai/wikimedia)
およそ8千万年前のドラマティックな戦闘シーンを切り取った化石である。受けは、肉食恐竜のベロキラプトルで体長2m、体重80kg。攻めは、草食恐竜のプロトケラトプスで体長1.8mある。
この化石を見ると、プロトケラトプスの喉元には、ベロキラプトルの致命的な足爪が迫っている。一方、プロトケラトプスはベロキラプトルの前脚を噛み、反撃している。
だが二匹が戦闘に夢中になっていたとき、砂嵐に巻き込まれたか、崩れた砂丘によって埋もれてしまった。そして約8千万年後、ポーランド人らの科学者グループが、ゴビ砂漠の南部でこれらの化石を発見したのだ。
12. 4700万年前の交尾中のカメ
(via Walter G. Joyce )
きわめて珍しい交尾中の化石であり、セキツイ動物では初の化石であった。おそらく2匹は火山クレーター湖の真ん中で交尾中、深く沈んでしまい、有毒水域に達して命を落とした。
13.皮膚の状態まで分かるダコタ
(via Kabacchi/flickr)
発見されたサウスダコタ州にちなんで名付けられたダコタは、約6700万年前に生息していたエドモントサウルス・アネクテンスである。そのサイズは全長12m、体重は35トンと見積もられている。
この化石は、皮膚や筋肉などの軟部組織が化石化されているため、きわめて科学的価値の高いものとされている。この化石によって、これまで考えられていたよりも、この恐竜は尾が重く、より速く走れることが分かった。
ディスカッション
コメント一覧
ちょとむずいかな!
まーでもよかった!