生きて帰ってきた消息不明だった人たち

一時的に行方不明になり生存が危ぶまれたものの、その後生還した事例を3つご紹介していこう。

1.気球少年

(via abc)

2009年10月、コロラド州でUFO型のヘリウム気球に乗った6歳のファルコン・ヒーニーくんが、一時消息不明になる事件が起きた。

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【裏庭で気球をふくらませていた】

(via NewsFootage)

事件の日、家族は自宅の裏庭で自家製のUFO型気球にヘリウムを入れて遊んでいた。その気球はひもで木枠にくくりつけられていたが、気球が浮き上がったときに木枠から外れてしまった。空高く飛んでいった気球の中には、ファルコンくんがいた。

(via NewsFootage)

【気球が飛んでいく瞬間の映像】

気球が外れる瞬間は映像に残されており、その映像には一家が悲嘆に暮れて叫び声をあげ、父親のリチャードさんが「こいつがロープを繋ぎ止めてなかったんだ」と怒声をあげて木枠を蹴っているところが映っていた。

【飛行するUFO気球】

(via nbcrightnow)

気球は高度4600mまで上昇し、90分ものあいだ飛び続けた。そしてようやく離陸地点から97km離れた地点に着陸し、追跡していたヘリと地元の警察が追いついた。

【気球の落下時の映像】

気球の中にはファルコンくんがいると思われたが、警察官が中をのぞいても誰もいなかった。ファルコンくんは落ちてしまったのではないかと考えられた。「気球の飛行中に何か黒いものが落下した」という目撃談もあったため、落下の可能性は高かった。

(via daiymail)

警察は周囲を懸命に捜索したが、とうとうファルコンくんを見つけることはできなかった。

なぜか自宅で見つかったファルコンくん

 

【父親と抱き合うファルコンくん】

(via denverpost)

ファルコンくんは、気球が落下したその日の午後遅く、自宅のガレージに隠れていたことが判明した。両親は家で見つかったことに対して、「ファルコンがどこにもいなかったから、気球に乗っていると思っていた」と主張した。

【取材に答える両親】

(via gizmodo)

しかし事件の後に、これはいたずらだったのではないかと多くのメディアが疑い始めた。両親はもちろんこれを否定した。しかし家族全員でメディアの取材を受けたときに、 アナウンサーがファルコンくんに「なぜあなたはガレージから出てこなかったの?」と聞いたところ、「テレビのためにやった」と暴露してしまったのだ。

【インタビューで、ファルコンくんが本当のことを暴露】

(via cnn)

ファルコンくんの暴露について追求された父親は、ついに悪ふざけの容疑を認めることになった。実は、父親は大の目立ちたがり屋で、素人として様々なテレビ番組に出演しており、この事件で自分の名を広める売名行為をもくろんでいたとされる。

【刑務所送りになった両親】

(via cnn)

その後、父親は90日間の服役と罰金470万円、母親は地域の奉仕活動が課せられた。

2. 3人の女性を約10年監禁していた男

【犯人のエリアル・カストロ】

(via biography)

アメリカのクリーブランドで、エリアル・カストロは2002年~2004年にかけて3人の女性を車に乗せ、自宅に誘拐した。被害者の女性は、アマンダ・ベリーさん(当時16歳)、ジーナ・デゼズスさん(当時14歳)、ミシェル・ナイトさん(当時21歳)。

【左から被害者のアマンダさん、ジーナさん、ミシェルさん】

(via wikimedia)

【監禁されていた家と部屋のひとつ】

(via thedailybeast)

3人は2階の寝室あるいは地下室に閉じ込められ、食事は1日に1回、シャワーはせいぜい2週に1回、そしてたまにしか汲み取られない簡易トイレの使用を強制された。

【何度も流産させられたミシェルさん(当時21歳)】

(via cnn)

被害者女性たちは、暗闇で壁に縛り付けられ、精神的・肉体的虐待を受けていた。ミシェルさん(21歳)は少なくとも5回妊娠させられ、そのたびにダンベルやパンチで殴られ、流産させられていたことを救助後に明かしている。

あまりにも暴力がひどかったため、顔の形成手術が必要になるほどだった。それに加え、片耳の聴力も失われた。

【犯人の子どもを出産させられたアマンダさん(当時16歳)】

(via Biography)

一方でアマンダさんはミシェルさんと違って、強姦で妊娠させられた娘の出産を許可された。その娘は、エリアルの監視のもとで部屋から出ることを許され、ときどきエリアルの母親のところへ連れていかれ、自分の娘として扱われていた。

【救出後に娘と写るアマンダさん】

(via News 5 Cleveland)

監禁からおよそ10年が経過した2013年5月6日、エリアルの自宅から助けを求めて叫ぶ女性の声に近所の住民が気づいた。エリアルは部屋のドアを締め忘れていたのだった。3人は救出され、エリアルは逮捕された。

【救助されたアマンダさん(27歳)、ジーナさん(23歳)、ミシェルさん(32歳)】

(via dailymail)

エリアルは裁判で暴行など977件の罪に問われ、仮釈放なしの禁固刑と1000年の刑を言い渡された。刑務所の独房に収容されていたが、刑に服して1ヶ月後に自ら命を絶った。

エリアルの遺書には、「もし捕まったら、全ての財産を監禁した女性たちに贈与する」と書き残されていた。

3.オーストリア少女の監禁事件

【犯人のヴォルフガング】

(via thesun)

1998年3月2日、10歳の少女ナターシャ・カンプッシュさんが、通学途中で誘拐された。誘拐犯のヴォルフガング・プリクロピルは彼女をミニバンに押し込み、自宅で8年もの間監禁した。

【誘拐されたナターシャさん】

(via mindboggler)

ナターシャさんは、窓が無いたった2畳の地下室部屋に監禁され、そこで殴られ辱めを受けた。また食事を与えられないことも多かった。

【監禁された部屋】

(via thesun)

ヴォルフガングは、「窓とドアには爆発物が仕掛けてある。外に出ようとしたら爆発する」と彼女に警告していた。そしていつでも彼女を殺せるように銃を常に携帯していた。

【部屋への入り口は戸棚に隠されていた】

(via allmystery)

しかし時が経つに連れ、ナターシャさんは誘拐犯からある程度の自由を与えられるようになっていった。最終的には寝る時と犯人の仕事中以外、家の中の行き来が自由になった。彼女は犯人と一緒にスキー旅行へ行くほどになっていた。

【スキーに数時間行くほどの自由を与えられる】

(via mindboggler)

また犯人は、監禁中の彼女に独学させるため、本やニュース、ラジオを渡していた。そのこともあって、監禁から脱出後、最初に彼女と話した警察官は語彙の豊富さ、知的さに驚いたという。

(via kidspot)

監禁中、彼女は時間の多くを犯人のための家事や料理に費やしていた。脱出に成功したのは、その家事の合間だった。

彼女が車に掃除機をかけていたときに電話が鳴り、犯人は電話を取るため家の中に入った。これは絶好の機会だと思い、掃除機をかけたまま外に向かって走り、助けを求めた。

【救出後、テレビの取材を受けるナターシャさん】

(via cnn)

その後彼女は隣人の通報によって、救助されることになった。犯人のヴォルフガングは、警察から追われていることを知ると、警察の手から逃れるため迫りくる電車に飛び込み命を絶った。

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物語

Posted by uti