可愛いけど残酷な共食いをする動物・8種

みんなを笑顔にする可愛い動物たちにも残酷な一面がある。今回ご紹介するのは、共食いをする動物たち。しかもその共食い相手の多くが、いちばん身近な家族である。

1.姉妹の赤ちゃんを食らうプレーリードッグ

(via Wikimedia)

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北アメリカの草原に暮らすプレーリードッグは、その愛らしい見た目に反して、残酷なことをやってのける。本来は草食なプレーリードッグだが、授乳中のメスは、定期的に姉妹の産んだ赤ちゃんを食べる。人間で例えるなら、子供たちが叔母に食われるようなものだ。

実際に共食いによる死亡は、赤ちゃんの死因の39%を占めているというから驚きである。

(via Pixabay)

授乳中のメスが共食いをする理由については、一つに集団内の生息密度が大きくなりすぎないようにするため。あるいは授乳中のメスが、必要な栄養を得るためとも考えられる。また子供を食べられたメスは、巣の見張りに費やす時間が増えるため、集団内の安全向上の手助けとなる。

2.オタマジャクシ

(via pxhere)

とてもおとなしそうで、普段は菜食主義のオタマジャクシだが、獰猛な一面も知られている。ただし、それは本種が生息環境に適応するために仕方がないことである。

本種が共食いを始めるのは、他に食べ物がないときである。だが周囲にエサが豊富にあったとしても、狭い場所に押し込まれた場合には、お互いを攻撃しあい、共食いに発展しうる。

3.ハリネズミ

(via Pixabay)

最近はSNSを通じてペットとしての人気が高まっているハリネズミ。しかし飼育している多くの人は、ハリネズミが繁殖時期になると共食いをしてしまう動物だとは知らない。

ハリネズミはとても臆病な性格で、特に出産直後のメスは顕著だ。例えば、メスの周囲に他のオスがいたり、人間が近寄ったり、狭い空間に押し込まれたりなど、ささいなストレスが原因で赤ちゃんを食べてしまうことがある。あるいは、食べずとも育児放棄する場合がある。

そのため飼育下では母親が赤ちゃんを食べてしまわないよう、出産前後の期間は母親を他のハリネズミから離して飼うことが推奨されている。

4.アヒル

(via Pixabay)

抱きしめたくなる可愛さのアヒルも、残酷な一面を持っている。アヒルは生後4週間足らずで、共食いを始めることがあるのだ。しかもその理由のひとつは、退屈をまぎらわすためとされている。

もちろんこれだけが共食いの要因ではなく、たとえば食肉用として超過密状態で飼育されたり、換気の悪い環境だったり、食べ物が無かったりすることでも起きる。

(via Business Ideas)

またアヒルは互いの行動を真似する習性があるため、高い飼育密度で飼われている食肉用のアヒルたちの間では、一度アヒル同士のつつきあいが始まって共食いに発展すると、それがまたたく間に集団へと広がり、多くの犠牲が出る。

5.ネコ

(via Wikipedia)

子猫は、親猫や他の猫に食べられてしまうことがある。ある研究では、離乳前の子猫の死因の12.5%が、共食いによるものだったという結果が出ている。

母猫が子猫を食べる理由の一つに、その子猫が病気や奇形であった可能性が考えられる。これは、他の元気な子猫たちに世話の時間を割けるようにし、病気をうつさないようにするためだ。またエサの少ない野生では、栄養補給のために行われることもある。

この他にも共食いは、ストレスによって引き起こされたり、子猫の数減らしを行って、残った子供にリソースを集中させ、確実に生存させるための戦略だったりする。

オス猫は、間違って子猫を殺す?

(via freestocks)

ごくまれにオスの猫も子猫を殺してしまうことがある。その原因は、母猫が出産後にオス猫を引き寄せるホルモンを放出し、偽発情をするためである。

それによってオス猫も発情して、母猫に迫ってくるが、母猫は本当に発情したわけではないので、交尾を拒否する。オス猫は完全に準備万端であるのに受け入れられないため、混乱して”子猫”と交尾しようとする。オス猫は交尾時に、メス猫の首を噛んで動かないよう固定するのだが、これを子猫にやってしまうと首が締まって死んでしまうのだ。

6.イヌ

(via Wikipedia)

犬も猫と似た理由で、母犬が自分の赤ちゃんを食べてしまう。また経験の浅い母犬の場合、自分の赤ちゃんだと認識できないために殺す場合がある。

とりわけ帝王切開で出産した母犬については、自然出産時に作られるホルモンが分泌されないため、自分の子供だという認識が上手くできない。これに加え、生まれたての子犬の動きと鳴き声は、母犬にネズミと勘違いさせてしまうリスクがある。

そのため母犬は、子犬を食べられるものだと思い込んで、共食いになってしまうことがあるのだ。特にテリア系の犬種は、げっ歯類を捕殺する習性を持つため、悲劇的な事故につながりやすい。

7.ハムスター

(via Pixabay)

ハムスターはとても縄張り意識が強く、同じケージ内で複数匹を飼育すると喧嘩が始まり、共食いに発展することがある。特にゴールデンハムスターは、他のハムスターに対して強い攻撃性を示しうる。

また犬や猫以上に、母親が子供を食べる習性が強い。ある研究では、出産後まもない赤ちゃんを食べる母親の割合は、75%以上に達し、また別の研究においては、離乳前のハムスターが亡くなる原因の97.5%は、共食いによるものだと示された。

(via Pixabay)

ハムスターは1度に最大で20匹も子供を産むことがあるので、母親が子供全員を世話できない場合もある。そのため少しでも子供の生存率を上げるのに、共食いによる選別を行う。

母親は、メスを好んで食べることが研究で明らかになっており、これはオスを残したほうが生存率が高くなるからだろう。

8.テントウムシ

(via pixnio)

食料が乏しい環境では、テントウムシも共食いに走る。ある研究では共食いをしたテントウムシのほうが、普通に育てた個体よりも生存率が上昇し、成長が早かったという。

テントウムシの母親は、まるで共食いを見越したように、有精卵だけでなく、無精卵も複数産み落とすことが知られている。幼虫は生まれてまもなく、この無精卵を食べて体力をつけるのだ。また成虫や幼虫同士の共食いでは、動けなかったり、外骨格が柔らかったり、弱っている個体が捕食対象となる。

参考:ListVerse

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動物

Posted by uti