動物の迷信とその真実
世界中でまん延している動物に関連した迷信とその事実についてご紹介します。
1.コウモリは盲目である
(via wikimedia)
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全てのコウモリは、目が見えます。実は、私達人類よりも優れた視力を持つ種もいます。私達が見られない紫外光を見ているコウモリもいるのです。
基本的にコウモリは、二つの方法で物を見ます。ひとつは自分の眼。もうひとつは、口や鼻から超音波を出して、反射してきた音から物の位置・大きさなどを知る(エコロケーション)です。
ただし、真っ暗闇では人間と同じように視界が効かないため、コウモリは積極的にエコロケーションを行います。
一方で、オオコウモリという大型種では、エコロケーションを行いません。彼らは、人間の数倍優れた視力で果実や花の蜜を探し当てます。
(via Josh More/flickr)
2.人がヒナ鳥に触ると、親鳥は人の匂いに気づいてヒナ鳥を育児放棄する
(via Public Domain)
親鳥は、たとえ人間に自分のヒナがベタベタ触られていたからといって、育児放棄するようなことはありません。そもそも、鳥類のほとんどはニオイを嗅ぎ分けるための嗅神経が小さくて単純なため、ニオイの識別がほとんど出来ないのです。
たとえ、人のニオイを嗅ぎ取ったとしても、ヒナと親鳥の関係が崩れることはありません。また、その触っている光景を見られたり、捕食者がやってきたりしても、簡単に巣を手放さないことが分かっています。
ただし、巣作りの最中に邪魔が入った場合は、巣の場所を変えることは普通にあります。
とはいえ、いくら触って大丈夫だったとしても、野生動物は触れずに眺めるだけにしておくのが一番です。でも、もし道端にひな鳥が落下していて、巣が近くにあるのなら、元に戻してあげたとしても、そのひな鳥が親から見捨てられることはないのです。
3.カエルにさわると、イボができる
(via healthcare)
イボができる理由を知っていますか?
イボは、ヒトパピローマウイルスに感染することで出来ます。このウイルスは、主に人と人との接触によって広まることが知られています。
そして、イボの原因の約40%は、性行為によるものであることが分かっています。
カエルはこのウイルスを保有していません。そのため、イボが出来ることはないのです。このような迷信が広まったのは、カエルの皮ふにイボ状の突起があること、そして昔はイボの原因が分かっていなかったからです。
ただしイボが出来なかったとしても、ある種のカエルは、イボからミルク状の毒を分泌するので、触る際には注意が必要です。
4.レミングは集団自殺をする
(via Wikimedia)
レミングは、北極地方にいるげっ歯類(ネズミの仲間)です。体長は15cm以下で、ふわふわとした毛並みが特徴です。
レミングが集団自殺をするという迷信が広まったのは、1958年にディズニーが放映した「白い荒野」が原因です。このドキュメンタリー作品は、アカデミー賞を獲得しています。
この映像はカナダで撮影されており、そのフィルム中にはレミングが集団で崖から飛び降りて死んでいくシーンがあります。
問題の動画
この映像が原因で、「レミングは自殺する」と信じた人が多かったようです。しかし、実際にはレミングは自殺したりしません。この映像はツクリモノで、撮影者が意図的に崖へと追い詰め、海に飛び込ませていたことが、後に判明しています。
また、レミングは泳ぐのが得意なため、もし水の中に飛び込んだとしても、そう簡単に死ぬことはありません。
5.健康な犬は鼻がしめっている
(via Pixabay)
鼻が湿っているからといって、健康な犬であるとも言えませんし、鼻が乾いているからといって病気だとも言えません。これは、鼻の湿り気が、ニオイをキャッチしやすくするのと、体温の調節のためにあるからです。
鼻の湿り気は季節ごと、時間ごとに変わります。たとえば、朝方は湿っていても、昼になると乾いてくることがあります。また歳をとればとるほど、鼻は乾燥しやすくなります。
ただし、鼻が乾ききっている場合には、注意が必要なこともあります。脱水症状になっていたり、皮膚炎を起こしていたりすることがあるからです。
6.クマは冬の間ずっと寝ている(冬眠)
(via Metassus/flickr)
クマは、冬になるとエサが少なくなるため、自らの代謝と体温を落とし、深い眠りに入ります。とはいっても、冬の間ずっと寝ているわけではありません。
彼らはリスなどと違って、冬眠中に体温がそれほど低くなりません。リスは氷点下近くまで下がりますが、クマは10℃ほどです。そのため、冬眠状態からすぐに抜け出すことができます。
実際に冬の暖かい日には、エサを食べに外に出てくることがあります。もし冬眠しているクマを見つけても、襲われる可能性があるので、ちょっかいをかけるのは止めといたほうが良いです。
7.金魚は3秒間しか記憶が持たない
(via Wikimedia)
金魚の脳は赤ちゃんの1/38万分の大きさしかありませんが、私達が思っている以上に賢いことが分かっています。
金魚は最大3ヶ月もの間、記憶を保持できるのです。たとえば金魚に、エサをあげる時だけ毎回特定の音楽を聞かせるようにします。そして3ヶ月の期間をおいて、金魚に再び音楽を聞かせると、金魚はこの音に対して強い反応を示すのです。
金魚は学習能力が高く、ネズミや鳥などと同様の知性を見せることがあります。仲間の顔を覚え、迷路を解くことさえできます。
8.闘牛は赤色が嫌い
(via Wikimedia )
ウシは、色の違いが分かりません。それは闘牛でも一緒です。闘牛は青や白のハタであっても、闘牛士めがけて襲いかかってきます。
闘牛はハタの色ではなく、そのハタの動きに興奮して突進してきます。闘牛士はそのハタをうまくなびかせて、闘牛に攻撃を誘っているわけです。
闘牛に対して赤色は全く意味がありませんが、このショーを見ている人たちには様々な効果があります。赤色は人を興奮させ、人の目に留まりやすいということです。
また通常では、ショーの終わりに闘牛は闘牛士によってとどめを刺され、殺されます。そのため赤色のハタは、闘牛から流れ出る血を目立たなくし、観客に残虐なイメージを残しにくくする役割もあります。
9.ラクダはコブに水をたくわえている
(via Wikimedia)
ラクダは1週間もの間、水を飲まずに生き永らえることができます。このことから、かつてはコブの中に水がたくわえられているのだと考えられていました。
しかしラクダのコブは、水ではなく脂肪が詰まっています。ラクダは、食べるものが無くなった時に、この脂肪を栄養に変えて生きています。
この脂肪は体内で酸素と反応しあい、1gの脂肪から1g以上の水を産み出します。
ラクダが他の動物と大きく異なるのは、血液の中に大量の水分をたくわえられることです。そのゆえ、1回の給水で100リットル以上を飲みます。
通常の動物であれば、大量の水分で血液が薄まると死んでしまいますが、ラクダは死にません。これは血液の成分である赤血球が、他の動物と異なり、だ円形をしているためです。
10.犬と猫は白黒の世界を見ている
(via Nuzzle)
(via archives)
猫と犬は完全な色盲ではありません。ただし人間ほどカラフルな世界を見ることが出来ません。
猫は、人間と同じく光の三原色の赤・青・緑すべてを認識可能な3色型色覚の持ち主ですが、赤色系統はほとんど見えていないと考えられています。それゆえネコが見ているのは、緑と青を組み合わた世界です。
犬も猫と同様に赤色がほとんど見えません。ですが、黄色や青色は見えます。しかし色に対する感度自体が弱く、人間の1/7しかありません。色の明暗は認識できるものの、上の写真のようにモノトーンに近い世界を見ているのだろうと考えられています。
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面白かったです
4がひどすぎる…