将来に衝突するかもしれない小惑星6つ

小惑星とは、太陽の周りを回る小さな岩石である。ほとんどは火星と木星の間のアステロイドベルトにあるが、それ以外でも見られる。

これらの小惑星は地球周辺にも存在し、衝突する危険性を持つものもある。欧州宇宙機関(ESA)は、将来衝突しうる小惑星について、その名前や大きさ、衝突日時、確率について公表している。

今回はその情報に基づいて、今後衝突する可能性が高い小惑星をご紹介していこう。

1. 2010RF12 (直径7m、衝突日時:2095年9月5日23時50分 衝突確率1/20)

(via ufosecretsocialclub)

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2010RF12は、地球近傍を周るとても小さな小惑星である。直径はおよそ7m、重量500トン。2010年には、地球と月の間を通り抜け、南極大陸上の7.9万kmまで接近したことが分かっている。

【2010年に接近した際の軌道】

(via nasa)

2095年の衝突が予想される日時には、約8700kmまで地球に接近し、衝突の確率は5%にまで上昇する。これはあらゆる小惑星の中で最も高い数値だ。

しかし、小惑星の大きさが比較的小さいため、衝突による被害は少なく、むしろ空中爆発によって印象的な火の玉が見られると予想している。

(via NerdAlert)

この空中爆発の威力は、2~4mの小惑星が爆発してほとんど被害が出なかった2012年のサッターズミルズよりあるが、17mの小惑星が爆発して1500人近くが負傷したロシア・チェリャビンスク州における天災よりも被害は少ないと見積もられている。

2. 2019DS1(直径30m、日時:2082年2月26日19時15分、確率1/787)

(via pixbay)

地球近傍にある小惑星であり、地球の軌道と最も近い場所での距離は、約14.2万km。これは遠くて安全な距離のように思えるが、宇宙空間での14万kmは、非常に短い。

衝突が起こりうる2082年には、地球とおよそ16.7万kmの場所まで近づくとされている。これは地球と月の距離の半分以下だ。

3. 2000SG344(直径37m、日時:2071年9月16日00時26分、確率1/2096)

【星雲の中を移動する2000SG】

(via wikimedia)

重量7.1万トン、直径37mにも達する小惑星であり、かなり地球とよく似た軌道だったため、アポロ計画で打ち上げられたサターンVロケットが人工惑星になったと思われていた。しかし現在のところ、2000SGは天然の小惑星である可能性が高いとされている。

【サターンV 型ロケットS-IVB(長さ17m)】

(via wikimedia)

衝突する可能性はかなり低いものの、万が一そのような事態に至った場合、2000SGの衝突エネルギーは1.1メガトン、広島型原爆の約70倍に達し、落下場所によっては壊滅的な被害を与える可能性がある。

4. 2009JF1(直径16m、日時:2022年5月6日8時12分、確率1/4464)

(via flowi00406670)

比較的近い将来に衝突する可能性がある小惑星で、地球より大きな軌道で太陽を周回している。直径は10~20mの範囲と推測されており、その速度は時速3.6万kmに達する。

5. 2006JY26(直径9m、日時:2074年5月3日1時00分、確率1/86)

【ヒヅメ型の軌道の小惑星】

(via wikipedia)

地球に沿った軌道を持つ小惑星のクルースンとともに、馬蹄型の軌道を描いて動いている。

6. (29075) 1950 Da(直径1100m、日時:2880年3月16日23時48分、確率:1/7042)

【(29075) 1950 DAのレーダー画像】

(via wikipedia)

衝突危険性がある小惑星として最大。

非常に巨大なため、万が一地球に衝突した場合は、地球全域の気象や生態系に影響が及ぶ大災害がもたらされ、人類の文明に壊滅的な影響を与えるだろう。

この小惑星の発見によって、衝突の回避の方法について関心が高まりつつある。

6.(410777) 2009 FD(直径150m、日時:2185年3月29日18時06分、確率1/694)

(via wikipedia)

衝突可能性のある小惑星としては3番目に危険性が高い。2009年3月には地球と62万km近くまで接近した。もし2185年に衝突することがあれば、巨大津波の発生などで広大な地域の荒廃が予測されている。

7.ベンヌ(直径484m、日時:2196年9月24日7時55分、確率1/10638)

(via wikipedia)

衝突可能性がある中で唯一、探査機によって調査が行われている小惑星である。探査機オサイリス・レックスは、2018年にベンヌに到達し、地表サンプル採取して、2023年までに地球に持って帰ってくる予定だ。

【ベンヌの地表】

(via wikipedia)

そのサンプルが手に入ると、組成や重量などが判明する。

【サンプル採取場所】

(via wikipedia)

ベンヌは2169年~2199年までの間、地球に8回接近する。いずれの接近においても、衝突確率は低いが、最悪の事態に至れば、その衝突エネルギーは1200メガトン、広島型原爆で7.3万個分にも匹敵することから、地球に壊滅的なダメージを与えることは避けられない。

参照:thesun

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雑学

Posted by uti