ウーパールーパーのびっくりな事実

(via Lazy Penguins)

可愛くて癒し系のウーパールーパー。サンショウウオの仲間だけれども、他の種とは明らかに違った特性があり、愛好家だけでなく、科学者たちの関心も集めている。今回はウーパールーパー(和名:メキシコサラマンダー)について、あまり知られていない驚きの雑学をご紹介していこう。

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1.野生のウーパールーパーは、白い個体がめったにいない

【一般的な野生個体の色】

(via wikipedia)

飼育されている個体は白ばかりだが、野生個体はぶち模様のある黒や茶色がほとんどで、サンショウウオのような見た目をしている。

一般的に飼育されている白い体色と黒い目のウーパールーパーは、白変種と呼ばれている。この白変種は、1863年にパリへ輸送された突然変異のオスが祖先だとされ、ブリーダーがこの白変種をかけ合わせて、ペットとしての人気を高めていった。

以下の写真のように体色はバリエーション豊かで、黒や金、銅など様々な組み合わせが存在する。

(via Amino Apps)

2.野生のウーパールーパーは、ひとつの場所にしかいない。しかも絶滅寸前

(via Pixabay)

水族館やペットショップで普通に見られるが、野生の個体はメキシコ南部にあるソチミルコ湖にしかいない。かつてはこの湖の隣にあるチャルコ湖にも生息していたが、洪水を防ぐため水が引き抜かれて生存できなくなった。

2009年頃の調査では700~1200個体がいると推測されていたが、2013年の調査では1匹も発見することができず、既に野生絶滅した可能性が指摘されている。

3.ウーパールーパーは、一生赤ちゃんのままで過ごす(幼形成熟)

(via Ratchick )

カエルのようにほとんどの両生類は、最初はオタマジャクシ型で生まれ、エラ呼吸をして水中生活を行う。その後成体になる過程で変態して肺呼吸できるようになり、陸上を移動可能になるが、ウーパールーパーのほとんどは、幼生の姿のままで性成熟する。

なので両生類の成体では一般的に見られない羽毛状のエラが残ったままで、陸から上がることができない。また歯も発達しないので、エサの摂取は吸引のみに頼っている。

4.ある条件にすると、ウーパールーパーは変態して完全体になる

【変態したウーパールーパー】

(via emergingfoodie)

通常は幼生のままその姿を変えないウーパールーパーだが、ヨウ素が十分にある環境では変態することが分かっている。変態によって肺が発達する代わりに、エラが失われ水中で呼吸ができなくなるため、陸上への移動を余儀なくされる。その外観は一般的なサンショウウオに似る。

(via Snap_dragon_s )

だがこの進化はウーパールーパーの本来の姿ではない。通常なら15年近く生きるが、成熟した個体は体が弱り、一年以内に死んでしまうことがほとんどである。

5.あらゆる部位が再生する

【脚の再生過程】

(via Quanta Magazine)

多数の両生類が再生能力を有していることは知られているが、その再生箇所は尻尾や四肢などに限られている。しかしウーパールーパーの再生能力は非常に高く、アゴや脊髄、皮ふ、脳の一部でさえ元に戻すことができる。しかもそれは50回、60回、100回であろうが完璧に。

この再生能力は研究者らの関心の的であり、そのメカニズムを理解して人間にその能力を移植できないかと期待し、研究が行われている。

6.食用として昔から食べられていた

【ウーパールーパーの唐揚げ】

(via YoAndMi, Flickr )

絶滅危惧種になる前、生息地のソチミルコ湖近辺に住んでいた人たちが、このウーパールーパーを食していた。特に住民らは、トウモロコシをすりつぶして作る生地に、ウーパールーパーをまるごと入れて食べるのがお気に入りだったそうだ。

1787年に歴史家のフランシスコ・クラビヘロは、「ウーパールーパーは健康に良い食べ物であり、うなぎと味が似ている」と著作に記している。

現在でも養殖のウーパールーパーなら食べることができる。大阪の居酒屋「宝雪酒坊」では、ウーパールーパーの唐揚げが提供されており、白身魚のようなあっさりとした味わいを楽しめる。

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動物

Posted by uti