宝くじの高額当選者の末路(悲劇的な結末,6人の物語)
1.ジャック・ウィテカー
(via The Daily Beast)
ジャックは2002年当時、史上最高の当選額348億円(3億1490万ドル)を手に入れました。しかし、後に降りかかる災難の数々で彼の人生はめちゃくちゃになりました。
彼にとってこの当選くじは、貧乏くじ以外の何物でもなかったのです。
宝くじが当たる前までの彼の人生は、順風満帆でした。会社の社長となって、大きな富を築き、娘と孫娘にも恵まれ、幸せな生活を送っていたのです。
彼はもし、宝くじが当たった時に戻れたとしたら「あの当選くじをやぶっておけば良かった」と語っています。
当選して1年経たずに、幾多の災難に見舞われる
当選してから8ヶ月目のこと。彼が駐車していた車の窓が割られ、スーツケースに入っていた5400万円が盗まれました。
この後すぐにまた事件は起きました。彼がクラブで酒を飲んでいたとき、共謀した2人の店員が彼にドラッグを飲ませ、お金を奪おうとして逮捕されたのです。
さらに1回目の車上荒らしから5ヶ月後、再び車が破壊され、現金2000万円が奪われました。(2000万円は後に発見され、戻ってきた)
相次ぐ不審死
(via NBC News)
最初に孫娘の彼氏(18歳)が薬物中毒を起こし、ジャックの自宅で亡くなりました。
それからたった3ヶ月後、今度は孫娘の遺体が廃棄された車の中で見つかっています。
ブルーシートに包まれた状態で遺棄されており、体内から麻薬成分が見つかっていますが、死因は不明のまま。彼女を遺棄した人物も捕まっていません。
彼女の死から1年後の2006年、ジャックのお金は全て失われました。泥棒が12の支店銀行で、それぞれ12枚の偽造小切手を現金化して、彼の持つ全ての貯蓄を奪い取ったのです。
そして孫娘の死から5年後に彼女の母親、つまりジャックの娘が死体で発見されました。死因はメディアに公開されていませんが、殺人では無いと警察は明らかにしています。
(via Daily Mail)
2016年12月には、ジャックの勤務中に自宅が火事になり、全焼。おそらく放火だとされていますが、犯人は逮捕されていません。
彼の不幸は2006年に終わりを迎え、これからは上向いていくかと思われましたが、当選から14年経った2016年にも悲劇は続いたのです。
2.アブラハム・シェイクスピア
(via Daily Mail)
アブラハムも、宝くじの当選で最悪の結末を迎えてしまった人物の一人です。
フロリダ住みの彼は、コンビニで買った宝くじ2枚のうち1枚が偶然当選し、18.7億円(1700万ドル)の一時金を手に入れました。
その時一緒にコンビニにいた同僚は、お金に目がくらみ、アブラハムが「俺の宝くじを盗んだ」として訴えています。
もちろん、この裁判はアブラハム側が勝利していますが、この後に続くお金目当ての友達の行動にはほとほと嫌気がさし、彼はほとんどの友達と疎遠になりました。
本を出版しませんか?と言って近づいてきた女
(via Daily Mail)
アブラハムは当時40歳を過ぎていましたが、まともな教育を受けていなかったため、読み書きは出来ませんでした。そこにムーアという女性が「あなたのことを本にしないか?」という話で、アブラハムをビジネスに誘いました。
アブラハムはそれを間に受けて快諾し、彼女と一緒に行動を共にするようになります。彼女はアブラハム・シェイクスピアLCCという会社を設立しましたが、それは名ばかりで彼の金を利用する目的でしかありませんでした。
彼女は会社を設立するとすぐに、1億円を彼の口座から引き出し、自動車のハマーやトラックを買って旅行へ旅立ちました。それ以外にも、アブラハムの自宅や不動産を勝手に売り出して自社の物にしていたことが明らかになっています。
彼の家族から、既に7ヶ月もの間、彼がどこに行ったか分からないと警察に通報がありました。しかし捜索願が出される7ヶ月前には既に、彼は亡くなっていたのです。
彼の遺体は、ムーアの元カレの家で発見されました。遺体は裏庭に掘られた深さ2.7mのコンクリート板の下に埋められていました。
遺体の発見にともない、ムーアは第一級殺人で逮捕されました。
彼女は逮捕される前まで、アブラハムが生きているように工作をしていたことが明らかになっています。彼女の友達にお金を渡し、アブラハムの母親に息子のふりをして電話をかけさせていました。
また、彼のケータイを使ってアブラハムの友達や身内にSMSを送っていたことも分かっています。しかし受け取った人たちは皆、彼は読み書きが出来ないのを知っていたので、不思議に思っていたと後に語っています。
これらの計画的な殺人行為から、彼女は仮釈放なしの終身刑の判決を受けました。
3.ミカエル・キャロル
(via Vorply)
19歳という若さで、14億円(9,736,131ポンド)もの大金を宝くじでつかんだ人物です。
1983年、ミカエルはイギリス・ノーフォーク州に産まれました。母親は缶詰工場のバイト、父親は元空軍でしたが、ミカエルが生後18ヶ月のときにカップルの男女を刺傷し、軍事刑務所に収監されています。
彼が7歳のときに両親は離婚。母親の元での生活が始まりましたが、彼は再婚相手に虐待され苦しい毎日を送ることになります。継父は、部屋に彼を閉じ込めて、何度も何度も殴りつけていたのです。
これがきっかけで彼は失読症にかかり、中学を卒業しても読み書きがほとんど出来ませんでした。また彼は13歳のときに、万引きで収容施設に送られています。
(via mirror)
彼が当選したのは、19歳のとき。ごみ収集の仕事をしていましたが、当選金を得て、すぐに仕事を辞めました。
そこから彼の浪費は始まります。とっかかりに、湖の近くにある3LDKの家を即金で購入。コカインなどのドラッグ、ギャンブル、お酒に溺れ、スポーツカーを買いあさり、女性は1日に最高で4回も買ったと言います。
身内や友達にも気前よく大盤振る舞いしました。母親と妹、叔母にはそれぞれ1億円を渡しています。ちなみに、この叔母は旦那に殺害されています(2017年)。
お金を持った彼の横暴さは、誰も止めることが出来なくなりました。酔った勢いでケンカをふっかけたり、車から鉄球を投げて、他人の車や店の窓を破壊したりして、42の前科を抱えることになったのです。
お金を湯水のごとく使う生活は、それほど長続きしません。当選から4年後の2006年頃には全てのお金を失ったのです。
(via dailyrecord)
生活をやり直すため、自宅から900㎞近く離れたスコットランドのエルギンへ引っ越しました。一文無しで家もなかったので、テントで寝る生活が続いたと言います。
現在は家も見つかり、ビスケット工場でパンを詰める仕事に従事しています。最低時給の賃金で、月給は11万ほどしかありませんが、過去のことは後悔しておらず、これも人生の一部だと語っています。
4.ウルージ・カーン
(via NBC)
お金は人を悪魔にすると言いますが、それは例え愛する人たちであってもです。彼は当選クジを引いた1週間後に、「家族の誰か」に殺害されたとされています。
2017年時点においても犯人は分かっていません。
(via NY Daily News)
ウルージは当時42歳で、彼にとって宝くじは趣味のひとつでした。
事あるごとに宝くじを購入していましたが、「全然当たらないからこれで最後にしよう」と思い、セブンイレブンで購入した5000円分の宝くじが1等当選。1.1億円(100万ドル)が彼に支払われることになったのです。
それから1週間後、彼は当選金の小切手をもらった翌日に亡くなりました。
彼は亡くなる前日、妻と娘、義理の父らとカレーを食べています。そして食べてから数時間後に、突然苦しみだしたといいます。
病院に運ばれ治療を受けましたが、彼の命はそこで終わりを告げました。死因は当初、動脈硬化による自然死だとされていました。
しかし、ウルージの家族は納得できません。小切手をもらった翌日に亡くなるのは、あまりにもタイミングが良すぎたからです。ウルージの兄は、検死結果の再調査を要求しました。
後の検視官による毒物検査の結果、ウルージの体内には青酸カリが含まれていることが明らかになりました。誰が毒を持ったのかは証拠が見つかっていないため、未だ犯人は分かっていません。
しかし、彼の妻と娘にその当選金の大部分が渡ったことは言うまでもありません。
5.エタ・アーカート
(via POWERFUL PEOPLE )
2011年5月、カリフォルニア州に住む76歳の女性が、56億円(5100万ドル)の宝くじに当選しました。
彼女は大喜びしましたが、これが息子との仲違いの原因になるとは、この時には思いもよらなかったでしょう。
当選した時、彼女は宝くじの支払い書にサインすることを求められました。ですがあまりにも感情が高ぶりすぎて、ペンを持つことさえ出来ませんでした。
それで彼女に代わって、サインしたのが息子のオレンダーでした。彼は自分の名前を紙に書き入れました。これが後に、どちらが当選クジの所有権を持つかの争い事に発展します。
彼女は年老いていたことから、お金の管理を彼に任せることにしました。その代わり息子に、このお金で両親や親せきの面倒を見ることを約束させました。
しかし彼はお金を手に入れた瞬間に豹変し、両親の面倒も見ずにお金を湯水のごとく使い始めたのです。彼は2億3千万円で家を4軒購入し、10台の車を手に入れ、数億円におよぶ投資を勝手に行っていたのです。
母親のエタは、息子の金遣いにとうとう我慢できなくなり、当選金の管理を母親にゆだねることを求めました。しかし、息子はそれを拒否。
こうして母親は息子を訴えることになったのです。法定での争点は、この当選クジは誰のものであったかでした。購入したのは母親のエタであり、支払い書にサインしたのは息子だったからです。
この裁判の間、一時的に当選金の入った口座や彼が当選金から手に入れた資産や所有物は凍結されました。
現在、詳細は明らかになっていないものの、裁判は和解で成立したようです。しかし、家族の絆は元に戻ることはなく、2人の間には一生消えないアツレキが生じました。
6.ジェフリー・ダンピア
(via dailyjust)
ジェフリーは1996年、イリノイ州の宝くじで22億円(2000万ドル)を手に入れました。当選時、彼には妻がいましたが、離婚して当選金の分配を50:50で行っています。
そして離婚後すぐに、彼の死のきっかけとなったクリスタル・ジャクソンと出会い、結婚。
結婚後、フロリダのタンパベイに引っ越して、ジェフリーは長年夢見てきたポップコーン屋を始めました。
彼は家族に当選金を大盤振る舞いしましたが、特に妻の妹のビクトリアとテリーには熱心にプレゼントを贈ったり、資金面の援助をしていたとされます。
彼は、その妹の一人ビクトリアと不倫関係に陥ってしまいます。それが、彼の運の尽きでした。
ビクトリアには彼氏がおり、2人にとってジェフリーはただの金づるでした。そして、2人は彼の当選金を目当てに殺害を実行したのです。
(via Haiti Infos)
ビクトリアは、「車が壊れちゃったみたいだから来て」とジェフリーを呼び出しました。そして彼がビクトリアの元へやってきたとこを襲い、2人で縛り上げました。
ビクトリアの彼氏は、ショットガンをジェフリーに押し当てました。彼氏はビクトリアに「お前がこいつを撃たないなら、俺がお前を撃つぞ」と言って彼女を脅し、ジェフリーをショットガンで撃たせたのです。
この事件はすぐに明るみに出て、2人は逮捕され、終身刑を言い渡されています。
ディスカッション
コメント一覧
悪銭身につかずとは違うけど、努力もせずに手に入れたお金っていうのは人を不幸にするもんなんだなぁ
一番最初のエピソード、途中で終わってないですか?まだ続くような書き方で終わってるので…
2番目のアブラハムさんの話、テレビで最近見た気がする!
一攫千金で得た金って、たいてい酒や女、ギャンブルで
散財して一巻の終わりというのが多い。
結局分不相応なお金って、能力が身に付いてないからその使い方も守り方も下手で、結果死に銭になるんよな。
No. 3 *これがきっかけで彼は失読症にかかり、
ディスレクシアは身体的/心理的虐待を機に後天的に発症する疾患ではなく、生まれつき脳の言語や文字を処理する機能が一般の人と異なる障害です。原因は未だ確定しないものの、親から子への遺伝が23~63%と家族性が認められています(DSM-v現在)。
ただその障害の性質から、小~中学生くらいで特性が顕著になり、診断が付くのもこの時期が統計的に多いことが、事故や怪我、精神的ショックから『ディスレクシアに罹患してしまった』と思ってしまうのではないでしょうか。
地震の時のクレクレもそうだけど、持ってない奴が持ってるやつの物を奪うってのが頭おかしい(でも嫌いなやつが当選したら問答無用で殺すw)