死ぬとどうなる?あなたの身体に起きること。

2016年9月7日

死んだ後、自分の体はどうなるのだろう。
この疑問の解決のために、今回は死後、人間の体に起こることを時系列順にまとめてみました。

1.心臓が止まるとともに、血液の流れが停止する。

1(出典:youtube

心臓が止まった時を、医学的には「死亡時刻」とし「死」とみなす。
いったん心拍が止まると、体中に酸素を巡らせていた血液の流れがなくなり、酸素を奪われた体のあらゆる部位に死が訪れる。

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2.体の色が変わる。

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血液の流れがなくなると、体の色が変わり始める。
写真のように、地面に近い方の皮ふの一部が、赤紫あるいは青紫色になる。
これは血液が重力によって、体の下の方にとどまるためである。
これより上の部位は、下部に血液が集中して相対的に少なくなるので、灰色となる。

このような体色の変化が起こるため、葬儀などでは頭の方に血液がとどまらないよう、仰向けにし、頭を少し上げて遺体の顔色が悪くならないようしている。

3.体の一部分にアザのような死斑(しはん)が出来る。

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血液が局所的に固まりだし、その部分だけ皮ふの色が変化する。
重力とは関係なく、体重を支えている部分には出来ずに、その周囲から形成され始めるのが特徴である。

このアザのようなものを死斑と呼んでおり、死因によって色が変化することで知られている。
そのため、法医学おいて死因の調査に役立っている。

たとえば、凍死や練炭自殺の場合は特徴的な鮮紅色を示す。
また大量の出血や貧血状態で亡くなった場合には、死斑が現れないことも分かっている。

4.体温が外の温度まで下がる(死冷)。

4(出典:ferinheighttocelsius

人間は37℃の熱を失い、徐々に外の温度と同じになる。これを死冷(しれい)と呼んでいる。
室温では1時間で平均0.8℃ずつ体温が下降し、最終的に室温が体温になる。

5.死後硬直が始まる。このとき、生きているような動きを見せることがある。

5(出典:imgur

死体の筋肉が固まって動かしにくくなる「死後硬直」は、死んでからすぐには起こらない。死後硬直が起こり始める時間は温度で変わり、室温20℃では亡くなってから約2時間ほどである。
まぶた、首周辺の筋肉、続いて体全体が徐々に固まり始め、死後12時間で全身にいたる。

この時、部分的に硬直した体の部位が収縮を起こし、けいれんのような動きを見せ、まるで生きているように感じられる現象が見られることもある。

6.死後硬直が解ける。

6(出典:wittyfeed

死後数十時間経つと、筋肉のタンパク質が分解され筋肉組織が崩壊し、筋肉は一切の役目を終えて死後硬直がとける。

7.顔のひふが平らになり、シワが消える。

7(出典:wikipedia

体中の筋肉が既に役目を終えてしまっているため、皮ふがゆるんだ状態となる。
そのため、おでこ等にあるシワの原因となっていた筋肉が引っ張る力を失い、シワが消える。

8.皮ふの収縮:髪の毛や爪が伸びたように見えることもある。

8(出典:wired

死んだ後も髪や毛が伸びるという通説があるが、そのようなことは起こらない。

この原因は皮ふが水分を失い、体全体の皮ふは収縮するが、一方で毛や爪の収縮は起こらないことにある。
このため、相対的に髪や毛が伸びたように見えるのである。

また、皮ふの乾燥が起き始めると眼球の水分も蒸発していき、眼周辺の落ちくぼみが目視で確認できるようになる。

9.便や尿が排出される。

9(出典:msnz

死後硬直が解けると筋肉がゆるむため、お尻にある括約筋もゆるんで開いた状態になる。
そのため死体から尿や糞便が排出される場合がある。ただし、必ずしも起きるとは限らない。

10.腐敗臭が出てくる。

10(出典:imgur

細胞が死ぬと酵素を放出し、自らの細胞を消化し始める。その後、腸内細菌やバクテリアが体内のタンパク質、炭水化物などを分解し始め、有害で悪臭なガス(腐敗臭)を発生させる。

このとき、バクテリアの数が増えていくと、体色は紫色、最終的には黒色に変化していく。

11.動物が死体に入り込み、食べ始める。

11(出典:wikipedia

腸内細菌やバクテリア等が体を分解し始めると、彼らが生成した匂いに釣られてハエたちが体中に卵を産みつける。数時間で産まれた幼虫は体内をむしばみ始める。
ハエだけに限らずダニや、アリ、クモ、ワシなど様々な生物が人間の死体を食す。

12.死んでからもなお、うめき声をあげることがある。

12(出典:wikipedia

肺の中に残っている空気により、肺から漏れた空気が声帯を通ってうめき声のようなものが聞こえたり、バクテリアが作り出した腐敗ガスによっておならをしたりと、死体が何らかの音を出す場合がある。

13.体全体がふくらむ。ガスが圧迫して目や舌が飛び出すこともある。

13(出典:wikipedia

内臓部分で生成された腐敗ガスは体全体を膨らませ、目を圧迫して眼窩(目のくぼみ)から飛び出させたり、舌を口から飛び出させたりする。

14.腐敗がさらに進行し、内臓が全てガスや液体になる。

14(出典:wikipedia

体内の崩壊が進むにつれ、タンパク質の分解が起こり、いままで結合していた細胞同士が離れ、壊れていく。バクテリアや腸内細菌は、その壊れた所に侵入し、全ての臓器を消化して液体やガスを生成し、一見、中身が空っぽの死体を作り出す。

15.皮ふがはがれ落ちやすくなる。

15(出典:wikipedia

体がガスで満たされると、皮ふがさらにゆるみ、筋肉や骨とくっついていた皮ふが離れ、簡単に体からはがれ落ちていくようになる。

16.死蝋(しろう)になる場合がある。

16(出典:wikipedia

もし死体が湿った低温の環境で外気と直接触れることがなければ、死蝋と呼ばれる蝋状(ろうじょう)死体になる可能性がある。

このような環境では腐敗はほとんど起こらずに、脂肪がバクテリアによって変性し、体全体がワックスで覆われたような状態になる。

17.ミイラになる場合がある。

19(出典:wikipedia

もし死体が非常に乾燥した砂漠や細菌の少ない泥炭地にある場合、ミイラ化する可能性がある。
ミイラとは水分が抜けた死体のことであり、体の腐敗が細菌等によって進む前に、急激な乾燥が起きることで形成されるもの。

砂漠や泥炭地では、腐敗よりも乾燥が速く進むためミイラ化しやすく、一度ミイラ化すると永久的に死体が残る。

18.骨だけになる(白骨化)。

17(出典:wikipedia

死後、最後に身体の部位で残るのは骨である。
骨以外は、バクテリアなどによって全て消化されてしまう。

19.土に還る。

18(出典:wikimedia

最後まで残った骨も長い年月をかけて、バクテリア、藻、菌類などによって分解され、最終的に土へと還る。

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雑学

Posted by uti