千年以上前!驚くほど保存状態が良い古代の食物
数千年の月日が経過しているにも関わらず、原型をとどめている古代の食べ物を6つご紹介していこう。
1. 2000年近く前のパン(西暦79年)
(via newyoker)
この黒焦げになったパンは、イタリア・ナポリ近郊にかつて存在した都市ポンペイで見つかった。保存状態がきわめて良く、2000年近く経ったとは思えないほどきれいに原型を保っている。
(via wikipedia)
その理由は、79年に起きたヴェスヴィオ火山の噴火であった。噴火がもたらした火砕流によって都市全体が地中に埋もれ、パンが空気にほどんど触れず劣化することがなかったのだ。
(via pinimg)
地中に埋まっていたこの古代都市からは、1500人以上の遺体とともに数々の遺物が発掘されている。その遺物の一つが、古代ローマ時代のかまどに入っていたこの八切りパンだ。
(via Beerbrewing)
一つのかまどには、81個の円形パンが見つかっている。これらはパン職人たちが噴火前に焼いて、そのまま取り出されることがなかったものだ。
それぞれのパンには、パン屋のスタンプが入っていた。当時かまどは共同使用であったため、誰のパンであるかを見分けるのと同時に、品質を保証する印であったとされる。
(via tavolamediterranea)
2.世界最古のボトルワイン:スパイヤーワインボトル(325~350年)
(via wikimedia)
既に1700年近くの月日が経ったにも関わらず、中に入ったワインが失われていない非常に貴重なボトルワインである。1867年、ドイツ南西部のスパイヤーで古代ローマ時代の貴族の墳墓から発掘された。
墳墓の中には2つの石棺があり、男性と女性の遺体がそれぞれ入っていた。男性の石棺には10本のワインボトル、女性には6本が入っていたが、中身が残っていたのは写真のワインボトルだけだった。
(via Ancient origin)
このワインを分析した科学者によれば、既にアルコール分は揮発してしまったが、未だにワイン成分が残っており、腐ってもいないそうだ。ただし美味しいかどうかは、また別の話だという。
3. 3000年以上前のバター(ボグ・バター)
(via thejournal)
アイルランドの田舎では、泥炭地を掘ると「ボグ・バター」に出会うことは珍しくない。これらの大半が木製の容器に納められた状態で発見され、未だにバターのような質感と刺激的な芳香を放っている。
(via wikipedia)
ボグ・バターは現代のバターと異なり、脂肪分がとても多い。現代のバターは脂肪分が80~88%なのに対し、これは95~99%である。また見つかったバターのうちいくつかは、動物のミルクではなく、獣脂でつくられているものもあった。
(via wikipedia)
これまでに274個のボグ・バターが見つかっており、それらは鉄器時代から中世にかけて埋められたとされている。一つの容器には、30kg以上のバターが入っており、多いものでは50kg近くあった。
(via wikipedia)
これらが石炭の一種である泥炭の土地に埋蔵されたのは、低温・酸性・低酸素という食品保存に最適な条件だったからである。昔の住民たちは、このことを泥炭地から発掘した完璧な保存状態のミイラを見て知っていたのかもしれない。
4. 4000年前の麺
(via mentalfloss)
2005年、中国北西部のラーチア遺跡から4000年前の麺が発見された。中国の古い文献で麺が登場し始めるのは約2000年前からだったので、この発見によって麺がそれよりはるか前に食べられていたことが明らかになった。
(via sfgate)
この麺は、遺跡の地下3mの土中から見つかり、ひっくり返った茶碗の中に入っていた。地震によって、遺跡全体が破壊されていたことから、これを食べようとした人は食事を楽しめなかったと思われる。
(via wikimedia)
麺の成分を調査したところ、小麦粉ではなく、アワの粉からできていることが判明した。現在ではあまり食べられることは無いが、中国の田舎では今日でも「鉄絲麺」というアワの麺を作っているところがある。
5. 3200年前の古代エジプトチーズ
(via bbc)
2010年に古代エジプトの墳墓で考古学者が発見したのは、布にくるまった白い塊だった。これは岩のように固くなっていたが、3200年前に作られたチーズだと分かった。現存するチーズの中では、世界最古とも言われている。
(via history)
チーズが見つかった墳墓に埋葬されていたのはプタメスという高貴な人物であり、古代都市メンフィスの市長だった。このチーズは、彼への捧げ物だったと思われる。チーズの成分はヤギとヒツジのミルクであり、その味はかなり酸っぱいと推測されている。
6. 2400年前の骨入りスープ
(via dailymail)
中国・西安市で、新しい空港の建設時に見つかった墳墓の遺物である。銅製の料理鍋の中には、骨と液体のスープが入っていた。しかし銅がさびてしまったせいで、スープは緑に変色していた。
(via chinadaily)
紀元前4世紀ごろの周~秦時代のスープであり、三国志の時代よりも古い。これほど昔のスープが液体として残っていたのは、ぴったりとフタが閉まっていて蒸発しなかったためだろう。残念ながら、スープは何の臭いもしなかったそうだ。
後の調査でスープに入っていたのは雄牛の骨であり、またこのスープは、冥途の土産として死者に供えられたものであると分かった。
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コメント一覧
イチコメ\\\\٩( ‘ω’ )و ////
これ、全部美味しいよねー♪