狂気の蜂蜜。勇者のための幻覚珍味

【狂気の蜂蜜】

(via madhoneynepal)

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その美味しさで多くの人に食されているハチミツだが、全く異なった理由で食べている人もいる。そのハチミツの採集は、非常に危険で過酷である。

今回は、ヨーロッパの裕福な人々が大金を払うことをいとわないネパールとトルコの名物「狂気の蜂蜜(マッド・ハニー)」をご紹介しよう。

(via boingboing)

このハチミツは、ツツジ科の植物が成育する場所で発見されている。たとえば、キバナツツジとセイヨウシャクナゲなどである。

【キバナツツジ】

(via wikipedia)

【セイヨウシャクナゲ】

(via wikipedia)

これらの植物は有毒である。グラヤノトキシンという神経毒が含まれており、食べてから数時間後に幻覚や心拍数の減少、一時的な麻痺、最悪の場合は意識不明になることがある。

ほとんどの動物はこの植物を避けているが、唯一の例外がヒマラヤオオミツバチである。この巨大なミツバチは、花の毒蜜をものともせず、強力な向精神作用を持つハチミツを生産する。

【全長3cmに達する巨大なヒマラヤオオミツバチ】

(via wikipedia)

この呪われたハチミツが最初に報告されたのは、今から2000年以上前の紀元前401年のことである。ギリシャ軍は、ペルシャの軍隊を撃退した後、凱旋して祖国に戻ってきたが、その途中で蜂の巣がある農場を見つけた。

(via history)

飢えていて、のどが渇いていた兵士たちはここから大量の蜂蜜を盗んだ。だが兵士たちは、ひどい後悔をすることになった。

戦利品を飽きるほど食べた後に、下痢、幻覚、嘔吐が起き、バランス感覚が失われたのだ。24時間苦しんだ後、兵士たちは耐え難い偏頭痛をこらえながら、その道を進み続けた。

このことを耳にしたペルシャ人は、地元で採れるこのハチミツが、強力な戦闘兵器として使えるという結論に達した。

この甘い「爆弾」の有効性を試す機会が訪れたのは、紀元前6~7年、ローマ帝国とのポントス戦争の時だった。

ペルシャの軍隊は、敵の進路にハチミツの樽を放棄した。ローマ軍はこの贈り物に感謝し、喜んで食べた。その後ペルシャ軍は、幻覚症状が始まったローマ軍を急襲し、1000人以上を虐殺したという。

(via bionicgrrrl)

狂気のハチミツは、あまりにもたくさん食べすぎると悪い結末を迎えるかもしれないが、少量を食すことは幻覚剤としてだけでなく、体に良いとさえ考えられている(スプーン一杯程度)。

地元の人々は、何世紀も前から高血圧、糖尿病、胃の病気などにこのハチミツを食べてきた。これを最高の媚薬として食す人もいる。

しかしこのハチミツの採集は、非常に危険である。ミツバチの巣が、海抜2500m以上の崖に張り付いているためだ。また巣の直径が1.5mほどある。だが巣を一つ収穫できれば、最大60kgのハチミツが得られる。

(via joemonster)

(via joemonster)

(via joemonster)

(via joemonster)

(via joemonster)

(via joemonster)

ハチミツハンターは、自作のハシゴを用いてミツバチの巣まで登る。崖の下では、他のハンターがハチを追い払うために新鮮な葉っぱの囲炉裏を作り、多量の煙を放出させている。

(via joemonster)

量を間違えれば重篤な症状を引き起こしうる狂気のハチミツだが、それがヨーロッパのバイヤーを抑止することはない。毎年、精神活性のハチミツが25トン以上輸出されている。

(via Mad Honey)

1kgあたり2万円近くで取引されており、世界でも有数の高級ハチミツとなっている。

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雑学

Posted by uti