死ねるほど過酷。最高難度のスポーツ大会・5つ
一般人には、フルマラソンでさえ完走のハードルは高いが、それをはるかに超える過酷なスポーツイベントが世界中で開催されている。当記事では、様々な分野における世界最高レベルの過酷なイベントをご紹介していこう。
1.サハラマラソン
(via siblingsinthesahara)
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「地球上で最も過酷なレース」とも言われるウルトラマラソン。毎年3~4月頃にアフリカ・モロッコのサハラ砂漠で開催される。その距離は約250kmで、6ステージ6日間をかけて走り切る。これはフルマラソン約6回分だ。
各ステージは10~90kmとなっており、それぞれに制限時間がある。通常は短ければ12時間、長くても34時間以内に各ステージをゴールできなければ脱落である。
(via tent86)
ランナーが直面する困難は普通のフルマラソンの比ではない。昼間は太陽の日差しが焼けつくように強く、気温は50℃近くに達し、ランナーのエネルギーを消耗させる。かと思えば、夜は10℃以下になることもある。そして永遠に続くような砂丘、岩だらけの場所など、かなり足場が悪く、足の負担は相当なものである。
(via tent86)
これらに加えランナーは、競技中に必要な食事を全て自分で用意しなければならない。約6日間分の食料や飲み物、寝袋、炊事道具など必要な物をリュックにつめて(10kgほど)、それを背負いながら走るのだ。ただし水とテントは運営側から提供される。
これまでに2人が競技中に亡くなっており、中には途中でコースを外れ、砂漠の中を10日間さまよったランナーもいた。
2.レース・アクロス・アメリカ(RAAM)
(via Wikimedia )
世界最大の自転車レース「ツール・ド・フランス」のアメリカ版とされているが、こちらのレースのほうが過酷である。毎年コースは変わるものの、アメリカの西海岸から東海岸まで約4800kmの距離を横断する。この距離はタイムトライアルレースとして、世界最長である。
(via BikeRadar)
しかもこのレースには、基本的に休息日が設けられていない。食事も睡眠も自由であり、休憩時間も含めた全ての時間が記録となる。そのため優勝を目指すなら、休みなく走り続けることが求められるのだ。
ソロの部門においては、たいていの優勝者が8~9日で4800kmを走破する。レースの間、自転車に乗っている時間は1日22時間にもなるという。また8人チームの部門ではさらに速く、優勝チームはたいてい5日前後でゴールする。
(via Race Across America)
ツール・ド・フランスが約3500kmを21日かけて走破することと比較すれば、このレースがどれだけ過酷か理解できるだろう。実際にソロレースの参加者のうち、およそ50%が途中でリタイアする。
レース中は、食事や水、自転車修理、医療援助などを行うサポートクルーが常に自動車でレーサーに伴走することになっている。夜になれば、車で明かりを照らし、レーサーの安全を確保することもサポートクルーの重要な役割だ。
(via Wikimedia )
伴走がついていてもレースでは一般道路を走るため、車との衝突など交通事故が絶えない。1982年にレースが開始されてから、2人が車の衝突事故で亡くなっており、この他に少なくとも4件の重体となる事故が発生している。
3.ウルトラトレイル・デュ・モンブラン
(via Wikimedia )
ヨーロッパ最高峰、モンブランのある山岳地帯を走るレースであり、フランスーイタリアースイスにまたがるウルトラマラソンである。その距離は約171km、累積標高差は10040mとなり、エベレストを登山する以上の上り下りとなる。
(via wikipedia)
「世界で最も困難なレース」とも言われることもあり、鍛錬を積んだ資格を持つランナーしか走ることは許されないが、それでも参加者は多く集まっている。実際に2009年には、イベント開催の5ヶ月前に参加予約が始まったが、8分で定員の6000名が埋まった。
(via wikipedia)
ルートの標高変化を見ても分かる通り、最低でも標高1000m以上を走り、高い場所では2500mを超え、アップダウンがかなり激しい。レース中のリタイア者は非常に多く、2016年には42%、2017年には34%が途中退場している。
このコースは一般人なら7~9日を要する。だが完走したランナーの多くが32~46時間以内にゴールしている。これほど早いのは、多くのランナーが、ほぼ夜通しで2日間走り続けているためだ。また優勝候補になると、20時間前半で完走してしまう。
4.イディタロッド・トレイル・インビテーショナル(ITI 1000)
(via Asymetriq Productions)
アラスカの荒野で行われる世界最長のウィンターレースで、1600kmの険しい雪道がコースとなる。参加者は、ランニングあるいはファットバイク、スキーを使ってレースに参加することが認められている。
このレースでは、参加者が-45℃~1℃の気温、激しい暴風雨、吹雪、腰高まで積もった雪などの困難に立ち向かうことになる。しかもこれらは、1日で全て体験しうることだ。
(via iditarodtrailinvitational)
ゴールまでにチェックポイントは7つあり、最低限の食事やテントは用意されているが、それだけでは足りないため、自分で必要なサバイバル用品を持ち運ぶ必要がある。
(via ITI)
レースは2000年に開始されたが、これまでに数十人しか完走できていない。公式サイトによれば、完走者は39人のバイカーと15人のランナー、4人のスキーヤーで、58人のみとなっている。
5.自己超越の3100マイルレース(約5000km)
(via Wikimedia)
このレースは体力はもちろん、強靭な精神力も要求される。
毎年、ニューヨーク市で開かれる「自己超越の3100マイルレース」は、”世界最長のマラソン”であり、52日間以内に4989kmを完走することが求められる。そのため1日あたりでは、平均約95kmを走らなければならない。
このレースに「自己超越」というタイトルが付いてるのは、距離だけでなく、そのコースにも理由がある。ランナーは、高校の敷地周辺(883m)のコースを、5000kmに達するまでひたすら周回し続けるのだ。
(via wikipedia)
このコースは5649周して、ようやく5000kmになる。毎日変わり映えのしない風景を飽きもせず走ることは、自分との戦いであり、それに打ち勝つには強い精神力が必要だ。
大会期間中、ランナーの多くは朝6時に走り始め、昼間中走っている。夜中の12時にはコースが閉鎖されるので、それまでには自分で設定した1日のノルマをクリアして置かなければならない。
現在のところ、このレースの世界記録は、男性で40日と9時間6分、女性で48日14時間24分となっている。
ディスカッション
コメント一覧
過酷な割に多大な賞金が得られるわけではないのかな?
海外にはこういう過酷なイベントが多いね