日本の危険な毒キノコ40種類(画像)
今回は日本の毒キノコを毒の強さで分類してご紹介します。
毒性は以下で分類しました。
・未治療なら死亡のおそれがある猛毒キノコ(★★★)
・死亡する可能性は低いが、強い毒をもつキノコ(★★)
・比較的毒性の弱い毒キノコ(★)
★★★.未治療なら死亡のおそれがある猛毒キノコ
1.カエンタケ
(出典:Wikipedia)
カエンタケは、致死量がたった3gできわめて強力な毒をもっている。それに加え、触れるだけでも、皮ふに炎症をもたらす。
日本では10人の中毒者が出ており、そのうち2名が死亡している。誤って口にすれば、30分以内に悪寒、腹痛、手足のしびれ、嘔吐、下痢などが現れる。数日後には、消化器不全や脳神経障害を引き起こして、死亡することがある。
近年、奈良県内の山々で大量発生しているのが見つかって、話題を集めているが、見つけた場合には、絶対に触らず、保健所などに連絡するべきである。
2.タマゴテングタケ
(出典:MykoWeb)
「猛毒キノコ御三家」と呼ばれる毒キノコ。このキノコが持つ致死的な猛毒から、ヨーロッパでは「デス・キャップ(死の傘)」と呼ばれ、恐れられている。
タマゴテングタケは、夏から秋にかけてブナなどの広葉樹林に生える。タマゴという名前が付いている通り、キノコの柄の部分に袋状のつぼがある。
誤食すると、24時間以内にコレラと似た症状、すなわち吐き気、下痢、おう吐が現れる。その後いったん回復するが、1週間以内に毒素で内臓細胞が破壊され、肝臓肥大、体色が黄色くなる黄たん、内臓出血などが起こる。この症状が悪化すれば、死亡することもある。
3.シロタマゴテングタケ
(出典:Temperate Climate)
タマゴテングタケと同様、致死性の猛毒を持つキノコ。そしてこれも、「猛毒キノコ御三家」のひとつである。たった1本食べただけで死亡した報告もあがっている。
毒性も、タマゴテングタケと同じで、強烈な吐き気、おう吐などがもたらされる。このキノコは、夏から秋の広葉樹林の近くに自生する。
4.ドクツルタケ
(出典:The Atrium)
非常に強力な毒をもったキノコで、海外ではその純白の美しい外観から、「死の天使」と呼ばれている。こちらも「猛毒きのこ御三家」の一つである。
このキノコは生息域が広く、北半球全域に渡る。田舎の山林のどこにでも生えているため、見た目が似ている食用可能なシロマツタケモドキやハラタケなどと間違えて食べてしまい、命を落とすことが多い。
症状はタマゴテングタケと似ており、おう吐、下痢などの胃腸障害が起こる。病院での治療が受けられなければ死亡する可能性が高い。
(出典:Weblio)
(出典:MykoWeb)
5.タマゴタケモドキ
(出典:Pinterest)
日本でも誤食による死亡事故が、5件発生している猛毒キノコである。5人の中毒者のうち、3人が死亡している。食用キノコであるキタマゴタケとよく似ていることから、これと見間違えて食べてしまうことが多いようだ。
タマゴタケモドキを摂取すると、6~24時間以内にコレラと似たような症状が見られる。こちらも適切な治療が行われなければ死にいたる可能性が高い。
(出典:Weblio)
6.フクロツルタケ
(出典:Ne)
まんまるとした可愛らしいキノコだが、死亡者も出ている猛毒キノコである。柄や傘の部分にはふわふわした糸くずのような細片が付いている。
これを食べると、吐き気、おう吐、下痢などに続き、肝臓、腎臓の組織が破壊されて障害が出る。毒成分については現在もよく分かっていない。
7.ドクキツネノカラカサ
(出典:Setas Extremadura)
雑木林などで見られる非常に毒性が強いキノコ。同種の中に、キツネノカラカサという毒のないキノコがあり、これと似ている。
毒にはアマトキシンという肝臓障害を引き起こすものが含まれている。症状はタマゴテングタケと同様で、このキノコも未治療の場合は、命を落とす可能性が高い。
(出典:The Atrium)
8.クリイロカラカサタケ
(出典:Pilze )
タマゴテングタケと同様の強い毒をもつキノコ。傘がひび割れているのが一般的で、その裂け目の部分は白色となる。
9.ニガクリタケ
(出典:MykoWeb)
生で食べると、かなり強い苦味があることから、ニガクリタケという名前がついている。春から秋にかけて切り株や幹などに群生する。
ニガクリタケはきわめて毒性の強いキノコであり、死亡者も出ている。食後およそ3時間で、腹痛、嘔吐、悪寒、下痢などが見られる。悪化すると、脱水やけいれん、意識障害を起こし死亡する。
10.コレラタケ
(出典:matome)
コレラのような激しい下痢をもたらす猛毒キノコであり、何人もの人がこのキノコで命を落としている。
ただコレラと違うのは、いったん下痢などの症状がおさまってから、摂取後4~7日で毒素による内蔵破壊のため肝炎や腎不全が起き、死にいたることである。
コレラタケは、食用可能なセンボンイチメガサやクリタケ、ナラタケと似ているため、これらと誤って食べてしまうケースが多く報告されている。
(出典:fungi)
11.ヒメアジロガサ
(出典:wikipedia)
針葉樹の枯れ木や落葉に自生する猛毒キノコ。煮て食べると美味だといわれている。
しかし、アマトキシンという強力な毒があり、食べると下痢や嘔吐などの症状が現れ、最悪の場合肝臓肥大になり、死亡する。
このキノコも、ナラタケやセンボンイチメガサと似ているため誤食されることがある。
12.ニセクロハツ
(出典:MykoWeb)
かつて食用キノコであったクロハツに似ている。死亡例もあり、2本以上食べると致死率はかなり高くなる。
食べると30分以降におう吐、下痢などの胃腸、消化器系の中毒症状を示す。その後18~24時間で背中の痛み、血尿、言語障害などが現れ、心臓衰弱の後に死亡する。
中国では、1994~2012年に852人の中毒患者が出ており、死亡率は20%以上に達している。
(出典:funghiitaliani)
※ニセクロハツと見分けるには、傷をつけてみるとわかる。クロハツの場合は、傷のついた部分がすぐに赤くなり、しばらくすると黒くなるが、ニセクロハツは赤いままである。
13.シャグマアミガサタケ
(出典:Fungalpunk)
傘も柄もシワシワなキノコで、猛毒を持っているが、毒抜きをすれば食べることができる。うまみが非常に強く、フィンランドでは高級食材のひとつに数えられている。
だが、毒抜きには熟練が必要であり、調理中に発生するガスが強い毒をもつため、これを吸ったり、毒抜き不十分のものを食べたりして、死亡する事故が起きている。
そのまま食べると、24時間以内に激しい下痢や嘔吐に見舞われ、その後肝臓、腎臓障害の症状があらわれ、ひどい場合に呼吸困難、昏睡で死に至る。
14.クロタマゴテングタケ
(出典:Amanitaceae)
中央部が黒色の猛毒キノコで、中国では多数の中毒者がでている。その数は350名に上り、うち79人が死亡している。
症状としては、猛毒キノコ御三家であるタマゴテングタケと同様の激しい下痢や嘔吐などである。
15.ツルタケダマシ
(出典:MushroomExpert)
内臓の細胞を破壊する猛毒、アマトキシンを含む毒キノコである。夏から秋にかけてコナラ、コジイなどの広葉樹の地上に自生している。
★★.死亡する可能性は低いが、強い毒をもつキノコ
16.タマシロオニタケ
(出典:Ne)
夏から秋にかけてブナやアカマツなど林の近辺に自生するキノコで、傘の部分に無数のイボのようなものが生えている。
その毒性は強く、1978年に長野県で、このキノコによる食中毒が原因で2名が亡くなっている。症状はコレラのような激しい嘔吐や下痢、腹痛である。
17.テングタケダマシ
(出典:primula)
傘の部分に三角錐状のイボのようなものが並んでいるのが特徴。死亡例も報告されている。
18.ツキヨタケ
(出典:wikipedia)
ブナなどの広葉樹の朽木や枯れ木に群生する。ヒダの部分に発光成分を含んでいるため、夜になるとぼんやりと光る。
日本での中毒者はかなり多く、毎年60人以上が食中毒を起こしている。多くの場合、シイタケやムキタケ、ヒラタケと間違って食べてしまうことにある。
誤って食べると、1時間以内に嘔吐や腹痛、下痢などに見舞われる。
(出典:libutron)
(出典:Wikimedia)
19.ドクササコ
(出典:toxicology)
食べると、手足の先端に激痛をともなって、やけどのように真っ赤にはれあがる。しかも、それが1ヶ月以上続く。治療法が現在でも存在しないため、この痛みから逃れるために自殺する人も出ているほどだ。
しかも食べてから発症するまでの潜伏期間が1週間ほどと非常に長く、このキノコの中毒症状と気づかない人が多い。
ドクササコは、チチタケやナラタケと似ているため、それと間違って食べてしまう人が後を絶たない。
(出典:Wikipedia)
20.ヒカゲシシビレタケ
(出典:Mycotopia)
食べると幻覚や幻聴が起こるために、麻薬の一種として採取や所持が禁止されている。
だが、入手は非常に簡単で、公園や庭の草むらに生えていることが多い。摂取によりショック死したケースも報告されているため、快楽を求めて安易に口に入れてはならない。
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コメント一覧
こんなにたくさんのきのこ🍄が毒きのこなんですね!