食べ物無しでも長期間生存できる動物トップ11
今回はランキング形式で、絶食に強い動物をご紹介します。ここに記載している断食日数は、実際に記録として残っているモノのみを取り扱っています。
11位.ラクダ 40日
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ラクダが砂漠のような過酷な環境で、長い間食料なしで生きられるのは、背中にある大きなコブのおかげ。このコブには、水ではなく「脂肪」がたくわえられている。ラクダは食べ物がない時に、この脂肪のコブをエネルギーと水に変えることができるのだ。
およそ1gの脂肪を燃やして、1g以上の水とエネルギーを生み出せる。こぶの重さは最大36kgに達し、絶食期間は最大40日にもなる。
他にも、ラクダが飢餓に強い原因はある。ひとつに、血液中に大量の水をたくわえられることだ。普通の動物なら血液中に水分が多すぎると赤血球が破裂してしまうが、ラクダはそうならず、1度に80リットルもの水を摂取できる。
また水が摂取できない環境では体温を上げて、尿の排泄を極力防いでいること、さらに人間だと体内の1割の水が失われると死ぬが、ラクダの場合は、4割の水が失われても死なないこと等があげられる。
10位.人間 116日
人間の最長断食記録は、1929年にインドの革命家バガット・シンが達成した116日。彼は当時、殺人の容疑で勾留されており、そこで囚人たちのひどい待遇に直面した。
バガットはイギリス政府に囚人らの待遇改善を訴えて、水のみで食べ物を断つハンガーストライキを実行したのだった。
実行116日目にして、イギリス政府側が折れ、彼の望みを叶える形でストライキは終了した。このストライキで、彼の体重は60kgから6.4kg減少して、53.6kgになった。
ちなみに、水なしの場合では1週間が限界で、たいてい3~4日でダウンすると一般的に言われている。
9位.犬 117日
人間と同様、体温を維持するために大きなエネルギーが必要となる動物だが、こちらの文献によれば、117日間の断食に耐えたという記録が残されている。この絶食で、体重が63%減少したが、その状態でもかなり活動的だったという。
ただし、これは特異な例であり、通常は食料無しだと、数週間以内に死亡するとされる。
8位.コウテイペンギン 120日
コウテイペンギンは、南極大陸で暮らす世界最大のペンギン。断食期間は120日間で、しかもこの絶食は、ほとんどのオスが経験する過酷な大イベントである。
彼らは、3~4月になると海岸から100km近く離れた内陸部に移動して、求愛・交尾する。メスが卵を産むと、オスは孵化するまでの間、-60℃にも達する厳しい寒さの中、ほぼ絶食で卵を温め続けなければならない。
メスはエサを食べに海岸に向かうため、オスだけで世話するしかないのだ。
卵は約65日で孵化するが、メスが帰ってこない限り、オスはヒナを温め、食道から出したペンギンミルクを与え続けなければならない。そこで食べられるものは氷だけである。メスが戻ってきても、エサを得るには、100km近く歩かなければならないのだ。
そのため、帰りの道中で倒れて死んでしまうことも珍しくない。この120日におよぶイベントで、オスの体重は元の40%以上減少する。
7位.カエル 1年4ヶ月
これまでに紹介してきた動物は恒温動物であり、体温を一定に保つ必要があった。だが、これから紹介する動物たちは全て変温動物で、体温は周りの環境によるため、恒温動物ほど生存にエネルギーを必要としない。
カエルの中でも、特にミドリシマセンコウカエル(Cyclorana alboguttata)などの土の中で休眠状態に入る種は、飢餓に極めて強いことで知られる。
本種は、オーストラリアに住んでおり、乾期などでエサが無くなると土の中に潜って1年以上何も食べずに休眠状態になる。
この間、代謝速度は極限まで下がり、大地をうるおす激しい雨が訪れるまで、深い眠りの中にいる。
6位.クモ 1年半
クモは、いずれの種も他の生物と比べて代謝速度が極端に低い。体長10cm弱になるタランチュラでも、1年以上の絶食に耐えうる。
またヨーロッパや北アメリカに生息するラビットハッチ・スパイダーは、飼育下で18ヶ月もの間、水も食料も絶っていた記録が残っている。
5位.ヘビ 2年
ヘビは食料が少なくなると、自ら代謝速度を減少させることが研究から明らかになっている。通常よりも、最大で72%もエネルギーを節約可能なのだ。
またエネルギーが足りなくなると、余分な脂肪を優先的にエネルギーに変え、次いでタンパク質(筋肉)を消費する。
4位.ワニ 3年
ワニは、待ち伏せして獲物を仕留める捕食者なので、ほとんど体を動かさなくて済み、エネルギーの消費量が少ない。そして、一回に食べる量も多いことも、長期間の絶食に強い理由だ。
その量は体重の半分にも達し、たとえば1000kgになるイリエワニなら、500kg近くになる。
食べた物は無駄になること無く、脂肪としてたくわえられる。もしエサが少なくなった場合は、このたくわえた脂肪をエネルギーにして長期間やり過ごせるのだ。
3位.肺魚 5年
アフリカ、南米、オーストラリアのみに生息する魚で、肺呼吸することで有名な淡水種。肺魚は飢餓にも強いが、寿命も驚くほど長い。シカゴの水族館で飼われていた個体は、81年生きたことで知られる。
肺魚の飢餓の強さは、休眠にある。本種は、乾期になって水位が下がると最大1mの穴を掘って、6ヶ月~5年もの間眠りにつく。この間、水も食べ物も一切取らず、筋肉中のタンパク質を消費して、次の雨季まで耐える。
2位.ダイオウグソクムシ 5年1ヶ月
深海200~1000mの海底に住む巨大なダンゴムシ状生物。ダイオウグソクムシは、深海のエサの少ない場所に住んでいるため、非常に少食で、ほとんど食べなくても生きながらえることができる。
実際に、三重県の鳥羽水族館で飼育されていた「No1」という個体は、2009年1月2日に50gのアジを食べて以来、2014年2月14日に死亡するまで、5年1ヶ月にわたりエサを口にしなかった。
死因は不明だが、肉もやせていないことから餓死ではなかったようだ。解剖したところ、胃の中に酵母菌のようなものが発見されており、これが長期間の絶食にも耐えることができた原因ではないかと推測されている。
1位.ホライモリ 10年
クロアチア、イタリアの洞穴にすむウーパールーパーに似た生物。両生類だが、陸に上がることはない。そもそも、目が退化していて外が見えない。
ホライモリは、地下のエサの少ない環境に住んでいるため、長期間の飢餓に耐えられるよう、余分な栄養は肝臓に脂質やグリコーゲンの形でたくわえている。
エサが少ないときは、代謝と活動レベルを落とし、それらのたくわえだけで生活する。飼育下では、エサなしで10年間生存した例がある。
参考:earthbeours,産経新聞
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コメント一覧
1位が寄生獣のミギーに見えた。
しらんわ