世界最古のもの・15種
世界最古のものを13種類ご紹介していこう。
1.世界最古の楽器:ギーセンクラスターレのフルート 約4万年前
(via wikimedia)
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およそ5万年前から、人類の文化は急激に発展しだした。人類は同時期に芸術や宝飾品、音楽などを創りはじめ、それらが長い年月をかけて洗練されていった。
研究者らによれば、人類が初めて使った楽器は自らの声であったというが、現存する物理的な楽器としては、ドイツの洞窟で見つかった上記写真のフルートである。
(via wikimedia)
このフルートは、鳥の骨とマンモスの象牙からつくられており、宗教の儀式や娯楽のために使われていたと考えられている。楽器が生み出す音楽は仲間内の結束を強め、人口の増加や居住地の拡大を後押ししたとされている。
2.人類最古の化石:LD 350-1 280万年前~275万年前
(via sci-news)
私たち現生人類と非常に近いホモ属の化石として、エチオピア北東部で見つかった下顎の化石LD 350-1が、世界最古とされている。そのアゴの形態からホモ属に分類されているが、最初期のホモ属であるホモ・ハビリスとは異なる構造をしている。
同じ発掘現場では別属の猿人アウストラロピテクスも見つかっていることから、初期人類へ進化する過程にあった化石ではないかと考えられている。
3.世界最古の硬貨:エレクトロン貨 紀元前670年頃
(via wikimedia)
この硬貨が発行されるまで、物のやりとりは何千年ものあいだ物々交換が主流だった。しかし紀元前670年頃、現在のトルコに位置するリュディアで砂金を溶かしてつくった硬貨が発明され、貨幣による商取引が始まった。
その硬貨は片面がライオンなどの動物、もう片面には偽造防止のための極印が刻まれた。形はいびつだが、重さは全て統一されていた。
硬貨が発明されたことで商取引はより簡単になり活発化した。そしてこのシステムは、別の文明にも広がっていくことになった。
4.世界最古の石器 330万年前
(via smithsonianmag)
これまで石を加工してつくった石器は、人類に極めて近いヒト属だけが使えるものだと思われていた。だが、2011年にケニアの遺跡で発掘されたのは、初期のヒト属が生まれる50万年以上前から、猿人のオーストラロピテクスなどによって石器が使用されていたことを示すものだった。
この石器は単なる石のようにも見えるが、加工痕が残されており、石器の元になる石も見つかっている。おそらく肉を切ったり、木の実を割ったりするのに使われたのだろう。遺跡では同時に、石の加工に用いる鉄床など12品の遺物が発掘されている。
5.世界最古の現存する樹木:メトセラ 紀元前2833年(4851歳)
(via Chao Yen/flickr)
メトセラは、確証が得られた世界最古の単独の樹木である。聖書に登場する人物の中で最も長寿であったメトセラ(享年969歳)から名付けられた。この木はマツの仲間であり、ブリストルコーンパインという種である。
(via obshe)
樹齢は4850年であり、海抜3000mに達するカリフォルニア州のホワイトマウンテンズにひっそりとたたずんでいる。この木のほかにも、樹齢5000年に近い個体がこのエリアには林立しており、そのためこの地域は厳重に保護されている。
6.世界最古のボトルワイン:スパイヤーワインボトル 325~350年
(via wikimedia)
既に1700年近くの月日が経ったにも関わらず、中に入ったワインが失われていない非常に貴重なボトルワインだ。
このワインは1867年に、ドイツ南西部のスパイヤーで古代ローマ時代の貴族の墳墓から発掘された。墳墓の中には、2つの石棺があり、男性と女性の遺体がそれぞれ入っていた。
男性の石棺には10本のワインボトル、女性には6本が入っていたが、中身が残っていたのは写真のワインボトルだけだった。このワインを分析した科学者によれば、既にアルコール分は揮発してしまったが、未だにワイン成分が残っており、腐ってもいないそうだ。ただし美味しいかどうかは、また別の話だ。
7.世界最古の現存する世界地図:イマーゴ・ミュンディ 紀元前600年頃
(via wikimedia)
現在のイラク南部で繁栄したバビロニア人が粘土板に描いた世界地図である。しかし当時のバビロニア人は、地理について詳しくなかったから、バビロニアの周辺以外は空想的なものだった。
この世界地図はバビロニアを中心に、二重円の間が海で、その外側は対岸の陸地になっている。円の内側に書かれたたくさんの小円は、他の有力都市を示している。また粘土板の上部には、くさび形文字で地図の説明が書かれている。
この地図は「世界地図」を意図したものだったが、現実世界と一致しているのはバビロンと周辺都市、周辺地理のみだ。
8.世界最古の現存する橋:アルカディコ橋 紀元前1300年~1200年頃
(via wikimedia)
古代ギリシャのミケーネ時代に建設された橋で、現在も地元住民によって利用されている。長さは22m、幅5.6m、高さ4mでアーチ状の石造りになっており、戦闘馬車の往来を想定してつくられた。
9.世界最古の現存する写真:ル・グラの窓からの眺め 1826年頃
(via Wikimedia )
世界最初の写真を撮影したのは19世紀のフランス人発明家ニセフォール・ニエプスであり、カメラの元祖であるカメラ・オブスクラを使ったものであった。この写真は、彼の住んでいる邸宅ル・グラの窓から撮影している。
10.世界最古の現存する大学:カラウィーイーン大学 859年
(via wikipedia)
もともとはイスラム教のモスクとしてモロッコのフェズに建てられたが、859年に大学として開設された。
世界最古の大学であり、初の学位授与を行った教育機関でもある。この大学はイスラム圏の主要な宗教的かつ教育的な中心地の1つになっており、イスラム神学と法学の教育に重点が置かれている。
11.世界最古の現存するレストラン:シュティフツケラー・ザンクト・ペーター 803年
(via wikipedia)
オーストリアのザルツブルクに位置し、現在も営業しているレストランとしては世界最古である。山の岩盤をくりぬいた岩肌を利用しており、半洞窟のダイニングルームがある。
12.世界最古の沈没船:ウルラ港の沈没船 紀元前2000年
(via io9)
トルコ西部のウルラ港近くで発見された最古の沈没船である。この地域は古代ギリシャの都市クラゾメナイがあったところで、紀元前8世紀ごろに起きた地震により、その一部が水中に沈んでいた。
そのため海中遺跡の探索が頻繁に行われており、これまでに紀元前2世紀後ごろの沈没船が数多く見つかっていた。だが約4000年もの前の船が見つかったのは初めてのことであり、考古学的に重要な意味を持つ発見になりそうだ。
13.世界最古の現存する王冠:ハル・ミシュマールの王冠 紀元前4500年~3600年
(via dailymail)
イスラエルの死海近くにある洞窟で発見された王冠。王冠は金属製で、コンドルと扉が飾り付けられている。洞窟にはこの王冠のほか、400にも及ぶ財宝が眠っていた。その中には王が使うステッキや遺骨の入った骨壷も見つかっている。
これらの財宝は、約12km離れた聖堂の神聖な宝物の一部ではないかと言われているが、詳しいことは分かっていない。しかし偉い人の葬儀など、公式行事の際に使われていたと考えられている。
14.世界最古の現存する靴:フォートロックシューズ 紀元前8970~7700年
世界最古の靴あるいはサンダルは、アメリカのオレゴン州にあるフォートロック洞窟で発見された。低木のヤマヨモギの繊維を編んでつくられており、少なくとも9000年以上前のものだとされている。
洞窟周辺は約1.3万年前から人の居住が確認されており、サンダル以外にもカゴ細工や石器などの遺物が火山灰の中に埋まっていた。この火山灰は、オレゴン州のマザマ山が7500年前に噴火したものだとされている。
15.世界最古の現存するミイラ(人為的):チンチョロのミイラ 紀元前5050年
ミイラといえばエジプトをイメージするかもしれないが、それより2000年以上も前に南米のチリでは、人工的にミイラが製作されていた。
世界初の人為的なミイラをつくったのは、チリの太平洋沿岸に暮らすチンチャロ人であった。世界的には、偉い人の遺体を保存する目的でミイラ化されるのがほとんどであったが、チンチャロ人は驚くべきことに仲間の誰であれ遺体をミイラにした。
それらのミイラは、皮膚や軟組織、内臓を取り除いた後、枝で骨を補強し、体内に草を詰め込み、顔には粘土のマスクをかぶせた。そして干したアシにくるみ、1ヶ月ほど乾燥させてミイラ化した。
どうして全ての人をミイラ化したのかについては、遺体に宿る魂を生かす手助けのため、あるいは人々が遺体で怖がることのないようにするためなど、宗教的な意味合いを持っていた可能性が高い。
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