既にこの地球上にいない絶滅した犬種16選
今回の記事では、既にこの世界から姿を消してしまった犬種についてご紹介します。
1.コルドバ・ドッグ
(via wikipedia)
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(via Disclaimer)
コルドバ・ドッグは、犬同士を戦わせる闘犬としてスペインのコルドバで産まれた品種です。いずれもたくましい肉体を持つマスティフ、ブルテリア、ブルドッグ、ボクサーの4種を交配させて産み出されました。
(via wikipedia)
コルドバ・ドッグは痛みに対して強い耐性があり、闘争本能が強かったため、他の犬との戦闘の際、自分か相手が死ぬまで戦い続けたといいます。このため、多くのコルドバ・ドッグがリング上で死にました。
絶滅の原因
この種の絶滅は、スペインで闘犬が禁止になったことが大きな要因となっています。そしてコルドバ・ドッグがあまりにもどう猛すぎたために、この犬種を品種改良し、穏やかさを獲得した犬種「ドゴ・アルヘンティーノ」が産まれたことも原因とされています。
(via wikipedia)
2.ミニチュア・ブルドッグ
(via wikimedia)
ブルドッグの小型化を目指して作られたイングランド産まれの犬種です。ブルドッグの小さな個体同士を交配させて作出されましたが、病気がちであったり、難産であったりと、いくつかの健康問題を抱えていました。
一時期は人気もあったのですが、フランスから小型犬のフレンチブルドッグが輸入されるようになると、ミニチュア・ブルドッグの人気は急激に下降しました。このことが原因で、ミニチュアブルドッグは1930年ごろに、絶滅してしまいました。
3.ターンスピット
(via wikipedia)
肉を焼くための回し車を走らせるのに使われていたイギリス産まれの犬種です。そもそも「ターンスピット」は、肉を回しながら火であぶる焼き串のことをいい、転じてそれを回す人や犬のことを指すようになりました。
(via wikimedia)
18世紀から19世紀半ばにかけて起こった産業革命により、自動回転式の肉焼き機が開発され、ターンスピットの役目は無くなり、急激にその頭数を減らし、絶滅にいたりました。
4.ペイズリー・テリア
(via wikimedia)
シルクのような滑らかなコートを持つイギリス・スコットランド産まれの犬種です。スカイテリアをショードッグ用に改良した犬種ですが、人気が低迷し、第二次世界対戦前に絶滅が確認されています。
(via wikipedia)
絶滅してしまった犬種ですが、その血は現在人気犬種のヨークシャーテリアに受け継がれています。
(via BubbleJuice)
5.サザン・ハウンド
(via Pet Dogs Picture)
サザン・ハウンドはイギリスで産まれ、19世紀頃に絶滅した犬種です。他の犬種よりも優れた嗅覚を持っていたため、シカ狩りに利用され、シカの臭いをかぎつけて捕らえる重要な役目を担っていました。
しかし、19世紀にシカ狩りの人気が衰え、キツネ狩りにとって変わったことが原因で、その数は激減しました。
その後、サザン・ハウンドはキツネ狩りに最適な犬種へと品種改良され、イングリッシュ・フォックスハウンドへと姿を変えています。
(via Wikimedia)
6.タルボット・ハウンド
(via exploredia)
11世紀頃にイングランドで生まれた狩猟犬です。スピードは、それほどでもなかったのですが、臭いの追跡能力はかなり高かったと言われています。
サザン・ハウンドと同じく鹿狩りに利用されていましたが、鹿狩りの人気が無くなり、別の種がベルギーから輸入されたことが原因で、18~19世紀頃には絶滅してしまいました。
現在ではこの犬種を見つけることは出来ませんが、その遺伝子の一部は、現在のビーグルやブラッドハウンドに受け継がれています。
(via Wikimedia)
7.モロシア
(via romeacrosseurope)
古代ギリシャ・ローマ帝国で軍用犬として利用されていた犬種です。ローマ帝国では、戦闘用に訓練したモロシアに、トゲ付きの首輪と鎖かたびらをつけさせ、攻撃陣形を作り、敵に突撃させていました。
(via Picasso Neapolitan Mastiffs)
また、モロシアは知的な血統で、アリストテレス(紀元前384~322年)が執筆した書物にも、モロシア犬の賢さについての記述が残されています。
さらに、モロシアは現在のマスティフ、グレートデーン、セントバーナードなどの先祖だと考えられており、多くの犬種の作出に貢献しています。
8.アフリカン・サンド・ドッグ
(via wikimedia)
アフリカン・サンド・ドッグは、頭と尻尾の先にしか毛が無い中型犬です。一部の個体には、全く毛が無いものもいたとされています。性格は、勇敢で忠誠心が強かったと言います。
また、この種は現在最も人気なヘアレス種のチャイニーズ・クレステッド・ドッグの祖先であると考えられています。
(via wikipedia)
9.ハワイアン・ポイ・ドッグ
(via easypetmd)
ハワイで食用の他、ペットとしても飼われていた犬種です。「ポイ」という名前は、タロイモで作った「ポイ」という料理をエサとして頻繁に与えられていたことから名付けられました。
ペットとして飼われている犬以外は、太らせて食用として、別に飼育されていました。当時その肉は貴重だったため、祝い事や来客の際にごちそうとして提供されていたようです。
20世紀頃には、犬肉を食べることが少なくなり、他の犬種との交配が進んだこともあって、ポイドッグは姿を消しました。
10.ブルー・ポール
(via FindTop10)
1770年、海賊のポール・ジェームスがスコットランドにこの種を連れてきたことで、犬種としての歴史が始まったとされています。
ブルーという名前は、青色の体毛のことを指していますが、実際はグレーに近い色であり、本当の青色とはかけ離れています。
ブルー・ポールは現在のピットブルに似ていて、筋骨たくましいうえに、我慢強く、飼い主に忠実であったことから、闘犬としてアメリカやイギリスで人気となりました。
しかし、19世紀後半にイギリスで闘犬が禁止されると、その需要は一気に減少し、絶滅にいたりました。
11.デュピュイ・ポインター
(via wikipedia)
19世紀頃のフランスで、鳥狩りを目的として生まれた機敏で利発な犬種です。
鳥猟の際には、獲物の前方に立ち止まって、飼い主にその位置を知らせる役割を担っていました。また、飼い主の命令で草むらに飛び込み、鳥を飛び立たせて飼い主の射撃を助ける役目も果たしていました。
デュピュイは現在では絶滅したと考えられていますが、一部の愛好家の間では、ヨーロッパの辺境地で、まだ極少数が生きているという主張もされています。
12.ロシアン・トラッカー
(via wikimedia)
体重45kgを超えるロシア生まれの大型犬で、オオカミからヒツジを守る護畜犬として活躍していました。いつ絶滅したのかははっきりと分かっていませんが、1800年台後半には、まだいくらかの頭数が存在していたことは確かなようです。
そして現在ではゴールデン・レトリーバーの先祖として、その形質が受け継がれています。
13.タールタン・ベア・ドッグ
(via EasyPetMD)
カナダのブリティッシュコロンビア州に住むタールタン族に飼われていた犬種です。この犬種は紀元前には既に存在しており、クマやオオヤマネコの狩猟に使われていたという記録が残っています。
クマに立ち向かうほどの勇敢さを持ちながら、人には友好的で、温和な性格だったと言います。
しかし、タールタン族が狩猟を行わなくなり、犬種の需要が減少したことで、頭数は減少。1970年以降はその存在を確認できていません。またこの種は、現在存在するどの犬種とも遺伝子的につながりがない、オリジナルな種であると分かっています。
14.チズム
(via wikimedia)
紀元前3000年頃の古代エジプトで飼われていたとされる犬種です。チズムは、古代エジプト語で「狩猟犬」を意味し、現在のグレイハウンドがその血を受け継いでいます。
(via wikipedia)
また、この犬種は世界中に輸出され、バセンジーやファラオ・ハウンドなど様々な犬種の祖先になったことでも知られています。
15.ブレンバイザー
(via wikipedia)
ブレンバイザーは、力強さと機敏さに定評があったドイツ産まれの犬種です。雄牛をけしかける闘牛の他、イノシシの狩りなどに利用されていました。
このブレンバイザーという名前も、「雄牛を噛む犬」という意味があり、闘牛の際には欠かせない犬種でした。
(via EasyPetMD)
1900年ごろに、この種を改良したブラバンダーという種が誕生し、その後現在のボクサーへと改良され、ブレンバイザーは完全に姿を消しました。
(絶滅したブレンバイザーの血を受け継ぐボクサー犬)
(via wikipedia)
16.クリ
(via EasyPetMD)
ニュージーランド生まれの犬種です。クリは、ニュージーランドの母語であるマオリ語で「ポリネシアの犬」を意味します。
クリは、西暦1280年にマオリ人が東ポリネシアからニュージーランドに持ち込んだのが始まりだとされています。そしてこの犬種は、マオリ人の貴重な食料として利用されていました。
食料としてだけでなく、皮や毛をマントやベルト、装飾した武器、儀式の道具などとして余すところなく使っていたとのことです。
クリは、ニュージーランドにヨーロッパ人が定住するようになってから、絶滅したとされています。最後に残ったメスのクリとその子どもは、標本としてニュージーランドの博物館に所蔵されています。
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