世界のかなり変わったチーズ

一生食べられないかもしれないかなり変わったチーズを6種ご紹介していこう。

1.母乳からつくったチーズ

【母乳チーズ】

(via danielangerer)

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ニューヨークのレストランシェフ、ダニエル・アンゲラーは、母乳からつくるチーズのレシピを公開している。彼がこのチーズを創作しようと思ったきっかけは、授乳期の妻が母乳を持て余していたことだ。

【冷凍庫に保存した母乳】

(via danielangerer)

捨てるのはもったいないと思い、冷凍庫に保存して母乳バンクに寄付する予定だった。しかし寄付には母乳の検査が必要で時間がかかったため、その間に冷凍庫に入らないくらい母乳が溜まってしまったそうだ。

どうにかこの母乳を有効利用できないかと考えた結果、生まれたのが母乳チーズであった。

【シェフと母乳を提供した妻と娘】

(via danielangerer)

約7リットルの母乳を使い、2週間熟成させてチーズは完成した。そのチーズは甘みが強かったものの、それ以外は牛乳からつくったチーズとほとんど変わらなかったという。

2.ダニ入りチーズ。ミルベンケーゼ

(via info foodbook)

約400種におよぶチーズを、年間180万トン以上生産するチーズ大国ドイツにおいて、一番風変りなチーズがミルベンケーゼである。

ミルベンケーゼは、家を住処とするチリダニをチーズの熟成に利用するのだ。チリダニはチーズを食べて排泄物を出す。この排泄物が、チーズのうまみを引き出すのである。

(via wikipedia)

排泄物の中には、特殊な酵素が含まれており、チーズの発酵を促進させ、1か月後にはチーズの外皮は黄色くなり、3か月後には赤茶色、そして1年で黒くなる。

【熟成時、ダニが好きなライ麦粉をまぶす】

(via wikimedia)

赤茶~黒あたりが食べ頃とされ、外皮も含めダニごと食べることができる。味はほんのりとした苦みにピリッとした刺激が特徴的で、後味もかなり独特だという。

【熟成が進んだミルベンケーゼ】

(via wikipedia)

食品衛生上の問題から、残念ながらこのチーズが食べられるのは、ミルベンケーゼ発祥の地であるドイツ東部のヴュルヒヴィッツだけである。

3.世界一高いロバのチーズ、ピュール

(via cheeze)

セルビアのザサヴィカ自然保護区のみで製造されるロバのチーズは、世界一高額なチーズであり、100gあたり1.2万円にもなる。

牛乳から作るチーズに比べてビタミンCが60倍以上含まれるので健康には良いものの、製造のコストが非常にかかる。その理由は、1日にロバから搾乳できる量がたった200mlしかないからだ。しかもたった100gのチーズを作るのに、2.5リットルのミルクが必要となる。

(via deccanchronicle)

一方で牛の場合は、1日で最大90リットル搾乳でき、0.5~1リットルほどで100gのチーズをつくることができる。

4.地衣類からつくるチーズ

(via culturecheesemag)

地衣類とは、コケと見た目が似ている菌である。内部に藻類が共生しているため、コケのように見える。しかしこれは、そのまま食べるとお腹を壊してしまう。

(via Rebecca Heisman)

イヌイットの先住民らは、この地衣類をカリブーに一度食べさせて解毒し、食肉として解体処理するついでに胃から取り出して食べていた。その味は、ブルーチーズのようだったという。

そしてこのイヌイットの知恵を利用して現在作られているのが、地衣類のチーズである。ヤギのミルクから製造したチーズを、地衣類の菌によって熟成させることで、刺激的な味わいになるそうだ。

5.ウジ虫で作るカース・マルツゥ

(via Wikimedia)

カース・マルツゥはウジ虫で熟成させる濃厚なチーズである。衛生上の問題からアメリカやEU内では取扱が禁止されている。

作り方は、ペコリーノチーズにチーズバエの卵を産み付けさせ、孵化した幼虫にチーズを食べさせる。幼虫が食べるときに吐き出す消化液は、チーズの脂肪を分解して柔らかくし、発酵を促進させることで独特の旨味が引き出される。

【ウジごと一緒に食べる】

(via Playbuzz)

しかしこのチーズを食べることで、ウジ虫が腸内に寄生して穴を開けたり、腐敗が進みすぎて有毒になったりする可能性がある。

6.人の足と脇、へそ、耳からとった細菌でつくるチーズ

(via Playbuzz)

人体に生息する細菌のなかでも、体臭の原因となるリネンス菌は、古くからチーズの発酵に使われてきた。現在でも普通に、赤ワインとよく合うウォッシュタイプのチーズにはこの菌が利用される。これらのチーズが足臭いのも、同じ細菌が繁殖しているのだから当然である。

現在出回っているもので、人体から採取した菌を使ったチーズは無いものの、2019年に合成生物学の展覧会のため試作されたチーズは、人の体から直接採取した細菌から作り出された。

検体となったのはイギリスの有名人であり、国民的ロックバンドであるブラーのベーシスト、アレックス・ジェームスや1970年代に一世を風靡した歌手サッグなどから脇、足、へそ、耳の細菌を摂取して、モッツアレラやスティルトン、コント、チェシャーなど様々なチーズが製作された。

残念ながら展示用のため、これらのチーズの味については分からないそうだ。

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Posted by uti