拷問器具のような昔の医療器具・11種
1.トレフィン
(via hesed)
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トレフィンは頭蓋骨などに穴を開けるための手術器具である。切開したい部分にギザギザになった円筒を押し当てハンドルを回すと、円筒の中央にある刃が骨を貫くようになっている。
(via Anton Raath/flickr)
1800年代ごろに使用されていたトレフィンは、外科手術のほか、取り除いた骨を組織検査することで、骨髄のガンや白血病の診断にも役立っていた。
2.タンスル・ギロチン
(via wikimedia)
ギロチンといえば、フランスで生まれた斬首刑に使うものを思い浮かべるが、こちらは炎症を起こした喉のタンスル(扁桃:へんとう)を削ぎ落とす医療器具である。
(via University of Warwick)
扁桃は両側にあり、一番上のタイプの器具では同時に2つの扁桃を切り落とせる。2枚目のタイプは一つのみ。指穴のレバーを引くことで、刃の付いた部分が移動して、ギロチンのように作動する。
このギロチンは1800年代後半まで使われていたものの、施術の際に大量出血や喉の痛みが強くあるため、1900年代初期にはより安全な外科用メスへ取って代わられた。
3.ビストリー・キャッシュ
(via Wikimedia)
「隠されたナイフ」を意味する1800年代に使われていた器具で、ハサミのような取っ手を開くと、刃が現れることからこのように名付けられた。これを体内に挿入し、膀胱や腎臓の結石除去に使用していた。
また患部へと挿入後、ハサミを開いて体内に空間を作り、組織や臓器を一部取り出すのにも用いられた。
4.割礼用ナイフ
(via Wikimedia)
1775年ごろのヨーロッパで、男児の性器にかぶっている包皮の切除手術に用いられたナイフ。割礼は宗教や風習の一貫として行われていることも多いが、衛生面や健康面からすすめている国や地域もある。
5.クランクソー
(via cultofweird)
1830~1860年ごろに使用されていた手回し式のノコギリ。脳手術を行う際は、これを回しながら頭蓋骨に穴を開けた。
6.サーヴィカル・ディレーター
(via cultofweird)
この器具は1800年代、女性の分娩時に赤ちゃんの通り口である子宮けい部を広げるために使用されていた。だが時々、けい部に裂傷を負わせてしまうことがあったため、新しい器具へと取って代わることになった。
7.ブレット・エキストラクター
(via wikimedia)
体内に撃ち込まれた銃弾を取り出すため、1500年頃ヨーロッパで使用されていた器具。中央の細長い円筒にはネジが入っており、これを回すことで先のとがった先端が伸びてくる。
これを患部に当て、銃弾のある場所まで穴を開けて取り除いた。
8.アンピュテーション・ナイフ
(via Patras Events)
手足の切断用に使われていたナイフ(1700年代)で、当時の物はたいていこのようにカーブを描いていた。なぜかというと、ナイフが骨に到達する前に、皮ふと筋肉を断ち切れるようにするためであった。
9.アーティフィシャル・リーチ
(via mddionline)
かつてヨーロッパで大流行した瀉血(しゃけつ)治療で使用されていた器具。
瀉血は悪い血液を体外に排出することで、あらゆる病気を治すと言われた治療法だが、現在では一部の病気をのぞいて全く効果が無いことが証明されている。
この器具は日本語で「人工のヒル」という意味で、通常の瀉血治療はヒルに血を吸わせるのが一般的だったが、より精度の高い治療のため、1840年にこの器具が発明された。
この器具の回転する刃は、患者の皮ふに切り傷を作り、円筒部分は注射器のように血を吸い出すためにある。
(via imgur)
10.シビルウォー・デンタルスクリュー・フォーセプ
(via Phisick)
アメリカ南北戦争の頃(1861~1865年)に使われていた歯根に穴をあける器具。中央のネジは伸び縮みするので、2つのハサミで歯を抑え、そのネジを伸ばして歯根に穴を開けた。
11.オーラル・スペキュラム
(via FR Dental Budapest)
この器具を患者の口にはめることで、万力のように口を固定できるので手術がより行いやすくなる。患者の口の大きさに合わせて、ハンドルの開く度合いを調節可能。1600年代頃に使用されていた。
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