70歳超も。超高齢出産を経験した人たち(6人)

2018年3月17日

科学の発展により、月経が停止した後でも女性は妊娠可能になった。他人の女性から卵子をもらって体外受精し、それを自分の子宮の中に入れることで、子供が出産できるのだ。

多くの国では、体外受精は月経が停止する50歳までと制限されているが、一部の国では規制が緩く、高齢出産が行われている。今回は、60歳以上の高齢出産者のケースについて紹介していこう。

1. 69歳の母、ラジョ・ローハン

(via nulis)

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ラジョ・ローハンは2008年当時、「世界最高齢での出産」としてギネス記録に認定されていた。

彼女はインド・ヒサールのへき地で、体外受精により娘のナヴィーンを69歳で授かった。出産後、彼女は合併症を引き起こして死の狭間にあった。だが、娘のために生きたいという想いが病気に打ち勝った。

出産から5年後、彼女はイギリスのTV番組「バークロフトテレビ」による取材を受けている。

【5歳になった娘のナヴィーンと74歳の母親】

(via .dailymail)

取材に対して、彼女はこのように語った。
「わたしが病気でも何とか生きていられるのは、ナヴィーンのおかげです。娘は神からの贈り物で、娘が結婚するまでは死ぬわけにはいきません」

「娘が15歳になったら、結婚させるつもりです。その時までは死ねません」

また69歳という高齢で、どうして子どもが欲しくなったのかについては
「周りの子どもたちを見ていると、わたしはもう一人の子供も持つことができないと悲しくなりました。そう思うと、自分の子供がどうしても欲しくなったのです」と語っている。

【自転車の乗り方を教える母親】

(via .thesun)

すでに人生の黄昏時を迎えた彼女だが、ナヴィーンの将来についてはあまり心配していない。

「ナヴィーンは、将来を心配する必要がありません。わたしの妹のウミと親戚、父親が見てくれるからです」

【ナヴィーンの父親(当時78歳)】

(via .Barcroft TV)

また彼女は東京ドーム10個分に匹敵する土地を所有しており、それもナヴィーンに全て相続させるつもりであり、ナヴィーンの一生は保証されていると言う。

2. 世界最高齢72歳?の母親、ダルジンダル・コール

(via .dailymail)

2016年、彼女は世界最高齢の母親となった。しかし、彼女の出生記録は残っていないため、公式には認定されていない。彼女は医者に、79歳の夫より7歳若いと言っているので、おそらく72歳での出産だったとされる。

夫婦は結婚してから46年になっていたが、医療の力を借りずに子どもを授かることはできなかった。ある日、彼女は体外受精の広告を見て、自分も挑戦したいと思うようになった。

夫婦は体外受精することを決心し、親から受け継いだ土地を売って治療を受け、妊娠することができた。だがアーマアーンと名付けられた子どもは、出産時1700gしかない未熟児だった。

【夫(当時80歳)、ダルジンダル・コール(当時73歳)】

(via .honey)

よちよち歩きが出来るようになった生後11ヶ月でも、体重は6.8kgと標準には至っていない。彼女はアーマアーンがやせている理由を「お乳の出が悪くて、3ヶ月間母乳をあげることができなかったから」だと言う。

また高齢出産は、母体にも悪影響を及ぼしており、彼女の健康状態は出産してからかなり悪化していた。高血圧と関節痛がひどくなり、かなり疲れやすくなったと言う。

それでもアーマアーンを生んだことは後悔しておらず、息子のことを愛していると言う。また夫もこの状況については、心配は無い。

夫は「多くの人が、あなた達が死んだらどうするつもりなんだ?と聞くが、わたしは神を信じている。神は全能で、あまねく存在する。神が万事を引き受けてくれるだろう」と語った。

3. 70歳で双子を出産したオマリー・パンウォ

(via .newsner)

夫婦は60代で体外受精に踏み切っているが、そのときには既に二人の子どもがいた。それに加え孫も5人いる。

子宝に恵まれていたにも関わらず、夫婦が高齢になっても子供を望んだのは、家族の財産を相続できる息子がいないからだった。これまでに授かった二人の子供は女の子であり、夫婦の財産も名字も受け継ぐことはできない。

2008年に夫婦の願いは叶い、オマリーは男の子と女の子の双子を産んだ。体外受精が成功するまで、老後の蓄えを使い、銀行からローンも借りたという。

喜びの中でオマリーは「私達には既に2人の女の子がいますが、資産を受け継いでくれる息子が欲しかったのです。この男の子と女の子は、偉大な神が私達に与えたプレゼントです」と言った。

4.67歳の母親、アドリアナ・イリエスク

(via .Alchetron)

ルーマニアに住む66歳のアドリアナが2006年に出産したとき、彼女は当時最高齢の母親となった。彼女も他の高齢妊婦と同様に不妊治療を受け、9年目にして3つ子を妊娠した。

だが不幸なことに、彼女の子宮の中で二人が亡くなり、娘のイライザだけが生き残った。イライザは出生時の体重が1360gしかなく、集中治療室でのケアを必要としたが、現在は健康に成長しているとのことだ。

【2017年撮影。79歳の母親と12歳の娘】

(via .cancan)

イライザは生物学的にはアドリアナの子供だが、遺伝子的には異なる。
つまりイライザは、アドリアナの子宮の中で育ったものの、卵子と精子は匿名の提供者によって寄付されたものであるため、どちらの親の遺伝子も受け継いでおらず、両親とは全く似ていないのだ。

アドリアナは、イライザについてこのように語っている。

「イライザは、とても元気で明るい子供です。彼女は私にとっての全てであり、イライザがいなければ何も始まりません。私はタバコもお酒も飲みませんから、もし両親と同じくらい長生きできるとしたら、イライザは20歳になっていることでしょう。私にはまだイライザに教えたいことがたくさんあるのです」

5. 3歳の双子を残して亡くなった、出産時66歳の母マリア・ララ

(via .mom)

店員として働いていたスペイン人のマリア・ララは、2006年12月当時、世界最高齢の母親として世界中で注目を集めた。(その後、先に紹介したアドリアナに抜かれた)

彼女はスペインからアメリカに渡り、350万円の不妊治療を受けた。その際、治療の資格を得るため、年齢をごまかしていたことを認めている。

また、家族にも不妊治療を受けることを一切伝えていなかったため、兄弟からは自分勝手、自己満足であり、子供の事を考えていないとして批判を受けた。

しかし彼女はメディアのインタビューで、自分の母親が101歳まで生きたので、そう考えれば子供を育て上げた上に、もしかしたら孫まで見ることができるかもしれないと言っていた。

だが出産からわずか3年で、卵巣がんにより亡くなった。現在、双子は彼女の家族が育てている。

6.四つ子を産んだ65歳のアンネグレート・ラウニヒク

(via RTL Next)

ドイツ人の彼女は、2015年5月に四つ子を産んだ。驚くことに、四つ子を出産する前から子だくさんで、10歳から44歳まで13人の子どもがいた。

【妊娠時のアンネグレート】

(via dailymail)

ドイツには高齢出産を扱える病院がなかったため、ウクライナのキエフまで飛び、体外受精を受けた。そのおかげで四つ子を授かったが、妊娠26週での帝王切開となり、子どもたちは全員1000g以下の超未熟児だった。

全員が呼吸管に繋がれ、保育器で数ヶ月を過ごさなければならないほどだったが、現在男の子3人と女の子1人の四つ子は、健康そのものだ。

彼女はこの高齢出産について以下のように語っている。

「高齢出産は、私の身勝手さによるものではありません」
「私は子供が好きです。年を取れば寛容さがより増しますし、子どもたちのおかげで若さを保てています。誰かに高齢出産をしろとは決して言うつもりはありません。私には子どもたちの世話が向いているのです」

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雑学

Posted by uti