泳いだら死に得る。危険な湖7ヶ所

見た目はキレイなんだけど、実は泳ぐと命の危険がある湖をご紹介するよ。全7ヶ所。

1.イジェン山クレーター(インドネシア)

(via wikimedia)

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見た目はきれいなターコイズブルーだが、ここは世界有数の強酸性湖として知られている。

この湖は、イジェン山が噴火して出来た火山湖であり、火山から噴き出る塩化水素ガスと湖水が反応して、湖の酸性度はpH0に近い。

その酸性の強さは、レモンジュースどころか、電池などに使われる酸をはるかに超える。しかも温度は50℃前後になり、とても熱い。少しでもその湖水に触れてしまえば、皮ふは焼けただれ、ひどい痛みをともなうことだろう。

それに加え、周りには硫黄など有毒なガスが霧のようにただよっている。そのため安全にこの湖にたどり着くには、ガスマスクが必要となる。

2.ラグナ・カリエンテ(コスタリカ)

(via Wikimedia )

こちらも火山湖で、コスタリカ中央部のボルカン・ポアス山(2708m)にある。頂上近くには、上の写真のラグナ・カリエンテともう一つの湖、ボトスがある。

どちらもきれいな水をたたえているのだが、ボトスは全くの無毒で、ラグナ・カリエンテの方はきわめて強い毒性がある。

【同じ山にある無毒のボトス湖】

(via wikimedia)

その違いは、火山活動によるものだ。ボトス湖周辺では紀元前7500年以降、火山活動は起きていないが、ラグナ・カリエンテでは1828年以降だけでも40回以上噴火しているのだ。

ラグナ・カリエンテの湖水は硫酸であり、そのpHは1以下と一般的な自動車のバッテリーより強酸性だ。このような湖には誰も近づきたくないが、火山から湧き出る酸性ガスのせいで、周囲には有毒の酸性雨や霧が発生している。

これらの雨や霧が周囲の生態系を破壊し、人間の目や肺にまで悪影響を及ぼしている。2017年4月には、火山の噴火によりラグナ・カリエンテ周囲2.5km内に近づけないようになった。

3.ニオス湖(カメルーン)

【ニオス湖:爆発を防ぐためCO2噴き出し弁が稼働中】

(via Wikipedia)

ここは、近代において史上最悪の湖災害を起こしたことで知られる湖だ。ニオス湖の地下にはマグマだまりがあり、そこから二酸化炭素が放出されており、それが湖水へ大量に溶けている。

その湖が1986年に、何らかの原因で爆発を起こした。おそらく原因は湖底での噴火、あるいは地すべりだとされている。

爆発を起こした湖は、巨大な二酸化炭素の雲を生み出した。雲は時速100kmで山を下り、湖の周囲20kmにいた1700人と家畜3500頭の命を奪った。その死因の多くは、二酸化炭素中毒あるいは窒息によるものだった。

【事故後の様子】

(via Atlas obscula)

また4000人の住民が避難をしたが、その多くが呼吸障害、やけど、マヒの症状を訴えていた。

この大惨事の後、湖底にパイプが通され、ガス抜きが行われることになった。未だに湖水爆発の危険が消えたわけではないが、住民たちはふもとの肥えた土地を農地として利用するため、再び定住している。

4.ボイリング湖(ドミニカ国)

(via Antoine Hubert/Flickr)

ボイリング(boiling)は、「沸騰する」という意味があるが、その名前の通り、この湖は煮えたぎっている。ここは、火山の噴気孔上にある湖で、地下のマグマと噴き出るガスで水が100℃近くまで暖められているのだ。

【100℃近いボイリング湖の動画】

湖の大きさは直径60mほどあり、その深さは火山の活動状況や降雨量で変化している。あるときには60m以上になり、水蒸気爆発を起こした1880年には一旦消滅し、熱い噴水と蒸気が湧き出る様子が観察された。

現在、この湖は世界遺産となったため、秘境を求める旅人が訪れている。ただし湖までの道路はなく、一番簡単なルートでも13kmの険しい道を歩かなければならない。

5.キブ湖(コンゴ共和国/ルワンダ)

(via Wikimedia)

ルワンダとコンゴ共和国にまたがる、アフリカ有数の規模を誇る湖。90kmX50kmほどあり、深さは500m近い。

この湖には、ニオス湖以上の湖水爆発の危険性が示唆されている。湖底では火山活動によって放出されたメタンガスと二酸化炭素が大量にたまっており、それが何らかのはずみで一気に噴き出す可能性があるのだ。

また地質学者の調査で、周囲の生物が数千年に一度、大量絶滅を起こしていることが判明しており、これが湖水爆発の周期と推測されている。

湖の周囲にはおよそ200万人が住んでおり、一度爆発が起これば、ニオス湖の災害以上の大惨事になると予測されている。多くの人々がメタンや二酸化炭素の急激な流れにつかまれ、窒息や中毒で死ぬかもしれないのだ。

【ギブ湖に面する100万都市:ゴマ】

(via wikipedia)

これらの危険を低減させるため、2016年には湖底のメタンガスを回収して電力として供給するプラットフォームが建設され操業を開始した。

6.キロトア(エクアドル)

(via wikipedia)

13世紀頃に起きた大規模な火山爆発により形成されたのが、キロトアクレーターである。美しい色をした湖水は写真映えするため、旅行先として人気になっている。

だが、この湖は標高3810mもの高さにあり、起伏の激しい岩だらけの場所であるため、たどり着くのはかなり大変だ。高山病を発症する可能性が高く、滑落が起こりやすいことも問題となっている。

(via maxpixel)

湖は酸性が強いため、魚は住んでおらず、飲用には適していない。泳ぐことは禁止されていないが、その酸性度や水温の低さから何らかの損害をこうむる可能性が高い。

それよりも、観光客用にカヤックやモータボードがレンタルされているので、それらで楽しむのが一般的だ。

7.カラチャイ湖(ロシア)

(via Daily mail)

カラチャイ湖は、「世界一汚染された湖」だった。1951年以降、ロシア最大の核兵器工場マヤークから、使用済み核物質がここに廃棄されていたのだ。

たった数平方kmの湖に、チェルノブイリで放出された放射量と同等、あるいはそれ以上の放射性物質が投棄され、60分湖岸にいるだけで死亡する放射線量があると見積もられていた。

下流に住む人々は、放射性物質を含んだ水を飲用したことで、ガンの発症率が上昇し、先天性の障害を持つ子供が多く産まれた。

政府は放射能汚染の対策をするため、1970年頃から湖のコンクリート埋め立てを始めた。2015年に湖の埋め立てが終了し、現在は地下水のモニターが行われているようだ。

References:dailymail,mnn

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雑学

Posted by uti