奇妙な睡眠の病気(奇病と睡眠障害)

2017年5月22日

今回は睡眠時に起こる奇妙な症状を7つご紹介します。

1.脚に虫が這っているような感覚、むずむず脚症候群

(via the girl with cold hands/flickr)

スポンサーリンク

日本人の少なくとも3~4%がかかっている睡眠障害です。不眠症患者の10人に1人が、この病気が原因とも言われています。

むずむず脚症候群にかかると、じっとしている時にむずむず感を脚部に感じ、その不快感を取りのぞくために、脚を動かしたり、身体をさすらなければ耐えられない状態になります。

(↓アリがうごめいているような感覚)

(via Pexels)

その感覚は「アリやミミズが脚の上をうごめているよう」、「細い針でなぞられているよう」、「脚がほてっているよう」など患者によって様々な感じ方がありますが、いずれも身体を動かさないとかなり辛い状況に追い込まれます。

たとえそのむずむずを解消したとしても、すぐに次のむずむずの波がやってきます。そのためこの症状が出ると、常に身体を動かし続けるため、眠りが浅くなったり、まったく眠れなかったりで不眠症が引き起こされます。

この不眠症が日中の眠気、無気力などをもたらし、うつ病を併発することがあります。この病気の症状により鬱を発症し、自殺した人もいます。

原因は分かっていない

いくつかの仮説はあるものの、これが起こる正確な原因は分かっていません。ただし、かかりやすい人がいます。例えば、鉄分が足りておらず貧血気味の人、腎不全の人(3人に1人)、妊娠している女性(5人に1人)です。

治療は可能

誰もがかかる可能性があり、いったんかかるとまともな日常生活が送れなくなる可能性がある病気ですが、薬での治療が可能となっています。

また眠りの浅さも悪影響を与えているため、アルコール・カフェイン・タバコなどの摂取をやめることで、ある程度その症状を軽減することができます。

2.夢の中で起きていることを現実でも行う、レム睡眠行動障害

(via mattressesforless)

人は寝ている時、浅い眠りの「レム睡眠」と深い眠りの「ノンレム睡眠」を周期的にくりかえしています。浅い眠りの「レム睡眠」のときには夢を見ますが、この障害を発症した場合、夢の中で行った事と同じ事を睡眠中に、現実でも行うようになります。

夢遊病と似ていますが、この障害は患者がその異常行動を記憶していることに違いがあります。軽度の症状では身体をけいれんさせる程度ですが、症状が強くなると足でベッドを蹴ったり、パンチしたり、ベットから飛び上がったりするようになります。

なぜ起きる?

通常レム睡眠時には、脳は起きている状態ですが、筋肉への情報伝達がしゃ断されているため、身体は動かせません。しかしレム睡眠行動障害は、このシステムがうまく働かず、筋肉が自由に動いてしまうのです。

この障害が起こる原因は分かっていません。ですが、パーキンソン病やアルツハイマー症などの脳細胞が死んでいく病気でよく見られます。また薬物中毒や薬物に対する禁断症状がある人も発症する可能性があります。

90%以上の確率で治せる障害

(via The Drug Classroom)

筋肉の動きを弱めるクロナゼパムという薬を用いることで、ほぼ完治可能な病気となっています。およそ90%の患者がこの薬で症状を抑えることが出来ています。

3.急に起き出して叫び出す、夜驚症

(via Urchina)

睡眠時に急に起き出して、まるで何かに恐怖するように叫び声をあげたり、うめいたり、あえぎだしたりする睡眠障害です。また症状によっては、周りの起きている人を襲うことがあるため、危険な病気とみなされることがあります。

この恐怖症状は数分~数十分続き、その間は誰かが話しかけても全く応じることがありません。本人も意識がないので、症状が収まると朝までぐっすりと眠ります。

睡眠中に見る悪夢とは違い、朝起きても患者本人は全くこのことを覚えていません。悪夢が原因となって起きる障害ではありません。

(↓夜驚症は3~12歳の子どもに多い)

(via wikia)

発症するのは特に3~12歳の子どもに多く、これは脳の睡眠中枢が未発達なためだと考えられています。そのため大人になると、この症状は見られなくなります。

一方で大人でも、命の安全が脅かされるような出来事でPTSDをわずらった人、不安障害などを持っている人は、この睡眠障害にかかることがあります。不安やうつの他、低血糖も、夜驚症が起こりやすくなる原因とされています。

4. 数十日間のほとんどを寝て過ごす、クライン・レビン症候群

(via Now I Know)

数日から数週間にかけて、1日に15~21時間の睡眠をとるようになる過眠症に似た病気です。

過眠症との大きな違いは、一度症状が収まった後、数ヶ月~数十年ごとにその症状が繰り返されるところです。また患者の多くに、食欲増進と異常性欲が起きることも大きな特徴です。その他、幼児退行が起こるケースもあります。

この病気は非常に珍しく、100万人に1人の割合でしかいません。また、女性のかかる確率が男性と比べて非常に高いため「眠り姫症候群」とも呼ばれています。

いったんこの病気にかかると、ずっと寝ている状態になるため、一般的な日常生活をおくることが難しくなります。また、一部の患者は記憶障害を引き起こすことがあり、これらが原因でほぼ寝たきりの生活を余儀なくされることがあります。

原因は分かっていない

遺伝や一部の免疫システムの機能不全などが原因とされていますが、正確なことは分かっていません。ただし患者の75%が、インフルエンザや風邪などのウイルスが引き金となって、発症していることが明らかになっています。

治療法もない

(via Max Pixel)

2013年時点で、薬物治療で効用が明らかになっているものはありません。ただし症状を弱めることは可能であり、アンフェタミンやメチルフェニデートなどの興奮剤が、一時的な効果をもたらします。

5.眠った状態で食べ始める、睡眠関連摂食障害

(via wikimedia)

眠りについてから数時間後に急に起き出し、無意識のうちに食べ物を食べる病気です。食べて満足すると、何事もなかったようにベッドに戻って眠りにつきます。

本人にはまったく記憶が無いため、知らず知らずに糊(のり)や木、腐った食べ物などを食べてしまうこともあります。

(↓ダイエットが主な原因)

(via Pixabay)

眠関連摂食障害は、患者の抑圧された願望が現実化して生じた行為であり、特にダイエットでストレスがたまっている女性の発症例がよくあります。

なので基本的には身体が求めているもの、すなわち甘いものなど高カロリー製品を大量に食べてしまうケースが大半です。そのため、この病気の患者は、ダイエットの開始とともに体重が増加し始めるという、本人にとってはとても不思議な現象が起こります。

一部の患者は、電子レンジやコンロ、包丁などの調理器具を使って料理し始めることもあるので、非常に危険な事態を引き起こす可能性があります。

6.突然全く眠れなくなり死にいたる、致死性家族性不眠症

(via Oddity Central)

非常に珍しい遺伝性の病気で、世界でも40家族ほどしか原因となる遺伝子を持っていないとされます。日本でも数家族でしか確認されていません。

この病気は。遺伝子異常によってタンパク質のプリオンが変形し、脳内に蓄積することで起きます。

発症は18~60歳の間に起きます。最初の症状は一般的な不眠症と同様ですが、その程度がだんだんと強くなり、最終的にはまったく眠りにつくことが出来なくなります。不眠症がひどくなり始めると、幻覚とパニック発作が高い頻度で現れるようになります。

そして発症してから平均で1年以内に完全に眠ることができなくなり、急激に体重が減少し始めます。最後には痴呆症を発症し、口もきけず、何も反応することができない状態で死にいたります。

症状は急激に進み、発症してからの平均生存期間は、平均18ヶ月とかなり短いことで知られています。

現在のところ治療法は存在せず、睡眠薬や精神安定剤も全く効果がなく、むしろ悪化させる可能性があると言われています。

7.突然強烈な眠気におそわれる、ナルコレプシー


突然、強い眠気におそわれる病気です。集中力を要する運転中など、あらゆる状況や場所で耐え難い眠気におそわれることから、非常に注意を要する睡眠障害です。

眠気の発作におそわれた人は、特殊な眠りのサイクルに入るため、金縛りや幻覚を見ることが多くなります。また患者の約70%が笑ったり、喜こんだり、怒ったりなどで感情がたかぶると、筋肉が突然脱力する発作「カタプレキシー」を併発しています。

この脱力発作が現れると、身体に力が入らなくなるため、動くことが出来なくなり、立っていれば転倒することもあります。

【↓カタプレキシーを起こした人】


この病気にかかっている人は、10万人あたり0.2~600人とされ、日本における患者数は2000人前後と見積もられています。

原因と治療

様々な説があり、正確な原因は分かっていませんが、有力なのは免疫システムが自分の細胞に攻撃をしてしまう自己免疫疾患によるものです。この疾患では、オレキシンという睡眠の制御を行っている成分が不足します。これが不足すると適切な睡眠周期を維持できなくなり、急激な眠気に見舞われるのです。

治療法は現在のところ、対症療法のみで完治させることはできません。ですが、日中の突然の眠気はある程度薬で弱めることができます。また夜に十分に睡眠をとることで、睡眠発作の頻度を抑えることができます。

8.寝ている最中に爆発音がひびく、頭内爆発音症候群

(via Keithlovesmovies)

入眠時や起床時に突然、頭の中ですさまじい衝撃音(銃撃音、爆発音、シンバルの打音など)が鳴る症状です。患者のおよそ10%がこの衝撃音を聞いたと同時に、カメラのフラッシュが炊かれたような閃光を感じています。

痛みをともなうことはありませんが、恐怖感にさいなまれ、衝撃音による耳鳴りが続くこともあります。

原因については全く分かっていません。しかし、この症状により不眠症などが引き起こされることは少ないとされています。

スポンサーリンク

雑学

Posted by uti