とてつもなく長生きした長寿の動物たち18種(陸生編)
今回は、主に陸上動物たちのご長寿記録を紹介します。全部で18個体です。
1.アドワイチャ(アルダブラゾウガメ) 255歳
(via Ekstra Bladet)
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アドワイチャは、インド・コルカタの動物園にいたアルダブラゾウガメです。1750年に生まれ、2006年の3月に息を引き取りました。アドワイチャは、現在のところ「最も長生きした陸生動物」だと考えられています。
少なくとも150年以上は生きたことは分かっているものの、確証ある出生の記録が欠けているため、実際に255歳であったという証拠は残っていません。
死因は、何らかの原因でコウラが割れて傷がつき、そこから感染症を引き起こして肝機能不全を起こしたようです。
アドワイチャの体重は250kgで、並の体重でした。いつも単独で過ごしていたため、こどもはいません。彼は小麦ふすま(小麦粒の表皮部分)とニンジン、レタス、ひよこまめ、パン、草、塩を毎日食べて過ごしてたといいます。
2.トゥイ・マリラ(ホウシャガメ) 188歳
(via esrarovivir)
ハワイ諸島を発見したイギリスの海軍士官ジェームズ・クック(1728~1779年)が、トンガの王室に献上したホウシャガメです。カメの名前はトンガ語で、マリラの王を意味します。
マリラは1777年に産まれ、19世紀半ばにトンガの王、ジョージ・ツボーⅠ世の手に渡りました。1965年5月19日に自然死するまで、大切にケアされていたようです。
マリラの年齢は188歳で、年齢の確証が得られている個体としては、最も長く生きたカメです。
3.ジョナサン(アルダブラゾウガメ) 現在185歳
(via wikimedia)
(via Daily Geek Show)
ジョナサンは、イギリス領セントヘレナ島で暮らしているアルダブラゾウガメです。現存する世界最長寿のハ虫類と考えられています。ジョナサンは、1832年にセーシェルで生まれ、1882年、50歳のときにセントヘレナへやってきました。
現在、知事のお屋敷の敷地内で優雅な生活を送っており、とても元気だそうです。エサのバナナやニンジン、キャベツをガツガツ食べてくれます。
しかし、ジョナサンは白内障でほとんど目が見えず、匂いをかげないので、エサを自分で探せません。その分、耳がかなり良く、声や音には反応をしめしてくれます。
4.ハリエット (ガラパゴスゾウガメの亜種) 175歳
(via wikimedia)
進化論を唱えたチャールズ・ダーウィンが、1835年にガラパゴス諸島から連れてきたゾウガメだと言われています。しかし一部の科学者は、DNA検査の結果からダーウィンが捕獲したものではないと主張しています。
その理由は調査の結果、ハリエットはガラパゴス諸島にいるカメではなく、ダーウィンが一度も訪れていないサンタクルーズ島の固有亜種と判明したからです。
しかしカメの中でも、きわめて長寿であったことは間違いなく、1830年に産まれて2006年(175歳)まで生き、史上4番目に長生きしたカメとして記録に残りました。
ハリエットは1860年以降、オーストラリアのブリスベン植物園に預けられ、それから99年後の1987年に、オーストラリア動物園に引っ越して余生をすごしました。ハリエットはとても穏やかで、ハイビスカスの花を好んで食べたそうです。
5.チモシー(ギリシャリクガメ) 160歳
(via ggth)
チモシーはトルコで1844年に産まれたとされるギリシャリクガメです。1854年にポルトガル人の個人船で発見され、イギリスに持ち帰られました。その後、デヴォン伯爵が住むパウデラム城のバラ園で暮らし、2004年に亡くなっています。
チモシーはメスで、先ほど紹介したカメ(いづれも100kg超え)よりもずっと小さく、体重はたった5kgしかありませんでした。
6.ジプシー(ボルネオオランウータン) 62歳
(via The Sun)
ジプシーは多摩動物園で飼育されているメスのボルネオオランウータンで、「世界最高齢のオランウータン」です。
野生のボルネオオランウータンの寿命は、長くても45年ほどとされています。飼育下では捕食者がおらず、きちんとしたケアが受けられるため、野生よりもずっと長生きできます。
ジプシーは1956年に産まれ、多摩動物園が開演した1958年5月の2ヶ月後に来園しました。野生であるため正確な誕生日は分からないので、元旦を誕生日としています。2017年には彼女の62歳のお祝い会が開かれ、特製ケーキなどがプレゼントされました。
(via The Sun)
6.ヘンリー(ムカシトカゲ) 120歳前後
(via Stuff)
ヘンリーは、ムカシトカゲというハ虫類です、トカゲと姿形は似ていますが、骨格などがかなり異なります。約2億年前のジュラ紀のころからそれほど変化していないため、「生きた化石」と呼ばれることがあります。
ムカシトカゲは全ハ虫類の中で最も成長が遅く、35歳位まで成長し続けます。交尾できるようになるまで10年、子供を産むのは4年に1回しかありません。繁殖力の弱さゆえ、ニュージーランドの限られた場所にしか生息せず、その数も非常に少ないことから絶滅危惧種に指定されています。
ヘンリーは、1972年にスコットランド博物館にやってきました。彼は近くにメスがいて、発情期を迎えても交尾しないことから、生涯子供を作らないと考えられていました。しかし、なんと111歳の時に80歳のメスと交尾して子供を作り、11匹のこどもを産んだのです。
7.ムジャ(アメリカアリゲーター) 80歳以上
(via wikimedia)
ムジャは、セルビアのベルグラード動物園で暮らしているアメリカアリゲーターです。彼は「史上最も長生きしたアリゲーター」であり、「現存する最も長寿なアリゲーター」でもあります。
ムジャは、1936年にドイツからやってきました。その時には既に成体だったので、生まれは1936年以前とされていますが、正確な出生日は分かっていません。
そしてムジャは、第2次世界対戦で動物園が全壊したあとに生き残った唯一の動物であり、1999年にNATOによるユーゴスラビア爆撃でも生き伸びたすさまじい強運の持ち主です。
2012年に右脚が腐敗(えそ)を起こしたため、義足となりましたが、今ではかなり元気に過ごしています。
8.チャーリー(ルリコンゴウインコ) 118歳
(via winstonred)
チャーリーは1899年に生まれ、今もイギリス・サリー州のガーデンセンターで暮らしているルリコンゴウインコです。
出生日は1899年1月1日とされており、イギリスの元首相ウィンストン・チャーチルがペットとして飼っていたと言われています。
1937年頃に義父からチャーチルの手に渡り、1965年にチャーチルが亡くなってからは、然るべき場所に保護されたそうです。しかし、家族らはチャーチルがインコを飼っていた事自体を否定しているので、彼が本当にこのインコを飼っていたかどうかは確かでありません。
9.林旺(りんわん、アジアゾウ) 86歳以上
(via wikimedia)
リンワンは、ビルマ生まれの最も長寿なアジアゾウです。1917年に生まれ、日中戦争の頃(1937~1945年)に中国遠征軍の元で物資輸送などのために使役されていました。
戦争が終わってからは、台湾へと渡って動物園で人生の大半を過ごしました。
リンワンは2003年初めに関節炎をわずらい、食欲がどんどん落ちていって様々な合併症を引き起こしました。急激に体調が悪化していき、同年の2月23日に息を引き取りました。
彼女の年齢は少なくとも86歳で、通常のアジアゾウの平均寿命が50~60歳前後とされる中では、とても長生きしたと言えます。
10.グレーター(オオフラミンゴ) 83歳以上
(via wikimedia)
オーストラリアのアデレイド動物園にいたオオフラミンゴです。カイロあるいはハンブルグから1933年、1930年、1925年、1919年のいずれかの年に来園したとされています。いつ、どこから来たのかは、正確な記録がないため、あやふやな状態です。
しかし来園時には既に成体となっていたため、たとえ一番遅い1933年頃にやってきたとしても、亡くなったのは2014年なので83歳以上となります。オオフラミンゴの寿命は60歳前後とされているので、これを20歳以上、上回ったわけです。
グレーターは2013年4月に関節炎をわずらい、治療がなされました。しかし、2014年1月には体調がさらに悪化したため、安楽死が決定されました。
グレーターは死亡時、オーストラリアで飼育されていた唯一のオオフラミンゴでした。オーストラリアで飼育されていたフラミンゴが1匹しかいなかったのは、当時フラミンゴの輸入が停止されていたためです。
11.テイオー(コンドル) 79歳
(via Connecticut Post)
テイオーは、アメリカ・コネチカット州のビアズリー動物園で、亡くなるまでの17年間飼われていました。現在のところ最も長生きしたコンドルとされています。それ以前はピッツバーグ動物園で過ごし、1993年にビアズリー動物園へ移転してきました。
コンドルは南米のチリなど、アンデス山脈周辺にのみ生息し、数千羽しかいない貴重な鳥です。飛ぶことのできる鳥としては世界最重量・最大級で、翼を広げた大きさが最大330cm、体重は15kgに達します。
またコンドルは成長スピードが遅く、外敵もいないことから、野生でも50年以上生きるとても長寿な鳥です。
(via ctpost)
テイオーが2010年に亡くなった時の体重は18kgで、若い時よりも約5kg落ちていたとのことです。死因については正確に分かっていないものの、検死によって内臓の多くが悪くなっていたことから、加齢が原因とされています。
12.クッキー(クルマサカオウム) 83歳
(via wikimedia)
アメリカ・シカゴのブルックフィールド動物園で飼育されていたクルマサカオウムです。本来は冠のような美しい羽毛が頭から生えていますが、お年寄りなのでしょんぼりしています。
クルマサカはとても貴重で、美しいことから、ペットとして人気があり、100万円以上で取引されることがあります。
(via wikimedia)
クッキーはクルマサカ史上、そしてオウムの中でも最も長寿だとされ、ギネス世界記録に認定されています。
またクルマサカは、飼育下の平均寿命が40~60年とされており、しかもクッキーの次に長生きしている飼育個体が31歳ということなので、かなりご長寿だったといえます。
クッキーは2007年に加齢にともなう変形性関節症と骨粗相症をわずらい、2009年には容態がさらに悪化したことで、動物園での展示は取りやめられ、園内の非展示場所で大切にケアされていました。その後、2016年に8月27日に息を引き取っています。
13.ウィズダム(コアホウドリ) 66歳
(via wikimedia)
ウィズダムは野生のメスのコアホウドリで、最も長生きしている標識鳥と言われています。標識鳥とは、鳥の移動経路や居場所、寿命などを研究するために、タグを脚に付けた鳥のことです。
ウィズダムは60歳を超えた2014年に、ミッドウェー島で卵を産んでいることが分かっています。高齢にも関わらず、ウィズダムはほぼ毎年子どもをつくっており、過去9年のうち8年は卵を産んでいます。
1956年の調査以来、ウィズダムの移動距離は合計で480万kmに達しています。1年では約8万㎞を移動していることになります。
14.ビリー(ウマ) 62歳
(via wikimedia)
史上最も長生きしたウマであるビリーは、62歳まで生きたクォーターホースです。クォーターホースはウマの品種のひとつで、世界で最も頭数が多く400万頭登録されています。
ビリーはイングランドで1760年に生まれ、馬力船を引く役目を担っていました。毎日運河に浮かぶ船を、運河沿いの道から引っ張っていたのです。
(via Wikimedia)
ビリーは、1822年11月27日に亡くなりました。現在ビリーの頭蓋骨は、マンチェスターの博物館に展示されています。
ちなみに、一般的なウマの平均寿命は、20~30歳とされています。
15.クリーム・パフ(ネコ) 38歳と3日
(via Wikimedia)
クリームパフはテキサスで飼われていたネコで、「最も長生きしたネコ」としてギネス記録に認定されています。この年齢は人間でいうと、150歳を超えるレベルです。そして飼い主が飼っていたもう一匹のネコ、グランパも34歳2ヶ月でとても長生きでした。
これほど長寿であった理由について飼い主は、普通とは違うエサを与えていたからだと語っています。その変わった食事とは、ベーコン&エッグ、アスパラガス、ブロッコリー、クリームたっぷりのコーヒーです。
飼い主はこう言っていますが、コーヒーについては、ネコの体を壊す可能性が高いので注意が必要です。
16.デビー(ホッキョクグマ) 42歳
(via Wikimedia)
カナダのアシニボイン動物園にいた個体で、2008年8月に「最も長寿なホッキョクグマ」としてギネス世界記録に認定されています。デビーは、1966年にソ連の北極地方で生まれ、親が育児放棄したため、1歳でこの動物園にやってきました。
デビーは2008年11月、多臓器障害であることが判明したため、安楽死させられています。
17.エリー(クロサイ) 46歳
(via 7X7)
エリーは1974年に、アフリカからサンフランシスコ動物園に来園した元野生のクロサイです。2017年5月に亡くなった時の年齢が46歳で、アメリカ国内で最長寿のクロサイとされています。
エリーは子だくさんで、絶滅寸前であるクロサイの子孫繁栄に一役買っていました。彼女は14頭の子どもと、15頭の孫、6頭のひ孫がいるのです。
クロサイは現在世界中で5000頭ほどしかいません。
18.ヨーダ(ハツカネズミ) 4歳
(via Dr. Richard Miller)
ヨーダは、世界で最も長寿なネズミだと言われています。ヨーダは1462日(4年と2日)を生き、通常2年とされる平均寿命の2倍近く長生きしたのです。
これを人間の年齢に換算すると、136歳にもなります。
ヨーダは加齢の研究を行っている研究室で、病原体フリーのケージでプリンセス・レイアとともに暮らしていました。
長寿の研究のために使われた実験用マウスですが、食事制限などを一切行わず、ストレスの少ない環境で育てられていました。
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