海外で話題を集めた超短編ホラー(意味深・21選)
今回は海外で話題集めた、数行だけの短編ホラーをご紹介していこう。一部には解説もつけている。
1
誘拐犯に「娘の居場所を当ててみろ」と言われ、「地下室」と答えたら、「正解!」と言われ、娘に会うことができた。
しかし、そこで娘の切断された頭を見つけたとき、他のどんな答えも正しかったのだと気が付いた。
娘はバラバラにされ、切断された体の部位が建物の中に散らばっている。だから、どの場所を答えても正しいということになる。
2
ずっと親から地下室の扉を開けてはいけないと言われていたのだが、好奇心に負けて、扉を開けてしまった。
空に光る球は一体何だろう?
なぜ目がこんなに痛いのだろう?
この物語の人物はずっと地下室に閉じ込められていたが、両親の命令に背き、地下室の扉を開けて外に出た。
3
両親の虐待から逃れるために自殺を考えたときは、「死んじゃダメだ」という言葉を呪文のように唱えて耐えていた。
皮肉なことに、両親が年老い、空腹に苦しみ、床ずれに覆われ、彼らが悲惨な状態から解放されることを懇願するようになった今でも、私は同じ呪文を唱えている。
私は両親に復讐している。両親を簡単には死なせず、より苦しませようとしている。
4
今日、息子が通っている学校の校長から職場に電話があり、息子が遠足中に他の子供を突き飛ばしたと言われた。
わざわざ電話してくるほどのことでもないと思った。だが、その遠足がグランドキャニオンであったことを思い出した。
5
ベッドで子供を寝かしつけようとしたら、「パパ、ベッドの下にモンスターがいないか見てみて」と言った。
息子を面白がらせようとベッドの下を覗き込むと、ベッドの下にもう一人息子がいて、震えながら私を見つめて「パパ、僕のベッドの上に誰かいるよ」とささやいた。
ベッドの上にいるのは、息子ではない何か・・
6
娘が、夜中に泣き叫ぶのを止めない。娘のお墓を訪れ、泣き止むように言うのだが、どうにもならない。
親が娘を生き埋めにして、そこを娘の墓にした。
7
ベビーモニターからガタガタと音を聞こえてきて、長男をあやす声で目が覚めた。起きようとして姿勢を変えると、隣で寝ている妻に腕が当たった。
妻は長男をあやしている。彼の隣で寝ているのは、妻以外の誰か。
8
彼女は、「どうしてそんなに息を荒げているのか」と私に尋ねた。私ではない。
私と彼女以外の何者かが、荒い呼吸をしている。
9
私はいつも、飼い猫が私の顔を凝視しているのだと思っていた。しかし、ある日、私のすぐ後ろを見ていることに気づいた。
10
赤ちゃんの笑い声に勝るものはない。夜中の1時、一人で家にいるとき以外はね。
11
長い間、この大きな家に一人で暮らしてきた私は、信じられないことに気づいてしまった。この間、私は開けたドアよりも閉めたドアの方がはるかに多かったのだ。
誰かが家に侵入している。
12
今書いている本の登場人物を何人か殺すことにしたんだ。
私の自叙伝(じじょでん)のちょっとしたスパイスになることは間違いないだろう。
自叙伝は、自らの生涯を語った本なので、その登場人物を殺すということは、実際に殺人を犯すということである。
13
私は、1年先の音が聞くことができる。
今日、その音が止まった。
死へのカウントダウンが始まった。
14
私はケータイで、夫とビデオチャットをしていた。そのときケータイを床に落としてしまったのだが、それを拾った後に夫の顔色が急変した。
夫は両手を唇に当て、まるで私に静かにしろと言わんばかりに、「君のベッドの下に男がいる」とチャットに書いたのだ。
15
「娘さんを見つけました」と警官が言いながら、地図にX印を書き込んだ…。
…そして、警官はもう1つ、さらにもう1つ、さらにもう1つ、さらにもう1つ書き足した。
娘は殺害され、X印のところにバラバラにされた遺体が散らばっている。
16
祖母は母を産んで亡くなり、母は私を産んで亡くなった。
私は意識が遠のいていくのを感じながら、私の赤ちゃんが男の子であることを祈った。
17
パパは私を椅子に座らせ、私の歯とドアノブをヒモで結んだ。
パパはドアを閉める前に、「ママがどこに行ったか教えてくれたら、こんなことはやめよう」と言った。
ぐらいついた乳歯をヒモでドアノブに結びつけ、勢いよくドアを閉めるのは、乳歯を抜く方法としてよく知られている。だがこの父親がやっていることは拷問で、母親の居場所を吐かせようとしている。
18.
妻は、「家の中で声がずっと聞こえてくるせいで、気が狂いそうだ」と言った。
妻が自殺した後、私の愛人が家中の隠しスピーカーを外すのを手伝ってくれた。
19
昔は、人里離れた実家で、コオロギの音が聴こえてくるのが嫌だった。
今では、コオロギが鳴かなくなるたびに、何かが通り過ぎたと思い、また鳴いてくれるように祈ってしまう。
20
「ランプの魔人ジーニーさん、この世界で誰も飢えることがないくらい、この地球上にたくさんの食料を出して、お願い」
ジーニーは「叶えよう」と笑いながら答えたが、何も変わらなかった。
世界の食料事情に対する皮肉である。現在、世界で10人に1人が飢餓に直面しているが、これは食糧が足りていなからではなく、平等に分配されていないからである。
21
1つ目の願いは億万長者になることで、2つ目の願いは、私が死後どうなるかを知ることに使った。
3つ目の願いはランプの魔人ジーニーを解放するために使うつもりだったが、代わりに不老不死になるために使った。
2つ目の願いで、私が地獄に行くことがわかったから。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません