永久凍土から見つかった氷漬けの動物たち
何万年もの間氷漬けの状態で、最近になってようやく発見された絶滅種をご紹介していこう。
1.ケナガマンモスのユカ
(via wikimedia)
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ユカは、シベリアの永久凍土層から発見されたメスのケナガマンモスである。体重は100㎏、まだ6~10歳で子供だった。このマンモスの寿命は80歳ほど、体重は成体で6トン、体高は3mくらいに成長する。
(via wikimedia)
日本人の女性のような名前だが、これは発見された場所の近くにあるユカギール村から名付けられている。
亡くなったのはおよそ4万年前とされる。ユカは後ろ脚を骨折しており、背中にはライオンが残した深い引っかき傷、尻尾には噛み跡があり、上半身には内臓や骨が人の手で抜き取られていた形跡が見つかった。
(via wikimedia)
ある研究者は、おそらくユカはライオンから逃げた後に、足を踏み外して脚を骨折し、その後人間によって殺されたと推測している。
(via dailymail)
ユカの下半身は全く損なわれていなかったため、おそらく人間が保存食としてユカを埋めたと思われるが、再びユカを回収することはなかったようだ。
2. 1.2万年前のトゥマトの子犬
(via 3milliondogs)
2015年にシベリア・トゥマト村の永久凍土層で、1万2400万年前の凍り付いた子犬が発見された。この地域には、その時代以前から人間が定住していたので、誰かのペットだった可能性があるという。死因は雪崩によるものとされる。
(via mirror)
子犬は既に絶滅したとされる犬種であった。脳や内臓の保存状態がかなり良く、いつかクローンとしてこの絶滅種を復活させることができるかもしれないと期待されている。
3.シベリアのホラアナライオン
(via metdaan)
ホラアナライオンはおよそ1万年前までヨーロッパに分布していた肉食獣だ。現在のライオンと同じくらいの大きさで、マンモスなどを捕食していたとされる。
(via wikipedia)
その双子の子供が、シベリアの永久凍土層から発見された。まだ1~2歳で乳歯さえ生えきっていなかった。おそらく1万2千年前に、洞穴が崩れたことが死因となった。
(via dailymail)
だがほとんど遺体が損なわれていないことから、本種の生態や現生ライオンとの遺伝的類似性などの解明に役立てられるかもしれないという。
(via siberiantimes)
4.オオカミかイヌの子ども?ドゴール
(via Sergey Fedorov)
数十年前に死んだ子犬のように見えるが、この遺体は既に1万8千年以上が経っている。ふさふさの毛、鼻、ほおひげ、まつ毛までほぼ完ぺきな状態で保存されていた。そのうえ、今まで発見された中で最古の犬かもしれないと言われている。
(via Sergey Fedorov)
1.8万年前は、ちょうどオオカミが人間によって家畜化され、イヌに分岐進化した点だとされている。そのためオオカミかイヌ、あるいはその進化過程にある子どもかもしれないそうだ。
(via Sergey Fedorov)
研究者によってドゴール(Dogor)と名付けられたこの子供は、Dog or Wolf(オオカミあるいはイヌ)にちなんでいる。
5.ユカギールのバイソン
(via iflscience)
最初に紹介したマンモスと同じく、ユカギール村で2011年に見つかったオスのステップバイソンだ。
1万500年前ごろに亡くなったとされ、ケガした様子がないので自然死であろうと思われる。生きていたときは、体重が500~600kg、体高は1.7mぐらいであった。胃の中には花粉があり、花を食べていたことが分かっている。
(via Robert Pawlicki )
ステップバイソンはアメリカにいるバイソンの祖先ともされ、200万年前から1万年前ごろまでヨーロッパ、アジア、北アメリカに生息していた。現在のバイソンよりもこぶが一つ多く、体や角も少し大きかったようである。
6.ケブカサイのミイラ
(via DeepFriedDNA)
シベリアの金鉱採鉱者らが2007年に発掘したケブカサイのミイラである。ほぼ完全な形で残っている唯一の個体とされる。およそ3万年前の個体とされ、そのトレードマークである剛毛は冷凍焼けで取れてしまったようだ。
(via Dr Ross Barnett)
現生のサイと体格はよく似ているが、背中の肩部にかけて大きな隆起があった。生息期間は約360万年前~1万年前とされる。
(via wikipedia)
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