川や湖の淡水に住む最大級の超巨大魚たち12種
淡水の河川や湖沼で見られる巨大魚たちをご紹介します。全12種。
1.パーカーホ
(via The Telegraph)
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コイ科の中では最も大きい種です。写真のパーカーホは、タイ南部のパンポンにある湖で、90分の死闘の末、釣り上げました。エサは普通のパンと米ぬかです。魚との格闘中、あまりにも魚が粘るので、釣り師はへとへとに疲れて、何度もあきらめようと思ったそうですが、最後までなんとかやりとげました。
重さは100kg。これはパーカーホの中でも極めて巨大です。しかし、これよりも、もっと大きな個体がいます。
(via weirdasianews)
上の写真の個体は重さが117kgあります。
これをさらに上回る個体もいるようです。写真はありませんが、全長3m、体重300kgを超える個体も見つかっています。
2.ナイルパーチ
(via sardinie)
上の写真のナイルパーチは、体重112kg、全長1.8mあります。とても大きな個体ですが、これまでに捕獲された中には体重200kg、全長2.0mを超えるものもいました。
ナイルパーチは、アフリカの川や湖に生息しています。そして上の写真の個体も、ウガンダのヴィクトリア湖で釣り上げられたものです。
(via wikimedia)
ナイルパーチは、きわめて貪欲な捕食者です。肉食性であり、小魚や甲殻類など、食べられそうなものなら、何でも口に入れようとします。食欲の旺盛さゆえ、ぐんぐん育って、成熟する頃には平均で121~137cmに達します。
(via hamacapty)
ナイルパーチは、その大きさと白身肉のクセのなさから、食用魚として、地元だけでなく世界中で重要視されています。
日本にも輸入がされており、白身魚のフライの材料として使われることがあります。
3.アムールイトウ
(via Big Fishes of the World)
サケの仲間で、シベリアやモンゴルの川に生息しています。通常サイズは全長70~120cm、体重15~30kgですが、全長2m、体重100kgを超える個体も捕獲されています。
現在知られている最も大きい個体は、1943年にロシアのコツイ川で捕獲された全長210cm、体重105kgのものです。
本種は寿命が長く、50年以上生きるとされています。寿命が長い分、成長するのも遅く、交尾できるようになるまで9年もかかります。
(via fishingtours)
4.ヘラチョウザメ
(via Big Fishes of the World)
アメリカの河川で見られる、頭についた長い突起が特徴的なチョウザメです。平均サイズは1.5m、27kgですが、2mを超える個体も確認されています。寿命の長さはかなりのもので、60年あるいはそれ以上生きたとされる個体も見つかっています。
(via Locker Dome)
サメというからには、凶暴で人を襲うこともあるのだろう、と思うかもしれません。しかし人に害を与えることは、まずありえないとされています。
それはヘラチョウザメが、とても小さな動物プランクトンしか食べないからです。口を開けて水の中からプランクトンをこしとり、栄養を摂取しています。
(via natgeotv)
突起には、数万におよぶ電気を感知する小さな穴が開いています。動物プランクトンの動きは、ごくわずかに電気の流れを変えるため、これを探知して見つけ出します。
この役目に加え、本種は目がほとんど発達していないため、この突起で障害物との衝突をうまく避けています。
5.オオメジロザメ
(via wikimedia)
ホオジロザメ、イタチザメと並んで凶暴であり、死亡者も出ている危険なサメです。サメといえば、海に住む生き物だと思われていますが、オオメジロザメは川にも住んでいます。
特にアメリカのミシシッピ川で目撃されることがあります。沖縄でも河川に入り込んだ個体が発見されています。
このように淡水の中で過ごすサメはかなり珍しいです。塩分が無い環境では、普通のサメは浸透圧が原因(ナメクジに塩をかける事の逆)で、体中に水が入り込み死んでしまいますが、本種はそれを防ぐために、塩分濃度を調節する臓器が発達しています。
(via totalprosports)
平均サイズは2.4m、130kgほどですが、最も大きな個体は400cm、315kgという記録があります。
6.シロチョウザメ
(via Love nature & discovery)
北アメリカ最大の淡水魚です。体長が6.1m、体重は816kgに達する、ありえないほど巨大な個体が捕獲されています。海が彼らの生活場所ですが、サケと同じように産卵の季節がやってくると川を上ってきます。
ただし、サケのように卵を産んだら死ぬわけではなく、100年以上生きることが分かっています。
(via Outdoor Canada)
4番で紹介したヘラチョウザメと名前が一部かぶっていますが、食べるものは全く異なります。シロチョウザメは死んだ魚や、エビ・ザリガニなどの甲殻類や貝類が主食です。
コイのように貪食でもあるため、人間が排出したシ尿や農薬で汚染された植物なども食べます。これが食用として出回ることもあり、人体への影響が心配されています。
7.アリゲーターガー
(via Big Fishes of the World)
(via Texas Cryptid Hunter)
ワニのような長くて大きな口を持った魚です。生息地はアメリカ南部・メキシコ・コスタリカなどの川です。大きさは平均1.8m、体重45kgほどですが、最大個体は304.8cm、104.4kgという記録が残されています。
(via Fishing Time)
魚類は、一般的にエラに水を通すことで、水中の酸素を取り入れ呼吸しています。しかし本種は、エラ呼吸以外にも、人間と同じように口から空気を取り入れて呼吸することができます。
これは本種の浮袋に微細な血管が張り巡らされており、この血管で酸素を取り入れることが出来るからです。この能力は、彼らが流れの遅い川に生息しており、酸素の量が少ないことに対応するために得たものだといえます。
(via Field & Stream)
アリゲーターガーは、スタイリッシュなフォルムで、すばしっこそうに見えますが、実は鈍い魚です。それを補うため、ワニのような口があり、ワニと同様の捕食スタイルをとります。
ガーは、エモノが来るまでずっと待ち続け、近づいてきたときに一気に仕留めにかかります。エモノが一度でも、その大きな口の中に入り、鋭い歯で抑え込まれたら、もう逃げることはできません。
彼らのエサとなるのは、魚がメインですが、水面にいるカモや小型ほ乳類を捕食することもあります。
8.ヒマンチュラ・チャオプラヤ
(via ZEB HOGAN)
淡水に住む巨大なエイで、最大で長さ5m、幅1.9m、体重600kgになります。インドシナ半島とボルネオ島の河口に生息していますが、生息地の破壊により全域で絶滅危惧種に指定されています。
(via Zeb Hogan)
ヒマンチュラは、砂や泥の川底を好み、そこで小型魚類やムセキツイ動物を捕食しています。
エモノは、サメと同様に体表面に開いた穴で探知しています。この穴はロレンチーニ器官とよばれ、ごくわずかな電気を見出すことができます。魚の動きは、微小な電場の変化をもたらすため、これを使えば魚の居場所を特定することができるのです。
(via preventheadacheguide)
ヒマンチュラは、かなりおとなしい性質です。しかし外敵から襲われそうになった場合は、その長いしっぽにある毒針で相手を突き刺して毒を注入し、致命傷を与えます。
毒針はやじりの形をしており、その大きさは40cm近く達します。やじりの威力は人の皮ふと骨を突きやぶるほどで、確実に体内へと毒が注入されるようになっています。
9.メコンオオナマズ
(via petethomasoutdoors)
中国やタイを貫くメコン川でしか見られない非常に希少なナマズです。白身が美味であるがゆえ、捕獲されすぎて現在は近絶滅種に指定されています。
(via gardenofeaden)
大きさは淡水魚の中でも最大級で全長3mまで育ちます。成長のスピードがとてつもなく早く、たった6年で150~200kgに達します。350kgまで成長した個体もいます。
何でも丸呑みしてしまいそうな見た目によらず、本種は基本的に藻が主食です。そのまま消化するため、歯列が存在しません。このように巨大化する淡水魚で草食系なのは、本種とパーカーホぐらいです。
10.ピラルクー
(via Fish Thailand)
南米・アマゾンにいる巨大生物といえばピラルクーです。大きさは2m以上になります。これまでに捕獲された最も大きな個体は全長4.52m、体重は200kgを超えていました。
(via Big Fishes of the World)
本種はアリゲーターガーと同じく、空気呼吸をすることができます。彼らは、酸素が少ない淀んだ水の中で暮らすこともあるためです。
なので陸に出てもすぐには死にません。しかし、空気呼吸するにもエラが湿っていないといけないので、乾燥し始めると窒息して死にます。
11.ムベンガ
(via Garbyou)
河川に住む魚では最強ともいわれる、きわめて凶暴な淡水魚です。最大サイズは全長1.5m、体重50kgほどになります。非常にどう猛で、自分と同サイズの魚や同種を捕食することさえあります。
(via interhotnews)
ワニを襲って食べてしまうこともあります。また人間が襲われたケースも何件か報告されています。
12.オオチョウザメ
(via ourplnt)
オオチョウザメは世界最大の淡水に住む魚です。ヨーロッパのカスピ海や黒海で見ることが出来ます。ただ、シロチョウザメやサケと同じく、普段は海で暮らし、産卵時に川に戻ってくる性質のため、完全な淡水性とは言えません。
その大きさは最大で体長7.2m、体重1571kgにも達します。この最大個体は、1827年にボルガ川の河口で捕獲されました。
現在では漁獲されすぎたため、大きな個体が見つかることはなく、1~3m、20~200kgサイズがほとんどです。
(via dw)
オオチョウザメはゆっくりと成長します。いつまでたっても伸びが止まること無く、死ぬまで大きくなり続けます。
この大きさは年齢の賜物であり、長寿個体はホオジロザメやイタチザメのサイズに匹敵します。
(via wikimedia)
彼らが、まもなく絶滅する種として取り上げられているのは、この珍味が原因です。メスの卵は、「ベルーガ・キャビア」と呼ばれ、キャビアの中でも最も希少価値が高いとされています。
値段は少なくとも1kgが100万円を超えます。絶滅が心配されてからは、さらに値段が高騰しているようです。
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コメント一覧
9番のメコンオオナマズの写真はヨーロッパオオナマズと呼ばれる巨大なナマズです
ご指摘大変ありがとうございます。写真は正しいものに差し替えさせていただきました。
キャサリーナキャサリンさん
ゆう