世界の奇妙で不思議な湖・6カ所
有毒な湖から地底湖まで、普通には見られない奇妙な湖をご紹介していこう。
スポッティド湖
(via Meme Center)
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水玉模様のユニークな塩水湖で、カナダ・ブリティッシュコロンビア州のオソイヨーズにある。
先住民は、ここを神聖な場所とみなしており、その湖水には特別な癒しの力があると信じている。円状の穴は365個あるとされており、それぞれが特定のヒーリングパワーを持つという。
(via Voolas)
このカラフルな色合いは、この湖に堆積する様々な鉱物が作りだしている。湖にはカルシウムやマグネシウム、ナトリウム等の成分が豊富に含まれており、夏季に湖水が蒸発することで濃縮され、堆積した鉱物の色があらわになっているのだ。
その色は鉱物の組成や降水量によって変化し、白や黄、青、緑などを示す。
2.ボストーク湖
(via wikimedia)
南極には湖など無いように思えるが、実は氷の下に世界最大の氷底湖が存在している。
氷床約4km下には、水深が最大800m、総面積で琵琶湖の20倍以上、東京都の7倍近くに達する湖が隠れているのだ。
湖水の温度は平均-3℃であるが、凍っていない。これは上に乗っている氷床の圧力により凝固点降下が起きるためである。
(via wikipedia)
1996年にボストーク基地で、湖に達する深度3628mまで掘削され、湖氷の回収に成功した。それを分析したところ、その氷は約42万年前に形成されており、何十万年も前から湖が氷に閉ざされていたことが分かった。
そして驚くべきことに、完全に日差しをさえぎられ、高圧中であるにも関わらず、湖には3500種に及ぶ微生物が発見された。
湖水には菌類や極限環境に住む古細菌、魚の消化器官に住む細菌などが見つかった。また暖かいところでみられる好熱菌がいたことから、この湖には熱水噴出口があることも示唆されている。
ボストーク湖はこのようなたくさんの生物がいることから、かつて海とつながっていたと考えられている。また完全隔離の湖で生物が見つかったということは、地球外で似たような氷底湖を持つ衛星のエウロパやエンケラドスにも、生物の存在が期待されている。
3.ナトロン湖
タンザニア北部にあるナトロン湖は、まがまがしい赤色をしており、石化した動物に囲まれている。この世の地獄のような風景は、ラン藻が大繁殖して生まれたものだ。
湖水の塩分濃度は海水以上で、水温は最大60℃、かつアルカリ性が高いため、ほとんどの生物はこの湖に住めない。だが唯一、コフラミンゴの一大繁殖となっている。
コフラミンゴは、外敵が寄り付かないこの湖で、深紅色のラン藻だけをこしとって食べることができる。この湖にやってくるコフラミンゴの数は、全生息数の75%にも達するという。
(via Nick Brandt)
この湖では動物が死ぬと、急速に干からびて石化してしまう。この現象は、湖の高い温度、塩分、炭酸ナトリウム、乾燥した気候などの条件が重なって起きるという。特にこの炭酸ナトリウムは、古代エジプトでミイラ製作にも使われていたことが知られている。
4.カラチャイ湖
(via The Active Times)
ロシア南西部に位置するこの小さな湖は、かつて「世界一汚染された場所」と言われていた。
1990年の調査では、1時間で人間の致死量に匹敵する6000ミリシーベルトもの放射線が検出された。また周辺に住む放射線を浴びた住民の間では、がんと白血病の発症率がそれぞれ21%、41%上昇し、先天異常の子どもが25%増加した。
この汚染源は、湖に廃棄された放射性廃棄物である。近くにはロシア最大ともいわれる核施設が存在し、そこから排出された廃棄物がここに捨てられていたのだ。湖底には大量の高レベル放射性廃棄物が深さ3.4mのところまで堆積していた。
(via wikimedia)
あまりにも危険性が高かったため、現在カラチャイ湖は特別なコンクリートブロック材などで完全に埋め立てられている。数多くの被害をもたらしたにも関わらず、現在でもこの核施設は稼働している。
5.カインディ湖
(via Unusal place)
カザフスタンに位置するカインディ湖は、青緑色の湖水に幹だけの樹木が林立している。北海道の青い池と似ているが、こちらは1911年に起きた地震が原因で形成されたものだ。
(via Zach Travel)
地震による地滑りは峡谷をせき止め、山からの水がたまって自然のダム湖をつくった。この色は地滑りで運ばれてきた石灰岩の成分による。
(via watson )
湖の樹木は死に絶え、幹だけになっている。湖が出来てから100年以上たっても腐って倒れてしまわないのは、湖水が非常に冷たいからだ。夏でも6℃以上に上がることはないという。
6.ボイリング湖
ボイリング(boiling)は、「沸騰する」という意味があるが、その名前の通り、ここは煮えたぎった湖だ。火山の噴気孔上にあり、地下のマグマと噴き出るガスで水が100℃近くまで温められている。
湖の大きさは直径60mほどで、その深さは火山の活動状況や降雨量で変化している。あるときには60m以上になり、水蒸気爆発を起こした1880年には一旦消滅し、熱い噴水と蒸気が湧き出る様子が観察された。
現在、この湖は世界遺産となったため、秘境を求める旅人が訪れている。ただし湖までの道路はなく、一番簡単なルートでも13kmの険しい道を歩かなければならない。
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