死亡例がある実は恐ろしい世界の常食
海外や日本で普段よく食されているが、死亡例のある食べ物をご紹介していこう。
1.サンナクチ
(via wikipedia)
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生きたテナガダコをぶつ切りにした韓国料理。塩とゴマ油、酢入りのコチュジャンを和えて食べるのが一般的である。
(via wikipedia)
実はこの食べ物で、毎年6人近くが亡くなっている。その死因は窒息死である。タコは非常に複雑な神経構造を持ち、脚に2/3の神経細胞があるため、体を切り離してもしばらく動き続ける。
(via Seaside Girl Little Seven)
だから口に入れたときに、脚が動いたり、吸盤が凄い力でくっついたりして気道をふさぎ、窒息死を起こすことがあるのだ。
2010年には、買ってきたタコをサンナクチにして食べた韓国人の女性が、喉をつまらせて心停止状態になり、16日後に息を引き取った。このケースでは、ボーイフレンドが殺人の容疑で有罪判決を受けていたが、上告により最高裁が事故であると判断し、逆転無罪になった。
(via Rusif Huseynov)
レストラン側ではこのような窒息事故を防ぐため、タコを出来るだけ短く切ってサンナクチを提供している。
2.ジャガイモ
(via wikipedia)
皮が緑色、あるいは芽が出ているジャガイモは食べるのを避けるか、きちんと取り除かなければならない。もしこれをたくさん食べたら、頭痛や嘔吐、胃炎、下痢などが起き、最悪の場合には昏睡状態になり死亡することがある。
(via nowiknow)
その毒性物質はソラニンと呼ばれ、殺虫性があり自然の防衛機能となっている。だがこれは虫だけでなく人間にも有害で、小児の場合では数個のジャガイモで中毒を起こしてしまうことがある。
(via leucoplast)
ソラニン中毒を起こしたほとんどの患者が、完全に回復する。だが患者が栄養不良であったり、適切な治療を受けられなかった場合では、死亡するケースも報告されている。
(via wikipedia)
イギリスの医学誌BMJによると、ソラニン中毒は食糧不足の時代にごくありふれていたという。飢えに直面した人々は、より毒性の高い古いジャガイモを食べなければならなかった。
北朝鮮では1952~1953年に、多くの人々が腐ったジャガイモを食べることを余儀なくされ、ある特定の地区だけでも382人が中毒になり、そのうち52人が入院し、22人が死亡した。
重症の症例では、ジャガイモの摂取から24時間以内に心臓まひで死亡し、また不整脈、心臓肥大、紫色の唇や耳の症状が現れた患者は5~10日以内に死亡したという。
3.アキー
(via Kaiton/flickr)
日本では全く見ないフルーツだが、ジャマイカではとても人気が高い。ライチの仲間であるが、甘みは無く、クルミのようなコクがあり、調理するとスクランブルエッグのような味になる。
(via Alfred Moya/flickr)
ジャマイカでは、アキーの果肉と塩漬けのタラを炒めた「アキー・アンド・ソルトフィッシュ」は国民食として知られ、アキーは無くてはならない食材になっている。
だが毎年これを食べて数十人~数百人が中毒を起こし、そのうちの何割かが亡くなっているのも事実である。
(via saiprojects)
実を言うと、熟していないアキーは毒を持っているのだ。下記写真のように、外側の赤い皮が弾けて裂けるまでは食べられない。それと、大きな黒い種子にも毒がある。
(via jamaicafoundationofhouston)
アキーでの中毒は、「ジャマイカ嘔吐病」と呼ばれている。アキーに含有するヒポグリシンという毒が原因であり、嘔吐、低血糖、けいれん、昏睡、致死性の脳症などを引き起こし、最悪の場合は数時間で死亡する危険性がある。
4.スプラウト
(via wikimedia)
スプラウトは野菜や豆の種子を発芽させた新芽の総称。よく知られているのが、カイワレ大根やモヤシである。スプラウト自体に毒は無いが、サルモネラ菌や大腸菌が混入しやすく、食中毒が起きやすいことが知られている。
(via picklesnhoney)
その原因は生育環境にある。スプラウトは温かく湿った環境でよく育つため、そのような環境では細菌が繁殖しやすい。またスプラウトの種子を採取する畑で、大腸菌が増殖した未熟堆肥が使われたために発生したケースもある。
基本的に加熱しさえすれば、スプラウトによる食中毒は起きないが、カイワレ系のスプラウトは生でサラダなどに混ぜて食べることが多いので危険性が高くなる。
(via pixabay)
2011年にはヨーロッパで集団発生したスプラウトによる病原性大腸O-104の食中毒で、死者50人が出た。またアメリカでも毎年何件かはスプラウトによる食中毒が起き、イギリスでは2010年に結婚式場で提供された豆モヤシによる集団食中毒で、1名の死者が出ている。
たとえ細菌が付着していても、流水でよく洗ったり、野菜用の漂白剤で殺菌したり、加熱したりすることで食中毒を予防することが可能である。
5.二枚貝(ホタテ、カキ、アサリ等)
(via wikimedia)
二枚貝は生食される機会が多いこともあって、食中毒にあたりやすい食材である。食中毒の原因となるのは、大腸菌などの細菌やウイルス、貝毒である。前の2つについては、十分に加熱することで食中毒を防げる。
(via pixabay)
しかし有毒プランクトンを捕食した際に蓄積される貝毒については、加熱しても無毒化せず、味も変化がないため対処が難しい。かつて浜名湖の潮干狩りで貝毒を持つアサリを採って食べ、144名が死亡したケースも存在している。
ただし現在は、各都道府県で貝に含まれる毒量が検査され、安全が確認されているため、貝毒での中毒事故はかなり少なくなっている。
6.餅(もち)
(via wikimedia)
日本では毎年お正月になると、餅をつまらせて亡くなる人が必ず数人は出る。一番最初に紹介したサンナクチと同じく、餅は粘着力、付着力が強く、また体温と同じくらいの温度で粘り気が一番強くなるため、飲み込んだときに喉にくっついて気道をふさいでしまう危険性が高い。
(via wikimedia)
2019年のお正月には東京都内だけで17人が搬送され、80代男性と90代女性の2人が死亡。患者のほぼ9割は、飲み込む力が低下した65歳以上の高齢者である。
(via Mokeneco/flickr)
そして餅が気道に詰まった場合、軽症で済む割合は3割ほどしかなく、低酸素脳症などで寝たきりに移行、あるいは脳死状態になり数日後に死亡するケースが少なくない。
参照:foodandwine、smithsonianmag、wikipedia、earthor、bbc、insider、wikipedia、yomiuri
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コメント一覧
6 海外の方曰く、「死亡事故があるのになぜ食べるのか」と疑問に思うみたい
アキー食べたい(-。-)