最も硬い&柔らかい宝石と鉱石(傷のつきやすさランキング)
今回は、硬い宝石と柔らかい宝石をランキング形式でご紹介します。
このランキングは、硬さを比較する尺度「モース硬度」を基準に作成しました。モース硬度は、「あるもので対象の物体を引っかいたときの傷のつきにくさ」であり、相対的な硬度です。そのため、モース硬度が2倍であるからといって、硬さが2倍になるわけではありませんので、ご注意ください。
またモース硬度が適用されるのは、ゆっくりと力を加えた場合に限り、急激に力を加えた場合には、全く意味の無い数値になります。
最初に柔らかい宝石ベスト10をご紹介します。(硬度と書いているのは、モース硬度)
柔らかい宝石ベスト10
1位.琥珀(こはく) 硬度: 2 ~ 2.5
(via Wikimedia)
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コハクは、樹液が数百万年以上かけて化石になったものです。最も古いものでは、恐竜が誕生する3億年以上前のものが残されています。200℃以上に加熱すると溶け、樹液が主成分なので容易に傷つけることが出来ます。
参考:爪 硬度: 2
(via Wikimedia)
2位.レピドライト 硬度: 2.5 ~ 3
(via Crystal Cure)
紫色あるいはバラ色の雲母の仲間です。リチウムの他、レアメタルのルビジウムやセシウムが含まれています。
3位.セラフィナイト(クロライト) 硬度: 2~4
(via Silverhawk’s)
セラフィナイトは流通時の商品名で、鉱石名はクロライトです。暗緑色か緑色をしています。宝石としてはかなり柔らかいので、装飾用ではなく主にコレクションやインテリア用に使われます。
4位.クリソコラ(珪孔雀石、けいくじゃくせき) 硬度: 2~4
(via wrightsrockshop)
銅の水和物が含まれることで緑色になった鉱物です。地球の地殻の90%を占めるシリカが主成分です。それなりに柔らかいため、アクセサリー等として使う場合は、樹脂などで硬化処理を行います。
参考:金(ゴールド) 硬度: 2.5~3
(via Wikimedia)
5位.真珠(パール) 硬度: 2.5 ~ 4.5
(via Wikimedia)
真珠は、異物が貝の外套膜(がいとうまく)という器官に入り込み、貝殻の成分がくっつくことで得られるものです。成分は貝殻と全く同じで、炭酸カルシウムから出来ています。ただし、天然の真珠はめったにとれず、形も不ぞろいのため、市場に出回っているのはほぼ養殖ものです。
6位.ヴァーダイト 硬度: 3
(via Soul2Shine)
ヴァーダイトは、クロムが含まれた雲母の一種です。明るい緑あるいは、濃緑色をしています。南アフリカの川で初めて発見され、数百年間に渡って先住民にアクセサリーとして使われてきました。この宝石自体は、傷つきやすいため、はめ込み細工がなされることが多かったようです。
7位.方解石(カルサイト) 硬度: 3
(via Mike Trask)
貝殻と同じ炭酸カルシウムが主成分の鉱物です。通常は透明ですが、不純物が含まれていて色合いが美しいものは、大理石として使用されます。他の宝石に比べて、かなりもろいため、収集用の鉱石として扱われることが多いです。
8位.コーラル(サンゴ) 硬度: 3~4
(via eBay)
サンゴは、クラゲと同じように触手を持つ動物です。その触手でエサを捕まえて食べたり、内部に藻を飼ってそこから栄養をもらったりして生きています。
またサンゴは貝殻と同じ石灰質の骨格を発達させます。このサンゴの中でも美しい色合いを持つものは、宝石として珍重されます。
9位.スファレライト(閃亜鉛鉱、せんあえんこう) 硬度: 3.5 ~ 4
(via gem-sphalerite)
天然のスファレライトのほとんどは、不透明な黒色をしています。これは不純物として鉄が含まれるためで、純粋なものだと白~黄色となります。鉄が多いほど、黒っぽくなっていきます。
10位.マラカイト(孔雀石) 硬度: 3.5 ~ 4
(via Gemstone Buzz)
シマ模様が特徴的な緑色の鉱石です。このシマ模様がクジャクの羽に見えることから、クジャク石と名付けられました。
また英語名は、ギリシャ語の「柔らかい」を意味する「malakos(マラコス)」が由来とされています。その柔らかさのため、宝石としては樹脂やワックスでコーティング処理されてから販売されることが多いようです。
次に硬い宝石ベスト30をご紹介します。
硬い宝石ベスト30
1位.ダイヤモンド 硬度: 10
(via Wikimedia)
世界一硬い宝石です。鉛筆の主成分である黒鉛と全く同じ炭素からできています。ダイヤモンドは、ゆっくりと加えられた力に対してはかなり強いですが、急激に力を加えた場合は、比較的簡単に割れます。【靭性(じんせい)が小さい】
2位.ルビー 硬度: 9
(via Wikimedia)
ダイヤモンドに次ぐ硬度を持つ、アルミニウムが主成分の宝石です。宝石はすべて赤色です。これは、不純物としてクロムがごく微量に含まれるためです。
3位.サファイア 硬度: 9
(via wikimedia)
ルビーと同じ成分(アルミニウムの酸化物)の宝石です。違うのは、不純物にチタンや鉄などを含み、青色を示すことです。
4位.スタールビー 硬度: 9
(via Leibish)
六芒星が光り輝くルビーです。これは針状結晶のルチル(ニ酸化チタン)が含まれるために起こります。
5位.スターサファイア 硬度: 9
(via famousdiamonds)
角度を変えてみると、六芒星が輝き出すサファイアです。スタールビーと同様にルチルが含まれています。
6位.カラーチェンジサファイア 硬度: 9
(via jtv)
太陽などの日差しの中では青色ですが、蛍光灯の光の中では紫色に変わる宝石です。これは、サファイアに極微量のクロムが入っていると起こる現象です。
7位.クリソベルキャッツアイ 硬度: 8.5
(via Wikimedia)
クリソベルの宝石に、猫の目のような光りを放つ特殊効果が現れたものです。この光の効果は、クリソベルの主成分にルチル(二酸化チタン)が不純物として混ざることで起こります。クリソベル自体は、高価な宝石ではありませんが、キャッツアイが入ると、その価値は一気に高まります。
8位.アレキサンドライト 硬度: 8.5
(via Taringa!)
上記のクリソベリルの変異種であり、鉄やクロムが混ざり込んだものです。太陽光の下では青緑色を示しますが、照明の下では赤紫色に変わるのが特徴的です。
9位.クリソベリル 硬度: 8.5
(via marinmineral)
無色なものもありますが、一番多いのは黄色です。ベリリウムとアルミニウムの酸化物として知られています。
10位.トパーズ 硬度: 8
(via gemsquares)
ケイ酸とアルミニウムとフッ素の化合物です。この宝石自体は無色透明ですが、不純物が入り込むことによって黄色やピンク、青色などに変化します。その中でも青色のトパーズは、天然ではめったに見られません。
11位.ルチルトパーズ 硬度: 8
(via auction3)
無色透明なトパーズの宝石に、黄金色の針状結晶「ルチル」が混ざり込んで形成されています。
12位.アゾティックトパーズ 硬度: 8
(via Nicky Baker Gemstones)
虹色に輝くトパーズです。アゾテック社が特許を取得したコーティング処理を行ったものであり、人工的な宝石です。
13位.ミスティックトパーズ 硬度: 8
(via farlang)
1998年に生まれた新しい宝石です。無色透明なトパーズに、虹色に輝く効果を付与させています。この虹色は、アゾティックコーティング社が開発したチタン化合物の表面コーティング処理で形成されます。
14位.スピネル 硬度: 8
(via marinmineral)
様々な色の種類がある宝石で、マグネシウムとアルミニウムの酸化物です。この青色は、スピネル中にごく微量含まれる鉄の色です。
ディスカッション
コメント一覧
最後のナイフが5になってるけど雑すぎますね。
鋼材ステン、ハイカーボンステン、鉄、ハイカーボンスチール、チタン、セラミック、で様々、宝石同様何が混ざってるかで靭性や硬度、強度、腐食性も様々。
インジウムは?