世界の危険な観光スポット・5ヶ所
ここで紹介するのは、魅力的な観光スポットだが、死の危険もはらんでいる場所である。サメの出るビーチや滑落しうるハイキングコースなど、世界中の観光地5ヶ所を見ていこう。
1.ニュースミュルナ・ビーチ(アメリカ、フロリダ)
(via Rock-cafe)
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大西洋に面するこのビーチは、アメリカでも有数のサーフィンスポットとして人気がある。だがここは、「世界のサメの中心地」と言われているほどサメが多い。
実際のところ、これまでにおよそ250件のサメによる咬傷事故が発生しており、世界で最もサメ被害の多いビーチとして知られている。それにもかかわらず、お財布に優しいビーチであることも手伝って、多くの観光客が毎年こぞって訪れる。
(via wikimedia)
咬傷事故は多いものの、死亡したケースはほとんどない。その理由のひとつに、ビーチに紛れ込んでくるのがハナザメやメジロザメの若い個体など、小さなサメが多いためだ。またこれらのサメは基本的に、人間をエサだと勘違いして噛み付くため、その間違いに気づくとそれ以上攻撃してこない。
2.ハーフドーム、ヨセミテ国立公園(アメリカ、カリフォルニア州)
(via wikipedia)
ハーフドームは、ヨセミテ国立公園を象徴する景観のひとつであり、危険度の高いハイキングスポットとしても知られている。この崖の底から頂上までは1500mあり、登頂は1日がかりとなる。そして頂上に至る最後の120mは、ほぼ垂直の崖を鉄のケーブルをつたいながら、よじ登らなければならない。
(via wikimedia)
これまでにハーフドームで命を落とした人は、60人に上っている。特に雨の日など、崖がぬれている際は注意を要するが、そうでなくても事故は起きている。
(via Giuseppe Milo)
2012年には、頂上のケーブルをたどっていた男性が、自分の上にいた人の落としたラジオを拾おうとして、ケーブルから手が離れ滑落した。また2011年には、3人のハイカーが手すりを無視して登ろうとし、落差96.6mのヴァーナル滝に落下死した。
また滑落以外にも、落雷で死者が出ている。これは1985年のことだが、5人の無謀な若者たちが悪天候の中でこの崖を登り、そのうち2人が雷に打たれて亡くなった。
3.モハーの断崖(アイルランド、クレア州)
(via Pexels)
モハーの断崖は、広大な大西洋を眺めるアイルランド随一の絶景スポットである。年間の観光客数はおよそ150万人に達し、アイルランド最大の観光地となっている。崖は端から端まで14kmに渡って続き、その高さは最高で214mある。
駐車場の近くには観光体験センターがあり、そこまでは誰もがアクセスしやすいように歩道が整備されているが、崖の近くは自然景観を守るため、ほとんど手が加えられていない。
そのため、崖の周囲に突然の急勾配があったり、地面がでこぼこだったりする。また手すりも設置されておらず、雨が降れば滑りやすく、突風が吹くこともあり、崖からの転落事故が発生しうる。
(via Giuseppe Milo)
2006年には、崖の頂上を歩いていた女性が風でバランスを崩し、転落死した。またこのような事故だけでなく、飛び降り自殺も起きている。2007年には26歳の母親が4歳の息子とともに180mの崖から飛び降りた。この崖での死亡者数は、1993年から2017年8月までに66人に上った。
4.モンブラン(ヨーロッパ)
(via Wikimedia )
モンブランはアルプス山脈の最高峰(4808m)であり、ヨーロッパ最大の山である。イタリアとフランスの国境付近にあり、山から数km離れた先には電車も走っているので、交通の便がとても良く、観光名所としての人気も高い。
そのため観光気分で、このヨーロッパ最大の山を登ろうとする人が後を絶たない。向こう見ずな観光客が、この山で命を落としているのだ。
毎年2万人以上がモンブランに登るが、毎年100人以上が登山中に亡くなっている。これまでに、この山で命を落とした人は8000人以上に上っており、そのほとんどは登山初心者だ。
5.エル・カミニート・デル・レイ(スペイン)
(via wikimedia)
1905年に完成したこの歩道は、スペイン国王が通行したことから、スペイン語で「王の道」と名付けられた。歩道は高さ100m以上の断崖絶壁にあり、幅1mの狭い桟道と橋が3kmにわたって続く。
2015年に再開通するまで、安全柵がほとんどなく、歩道のコンクリートは穴だらけだった。そのため通行者はロープを身に付け、鎖やワイヤーをつたって歩かなければならないほどであった。1999~2000年には5人が相次いで死亡したことから、「世界で最も危険な歩道」とも言われていた。
(via wikipedia)
そもそもここは、老朽化が始まった何十年も前から立入禁止となっていたが、危険をかえりみず多くの観光客が訪れていた。2011年から約8億円をかけた修復が始まり、2015年には手すりと桟道が整備され、以前よりもずっと安全に観光できるようになった。
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