最も長生きした鳥(ランキングトップ9)

2019年4月7日

スズメのようにたった3年しか生きられない鳥もいるが、オウムやインコのように100年近く生きる鳥もいる。今回は、現在確認されているなかで長寿な鳥をランキング形式で9匹ご紹介していこう。

9.フラミンゴのチリ 60代(~2018年4月)

(via abc)

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アデレイド動物園にいたメスのチリーフラミンゴという種で、チリと呼ばれ愛されていた。

後に紹介するつがいのグレーターと一緒に飼育されていたが、グレーターは2014年に亡くなり、残されたチリはそれから4年後の2018年4月に息を引き取った。

チリは、フラミンゴの平均寿命が40歳前後とされるなかではかなり高齢で、老化を原因とする合併症が死因となった。

そしてチリの死により、オーストラリアでは一匹もフラミンゴがいなくなった。これは、同国で海外からのフラミンゴ輸入が禁止されているためだ。

チリは1970年代にアデレイド動物園に来園し、それ以来ここで過ごしてきた。動物園の経営者によると、今後チリをグレーターとともに剥製化し、展示する予定だという。

8.コアホウドリのウィズダム 69歳(1951年~現在)

(via wikipedia)

野生の鳥としては、最も長寿な個体とされている。1956年に移動経路などを調査する目的で、ウィズダムの脚に標識バンドが付けられてから60年以上が経過し、その全移動距離は地球120周分に達している。

ウィズダムは年齢だけでなく、その繁殖力も驚くべきものがある。68歳のときに、交尾して卵を産んでいるのだ。しかも普通のアホウドリは1年おきにしか産まないが、ウィズダムは2006年から毎年産んでおり、孵ったヒナも元気に成長している。

(via USFWS – Pacific Region)

またコアホウドリは一夫一妻制だが、寿命は普通12~40年ほどである。そのためウィズダムは配偶者を何度か失っているが、新しい交尾相手を上手く見つけられているようだ。

7.コンドルのタアオ 80歳(1930年~2010年1月6日)

(via CTPost)

アメリカ・コネチカット州のビアズリー動物園で、亡くなるまでの17年間飼育されていたオスのコンドルである。確証のある中では最も長寿なコンドルとして知られる。

コンドルは南米のチリなど、アンデス山脈周辺のみに数千羽しかいない貴重種であり、飛べる鳥としては世界最重量・最大級である。翼を広げるとその翼開長は最大330cm、体重は15kgに達する。

またコンドルは成長速度が遅く、外敵もいないことから、野生でも50年以上生きるとても長寿な鳥である。

(via ctpost)

タアオが2010年に亡くなった時の体重は18kgで、若い時よりも約5kg落ちていたそうだ。死因については正確に分かっていないものの、検死によって内臓の多くが悪くなっていたことから、加齢が原因とされている。

6.オオフラミンゴのグレーター 少なくとも83歳 (不明~2014年1月30日)


先に紹介したチリと同じアデレイド動物園に暮らしていたオオフラミンゴ。この動物園にやってきたのは1933年、1930年、1925年、1919年のいずれかの年とされるが、正確な日付は分かっていない。ただし来園時には既に成体であったことから、少なくとも83歳以上であることは間違いない。

2013年ごろから老齢のため関節炎の症状が現れ始め、2014年には体調がさらに悪化したことで、安楽死が実行された。グレーターは、オーストラリアのオオフラミンゴとして最後の個体であった。

5.クルマサカオウムのクッキー 83歳(1933年1月30日~2016年8月27日)

(via wikipedia)

アメリカ・シカゴのブルックフィールド動物園で飼育されていたクルマサカオウム。

クッキーは、正確な年齢が分かっているオウムの中で最も長寿とされ、ギネス世界記録にも認定されている。しかもクッキーの次に長生きしているクルマサカの飼育個体が31歳なので、クッキーはかなりの長寿だったと言える。

クルマサカは本来、冠のような美しい羽毛が頭から生えているが、クッキーは高齢のため冠毛がしょんぼりしている。

【本来の冠毛】

(via ecosia)

クルマサカはその美しさ・貴重さ・可愛らしさからペットとして人気があり、100万円以上で取引されることがある。

クッキーは2007年に加齢にともなう変形性関節症と骨粗相症をわずらい、2009年には容態がさらに悪化したことで、動物園での展示は取りやめられ、園内の非展示場所で大切に看病されていた。その後、2016年に8月27日に息を引き取った。

4.ベニコンゴウインコのポンチョ 93歳(1926年~現在)

【飼い主と90歳の誕生日を祝ったポンチョ】

(via Bedroom Furniture)

メスのベニコンゴウインコであるポンチョは、2000年にイギリスへやってくるまで、ハリウッド映画で活躍していた。たとえば、エース・ベンチュラやエディ・マーフィのドリトル先生、102匹のダルメシアンなど様々なヒット作に出演した。

2000年に引退後は、ペットショップを経営する飼い主の元で穏やかに暮らしているそうだ。

3.キバタンのフレッド 104歳(1914年~現在)

(via ABC)

キバタンはオウムの仲間で、人目を引く黄色い冠羽が特徴的な種。野生ではだいたい40歳頃までしか生きられず、飼育下でも70歳になればかなりの高齢だという。

フレッドはちょうど第一次世界大戦が始まった頃に生まれ、それまで一般家庭のペットとして飼育されていた。だがフレッドがあまりにも長寿なため、約20年前に飼い主に先立たれた。現在はタスマニアのボノロング野生動物保護施設で展示飼育されている。

フレッドは人好きで、来園者にワイヤー越しから木の枝をあげたりしているそうだ。また語彙力も高いらしく、彼のお気に入りのフレーズは、「ハロー、フレッド」、「クラッカーがほしい」とのこと。

2.ルリコンゴウインコのチャーリー 2014年時点で114歳(1899年1月1日~不明)

(via Stillunfold)

チャーリーの飼い主によれば、イギリスの元首相ウィンストン・チャーチルがペットとして飼っていたメスのインコだという。現在はイギリス・サリー州のガーデンセンターにいるそうだ。

1937年頃に飼い主の義父からチャーチルの手に渡り、1965年にチャーチルが亡くなってからは、しかるべき場所に保護されていたという。しかし、チャーチルの家族は一時期ヨウムを飼っていたことはあるものの、このインコを飼ったことは無いと話している。

そのことが明らかになってからは、チャーリーがメディアで報道されることはなくなり、2014年以降に生存確認はされていない。

1.キバタンのコッキー・ベネット 120歳(1796年~1916年5月26日)

【115歳のときのコッキー】

(via Bytes)

コッキーはウイルス性の疾患と老化のため、羽が抜けてクチバシも変形してしまっているが、多くの人に愛された。亡くなった際には南半球最古の新聞シドニー・モーニング・ヘラルドに、訃報記事が掲載されるほどであった。

人間よりもずっと長生きだったコッキーは、飼い主が三度変わっている。最初の飼い主は船長のジョージ・エリスで、彼と共に世界中を旅してまわり、78年間を一緒に過ごした。

【118歳のときのコッキー】

(via Bytes)

船長が87歳で亡くなってからは、彼の甥のジョセフ・ボーデンとその妻サラがコッキーの飼い主となった。そしてジョセフが1889年に亡くなると、サラがコッキーの世話を引き継いだ。

後にサラはホテルの経営者であるチャールズ・ベネットと結婚し、コッキーはこのホテルで暮らし、ホテルの宿泊客とおしゃべりを楽しんだという。そのホテルで20年以上過ごした後、今度はサラの甥マードックが経営する別のホテルへ引っ越した。コッキーは余生をこのホテルで過ごし、亡くなるまでに多くの友達をつくった。

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Posted by uti