知られざる植物の雑学(120年に一回しか咲かない植物ほか)

2017年9月20日

1.食べられる植物は、世界におよそ8万種。一方で人が日常的に食べる機会のある植物は、たった100種前後

(via Pixabay)

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地球上にはおよそ25万~32万種の植物が存在しています。そのうち食用となるのは約1/3で、8万種ほどです。

その中で、日常的に食べる機会のある植物は、100種前後。ですが、実際によく食べられているのはたった15種ほどで、これらだけで植物から摂取するカロリーの90%を占めています。

大量摂取される植物とは、例えば米、小麦、ジャガイモ、トウモロコシなどの主食であり、これら4つで、植物から摂取するカロリー全体の60%になります。

2.ソコトラ島に自生する植物は、1/3がここでしか見られない種。そして、どれもかなり変わっている

【ソコトラ島の木々】

(via greenstree)

イエメンからほど近いソコトラ島の景色は、SF世界のようだと言われることがあります。なぜなら、他では見られないような奇妙な外観をしている樹木や動物が数多く存在するからです。実際に、自生する800種の植物のうち、1/3が固有種となっています。

固有種では、上の写真のように極端に幹が太い木や、キノコの傘のような枝葉を付ける木が自生しています。また、竜血樹(リュウケツジュ)と呼ばれる赤色の樹液を出す木も存在します。

【血液のような樹液がしみでる竜血樹)

(via Patras Events)

このようにユニークな植物が生まれたのは、極めて暑く乾燥した環境と、600万年以上前にアフリカ大陸から分離し、長期間隔絶された状態にあったことが原因とされます。

植物や動物はそのような環境の中で、独自の進化を遂げていったのです。

3. 3万2千年前にリスが埋めた種を発芽させ、花を咲かすことに成功した

【3万2千年の眠りからよみがえったスガワラビランジ】

(via livescience)

スガワラビランジは、シベリアと北日本で見られる植物です。2007年、この種がシベリア地方のコルィマ鉱山の古い地層から発見されました。

年代測定を行ったところ、およそ3万年前の種と分かり、種の傷つき具合から、リスが埋めたものだと判明しました。研究者らはこの種を持ち帰り、種の再生に挑みました。

そして2012年、ついに種を発芽させることができたのです。

これほど古い植物を再生させることができたのは初めてのことであり、科学の歴史に残る成果となりました。

4.コーヒー豆や茶葉に含まれるカフェインは、昆虫殺戮兵器である

【コーヒー豆がとれるコーヒーノキ】

(via Pixabay)

私達はコーヒーや緑茶、ウーロン茶、コーラなどカフェインが含まれる飲料を毎日のように摂取していますが、これは植物が自らの種を守るために産み出した毒であり、多くの動物にとってきわめて有害です。

昆虫のほとんどが、カフェインに耐性がなく、少量でも摂取すると神経を侵され、体にマヒを起こして死に至ります。

たとえば、蚊の幼虫にカフェインを少量与えた場合、泳げなくなり、溺れて死にます。クモに与えると、対称的なクモの巣を作れなくなって死に、ナメクジではカフェインが入った0.5%水溶液に入れると、数日以内に死亡します。

【クモにカフェインを与えると、上から下のような巣になる】

(via wikipedia)

昆虫より大きな動物でもたいてい同じです。実際に、犬やオウムなどのカフェインによる中毒死が報告されています。

一方で、耐性が非常に高い種もいます。馬や人間です。馬に適量のカフェインを摂取させた場合には、跳躍能力や速力が向上することが分かっています。人も同じく適量なら、眠気やけん怠感が無くなり、体に良い効果をもたらします。

5.タンポポは、全ての部位が食べられる

(via Pixabay)

生命力が強く、どこにでも生えているタンポポですが、実は根から葉っぱ、花まであらゆる部位が食用になります。

生でも、調理してもOKです。葉っぱは、苦味が強いものの、サラダやスープの材料などにするのが良いとされています。また花には甘みがあり、揚げ物やワインとして食されることがあります。

【タンポポワイン】

(via AwesomeJelly)

根っこは、乾燥して煎れば、タンポポコーヒーになります。

6.世界一寿命の長い木は、5,063歳

(via Hobbyearth)

この木は、カリフォルニア州東部のホワイトマウンテンズにあります。単体の木の中では最も寿命が長く、樹齢5,063歳です。

ブリストルコーンパインという松の一種であり、頑丈で過酷環境への耐性が高いため、樹齢の長い木が数多く見つかっています。そしてこの木のすぐ近くにも、同種の樹齢4,849歳の木が自生しています。

7.テネレの木は、地上で最も孤立した場所にあった

(via Elzo Meridiano)

ニジェール中央部のテネレ砂漠に、1本だけ立っていた木です。最も近い木からでも、400㎞以上離れていました。

テネレ砂漠にはかつて、森が広がっていました。しかし後に砂漠化が起き、森は徐々に消えていきました。その中で唯一生き残ったのが、テネレの木だったのです。

樹齢はおよそ300年で、1本だけの状態で数十年は生きていたとされます。また、遊牧民やキャラバンにとっては重要な目印となっていたため、大切に保護されていました。

しかし1973年、酒を飲んでいたリビア人の運転するトラックになぎ倒され、枯れてしまいました。現在その場所には、金属製の記念碑が建てられています。

【モニュメントと化したテネレの木】

(via Amusing Planet)

8.ブラジルは唯一、木から名前が付いた国(ブラジルボク)

【ブラジルボク】

(via wikimedia)

ブラジルボクは、ブラジルの公用語で、「パウ・ブラジル(Pau-Brasil)」と呼ばれています。この木は内部の心材から赤色色素(ブラジリン)が得られ、染料としてブラジルという国が生まれる前からずっと利用されていました。

そのためこの木にちなんで、ブラジルという国名が使われるようになったのです。

9.世界一高い木は、高さ115.92m(ハイペリオン)

(via Reddit)

建材として使われることもあるセコイアという種類の木です。北カリフォルニアのレッドウッド海岸にあります。樹齢は700~800年とされています。

ちなみに、セコイアの樹高は樹木の中でも随一で、樹高世界1位から3位までを独占しています。最高齢のセコイアは2,000歳を超えます。

10.バオバブの木は、最大12万リットルもの水を幹にためこむ

(via wikimedia)

アフリカやマダガスカル島で見られるずんぐりとした変わった木です。

高さは30mほど、幹の太さは7~11mにもなります。これほど幹が太いのは、大量に水をたくわえているからです。木の成分の最大80%近くが水であり、最低でも千リットル以上、最大で12万リットルの水を貯蔵しています。

これほど水を含んでいる理由は、雨が降らない環境にあるからです。バオバブは乾燥した地域に自生しており、その地域では数週間~数ヶ月に渡って雨が降らないこともあります。そのため、降水時にできるだけ貯水する仕組みが備わったのです。

11.世界一成長が早い植物は竹。1日で最大91cm伸びる

(via Pexels)

ギネス世界記録に認定されています。竹はピーク時で1日91cm、1時間ではおよそ4cm、90秒毎に1mm伸びます。樹齢は120年ほどで、高さは最大で40m近くになります。

12.竹の花は120年に1回しか咲かない。しかも一斉に咲き、開花後は全て枯れる

【竹の花】

(via wikimedia)

日本で最も一般的な竹であるマダケは、120年周期で花を咲かせます。たいてい一斉に開花し、開花後は竹林ごと消滅します。

これまでに日本では、1960年代にマダケの一斉開花が起こり、マダケの1/3が消滅して大きなニュースになったことがあります。

一斉開花して竹林ごと消滅する理由は、全ての竹が根の部分(地下茎)でつながっているからです。すなわち竹林は一つの生命体なのです。この生命体は、寿命を迎える間際に花を咲かせ、子孫を残しているのです。

13.世界最大の花は、ショクダイオオコンニャク

(via Rare Plants)

インドネシアのスマトラ島に自生するコンニャクの仲間です。その花の大きさは、最大で4.5mに達します。

大きいだけあってニオイも恐ろしいほど強烈だといいます。腐った肉のようなニオイをまきちらし、昆虫たちを呼び寄せます。

ニオイはひどいですが、とても貴重です。なぜなら、7年に1度しか咲かない花だからです。

14.ジャガイモとトマトを接ぎ木すると、トマトとジャガイモが両方育つ

(via Northwest News Network)

トマトとじゃがいものクキ部分を接合すると、枯れることなく生育することが知られています。これは、同じナス科の植物であるためです。

【こんな風に接合する】

(via 趣答100)

15.触るだけで激痛をもたらす植物がある(ギンピ・ギンピ)

(via wikipedia)

オーストラリア北東部の熱帯雨林に自生するギンピ・ギンピと呼ばれる植物です。葉と枝の部分に短い毛が密生しており、これに軽く触れただけで、皮ふに突き刺さって激しい痛みにおそわれます。

【葉と枝部分に刺毛が密生】

(via Publimetro)

苦痛の原因は、ギンピ・ギンピの毛に含まれる神経毒です。その神経毒によって、数日から数週間にわたって痛みが持続します。

実際に触ってしまった人によれば、どんな痛みよりも10倍ひどいものであり、治ったと思っても、冷たいシャワーを浴びるたびに痛みがぶり返し、それが2年も続いたと言います。

16.エンドウ豆は、肺の中で育つことがある

【胸部X線写真で見つかったエンドウ(赤丸部分)】

(via DiarioDaWeb)

エンドウにかぎらず、豆や種子が肺に入ってしまうと発芽することがあります。これまでにエンドウ以外で、モミの木の種子が発芽するケースも報告されています。

上の写真は、マサチューセッツ州に住むロン・スヴェデン(当時75歳)が、胸に痛みを訴え、救急車で病院に運ばれた時に撮影されたX線写真です。彼の肺の中には、1cmほどのエンドウが発芽しており、肺を痛めつけていました。

原因は、エンドウを食べる時にむせて、器官に入ってしまったためだと考えられています。

このエンドウを取り除くまで、彼はせきと息苦しさで相当辛かったようです。除去手術は成功し、現在では普通の生活を送れるようになりました。

17.世界一背の高いヒマワリは、9.17m

(via guinessworldrecords)

ギネス世界記録に公式認定されている世界一背の高いヒマワリです。ドイツのヴェストファーレンで2014年に達成されました。育て上げたのはドイツ出身のハンス・ピーターさんで、これまでにもヒマワリの背の世界記録を2回保持していました。

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雑学

Posted by uti