驚くべき目を持つ動物たち・8種
研究によると、生物に初めて目が発生したのは、5億4千万年前ごろだという。この頃の目は原始的で、光の明るさぐらいしか検知することができなかった。
だが今日では、多くの動物にとって視覚は最も重要な感覚となっており、様々な形に進化を遂げている。今回は特に興味深い目をもつ動物たちをご紹介していこう。
1.体の大きさに対して非常に大きな目を持つ。メガネザル
(via Wikimedia )
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東南アジアの熱帯雨林に生息する小型の霊長類・メガネザルは、あらゆる哺乳類の中で体格に比して最も大きな目を持っている。片目の重量だけで、脳の重さを超えるほどだ。もし人間がメガネザルと同じ比率の目を持っていたとしたら、その目玉の大きさはグレープフルーツほどにもなる。
(via Pixabay)
この目は、頭蓋骨に完全に固定されており、向きを変えられない。この欠点を補うため、メガネザルはフクロウのように首が柔軟で、最大180度頭を回転できるようになっている。
(via ipernity)
またこの大きな目のおかげで、夜でもわずかな明かりではっきりと物を見ることができ、視力が非常に優れる。メガネザルが薄明かりでもトカゲや昆虫、小鳥さえも捕獲できるのは、この目があってこそだ。
2.目を個別に動かして、360度の視野を得る。カメレオン
(via Kuhnmi/flickr)
カメレオンといえば体色を変えることでよく知られるが、その目も特筆すべき点がある。その一つに、カメレオンは上まぶたと下まぶたがくっついていて、瞳孔以外がほぼ完全に覆われていることだ。
そしてその両目は、それぞれ自由に動かせ(水平方向に±180度、垂直方向に±90度)、全く別の映像を見ることができ、視野は360度に広がっている。目だけを動かして全てを把握する様子から、賢者にたとえられることもあるほどだ。
(via VOA News)
また両目の視野を重ねれば、正確な空間認識ができるようになる。これは、獲物までの距離を把握して高速な舌技で獲物をからめとるのに役立っている。
3.シュールな目のヘラオヤモリ
(via Frank Vassen/flickr)
ヘラオヤモリ属は、種類によってコケや木、葉っぱなど様々なものにカモフラージュした外見をしている。この複雑に入り組んだ模様の目も、カモフラージュのひとつだとされている。
(via Wikimedia)
本種にはまぶたが無く、常に目が開きっぱなしになっている。そのかわり目は透明な薄膜で保護されており、ゴミが付着した場合には自分の舌でなめとっている。
また夜間視力がずば抜けている。よく猫は暗視能力が高いと言われるが、ヘラオヤモリはその猫の30~50倍とされている。人間と比べると最大350倍も違うという。
4.世界最大の目を持つダイオウホウズキイカ
(via SciTechDaily)
無セキツイ動物の中で最も大きいとされるこの巨大イカは、その目玉の大きさが直径30~40cmになるとされる。これまでに見つかった最も大きな目玉は直径27cmだったが、死んだ個体だったので、生きていれば30cm以上だと見積もられている。
(via Scribol)
水深2000m以下の深海に住んでいることもあって、この巨大な目はわずかな光でも視界がきくため、大きな利点となる。また両目には発光器がそれぞれ組み込まれていて、ヘッドライトのように機能しており、暗闇でも狩りがしやすくなっている。
5.ヨツメウオ(四つ目魚)
(via BAOMOI)
アマゾン川周辺に生息するこの魚は、目が4つあるように見えることから、このような名前が付いた。だが実際には、目は2つしかない。4つに見えてしまうのは、瞳の真ん中を横切る不透明な仕切りが原因だ。
(via wikipedia)
ヨツメウオは水面を常に泳いでおり、瞳の仕切りから上部分は空気中を、下部分は水中を見るのに最適化されている。上下ともに同じレンズだが、その厚みと曲がり具合が異なっている。
この目のおかげで水面上と水面下を同時に見ることができ、獲物の捜索や外敵の発見をいち早く行うことができる。ちなみに、もしヨツメウオが水中に沈んで泳いだとしたら、上半分は焦点が合わなくなり視界が失われる。
6.より長い目を持っている方がモテる。シュモクバエ
(via Wikimedia )
東南アジアやアフリカのジャングルに生息するシュモクバエは、一般的なハエとかけ離れた目をしている。頭の両側から棒状のもの(眼柄)が飛び出ており、その先端に目がついているのだ。
この目は、周囲を広く見渡したり、獲物との距離を測るのに役立っていると考えられる。眼柄は、オスのほうがメスよりも長くなっており、これはメスがより長い目を持つオスを好む傾向にあるためだ。
(via wikimedia)
オス同士は交尾期をむかえると、互いに向き合って目の長さを競いあう光景がよく見られる。さらにオスは、空気を口から吸いこみ、眼柄をふくらませる能力も持っている。
7.セラミック製の目が無数にあるヒザラガイ
(via .Cédric VAN ROMPAY/flickr)
ヒザラガイは、アワビのように岩に張り付いて暮らす軟体動物である。軟弱な本体を平べったい8枚の殻が保護しており、この殻の部分には数mmに満たないとても小さな目がいくつもある。
(via .sci-news)
この目は、貝殻の成分と同じ炭酸カルシウムから出来たレンズであり、セラミックの一種とも言える。ヒザラガイがこの目でどこまで見えているかは分かっていないが、少なくとも光の明暗を感じ取っている。またMITの研究では、空間認識もできる可能性が高いとしている。
8.地球上で最も奇妙な目?デメニギス
(via VTC News)
水深400~800mに生息する深海魚デメニギスは、非常にユニークな目の持ち主である。透明な頭部にある緑色の物体が、デメニギスの眼球なのだ。頭の先についている黒い2つの穴は目に見えるが、鼻である。
(via wikimedia)
眼球は回転させることができ、前方と真上を見渡せる。通常は目を真上に向けており、上方から差し込むわずかな光によってできる獲物の影をとらえ、捕食する。
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