歴史上最もお金持ちだった人たち・8人

2019年、最もお金持ちの人はアマゾンの経営者ジェフ・ベゾス氏であり、その資産額は11.3兆円。その次はマイクロソフトの創業者であるビル・ゲイツ氏で10.7兆円だ。

驚くべき額であるが、かつてこれよりも遥かに多くの資産を有している人たちがいた。当時の富豪たちの資産額を、現在の貨幣価値に換算して順にご紹介していこう。

1.コーネリアス・ヴァンダービルト(1794~1877年) 18.5兆円

(via wikipedia)

スポンサーリンク

「鉄道王」としても知られるアメリカの実業家であり、彼なしでアメリカの鉄道史を語ることができないほどの人物である。

(via wikipedia)

1隻のボートによる海運業から身を起こし、蒸気船で事業を拡大した後、鉄道事業に進出。そしてアメリカ北東部全域の鉄道網を有したニューヨーク・セントラル鉄道などを支配下に置いた。

2.ヘンリー・フォード(1863~1947年) 20兆円

(via wikimedia)

アメリカの最大手自動車メーカー、フォードの創業者である。彼の偉業は、フォード社の創業だけでなく、自動車生産に革命をもたらしたということである。

フォード社は1913年に、ベルトコンベアを自動車の組立工程に導入し、世界で初めて大規模な流れ作業(ライン生産)を可能にしたのだ。こうして自動車の大量生産ができるようになり、生産コストの革新的な低減が実現された。

【フォード工場の組立ラインで働く従業員(1932年)】

(via Henry ford)

この生産方式によって製造された安価なT型フォードは、これまで車を持つことができなかった中流階級が購買層となり、四輪史上2番目の売上となる世界累計1500万台以上を販売した。これによって、彼は世界有数の富豪に上り詰めたのである。

【1500万台以上製造されたT型フォード】

(via wikipedia)

3.カダフィ大佐(ムアンマル・カダフィ、 1942~2011年) 20兆円

(via wikimedia)

1969~2011年の42年間、リビアの最高指導者として独裁政治を行っていた軍人であり政治家である。

カダフィ大佐は殺害される前に、預金や企業投資、不動産などで20兆円分に達する金額を溜め込んでいたことが明らかにされている。

そのお金の源泉となっていたのは、リビアにあるアフリカ最大の油田であった。彼はこの油田の利益を個人で独占し、国家のインフラに投資することはほとんどなかった。

【アフリカ最大の石油埋蔵国リビア、灰色地域が石油採掘エリア】

(via wikipedia)

これらの莫大な金の所有者は、名目上ではリビア中央銀行や投資庁などの政府機関となっていたが、カダフィ大佐は意のままに引き出すことができた。

4.ヤーコプ・フッガー(1459~1525年) 22.1兆円

(via wikimedia)

15世紀ごろにヨーロッパで最も繁栄した一族の家長であり、金融や貿易、鉱山で大きな富を築いたことで知られる。

【フッガー家の紋章】

(via wikipedia)

彼の富の大部分は、イタリアにおける繊維取引によるものであり、その莫大な富をヨーロッパ随一の名門王家であるハプスブルク家に貸し付け、王室収入の一部を受け取る契約を結んでいた。また同時に、銀や銅などの鉱山操業を開始し、ピーク時にはヨーロッパ全土の銅取引きを支配するほどになった。

5.ウスマーン・アリー・ハーン(1886~1967年) 23兆円

(via wikipedia)

インドにかつて存在したニザーム藩王国の最後の君主であり、世界最大の資産家と言われることもある。1911年に彼の父が亡くなったことで、王位とともに莫大な遺産を受け継いだ。

またウスマーンは王国を世界の最先端都市に発展させるため、大規模なインフラ開発や資源開発を行い、市民の生活水準を向上させる政策を推し進め、それらの利益の一部を資産として蓄えた。

【彼が設立したオスマニア大学】

(via goodfreephotos)

ウスマーンが保有する資産は、ピーク時には23兆円に達し、これは当時のインドにおける歳入の2倍以上であった。彼は21人の妃と28人の子供を持っていた一方で、100億円以上のゴールドと400億円以上の宝石、50台以上のロールス・ロイスを個人所有し、世界最大級のダイヤモンドを文鎮がわりに使っていたといわれている。

6.アンドリュー・カーネギー(1835~1919年) 31兆円

(via wikimedia)

アメリカ最大の製鉄会社USスチールの前身となるカーネギー鉄鋼会社を創業し、「鉄鋼王」とも呼ばれることになったスコットランド出身の実業家。

【寄付で建設された最初のカーネギー図書館(スコットランド)】

(via wikipedia)

彼はここで紹介した人物たちとは異なり、その稼いだお金の大半を慈善活動に使った。その額は資産の90%にもなる。特にその慈善活動の中でも突出していたのは、アメリカ、イギリス、他の英語圏の国々での公共図書館設置であった。それらはカーネギー図書館と呼ばれ、全部で3000ヶ所以上にのぼっている。

7.ジョン・ロックフェラー(1839~1937年) 34兆円

(via wikimedia)

アメリカの名門一族、ロックフェラー家の家長としてよく知られており、近代において史上最大の資産を保有していた実業家であり慈善家である。

彼は1870年に石油会社スタンダード・オイルを創業し、ピーク時にはアメリカの石油の90%をコントロールし独占的に利益を得ていた。しかし独占が行き過ぎたために、米最高裁判所から解体命令が出され、現在のエクソンモービルやシェブロンなど34社に分割された。

【スタンダード・オイル社の製油所(オハイオ州)】

(via wikimedia)

また彼は慈善家でもあり、数多くの大学に多額の寄付を行い、ロックフェラー大学やシカゴ大学の創設に携わった。

8.マンサ・ムーサ(1280~1337年) 40兆円

(via visualizepicture)

かつて西アフリカに存在したマリ帝国の9代目の王であり、1312年から1337年の25年におよぶ王国の支配で、40兆円もの総資産を保有することになった。歴史上最も多い資産を有した人物とされている。

【1375年に描かれたマンサ・ムーサ】

(via wikimedia)

マンサ・ムーサの資産の多くは天然資源からもたらされたものだった。マリ帝国には塩が採れるサハラ砂漠の巨大な鉱床、どこよりも金が採掘できる鉱山が存在した。特に金については、世界の80%をこの王が支配していたとも言われる。

【マンサ・ムーサが金をばらまいた聖地巡礼】

(via Upfront)

この王の富豪ぶりが分かるエピソードとして、1324年の派手なメッカ巡礼が有名である。家臣6万人、奴隷1万2千人以上を引き連れ、10トンを越える黄金をラクダで運び、彼らはメッカへと向かった。そして巡礼の帰途に立ち寄ったエジプトのカイロで、金相場を下落させるほど大量の金をばらまいたとされている。

スポンサーリンク



雑学

Posted by uti