奇跡のサイクロプスな動物たち(一つ目の単眼症)

生まれつき一つしか目を持たない動物は、母親のお腹の中で脳が正常に発達しなかったために発生する奇形だ。発達段階初期の脳は、左右に分離して左脳と右脳を形作るが、単眼動物ではこれが上手く行かずに、ひとかたまりのままになってしまう。

このときに目の分化が起きないため、両目サイズの大きな目が顔の中心に居座る。また鼻の位置が通常と異なったり、全く形成されないこともある。

単眼症は重度の知的・運動障害を持つことが多く、ほとんどは流産になる。たとえ生まれて来ることが出来ても、数時間~数日の命だ。今回は数万分の1とされる珍しい単眼動物たちをご紹介していこう。

1.一つ目のヤギ

(via Beastly)

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2017年にインド北東部のアッサムで生まれた一つ目のヤギは、「奇跡のヤギ」とも言われている。

単眼症の動物は、重度の障害を持つため数日以内に死ぬことがほとんどであるにも関わらず、既に1週間も元気にしているからだ。そのため村人たちは、このヤギを神の使いではないかと考えている。

(via Beastly)

この子ヤギは、まつげとまぶたが無い。完全な耳は一つで、歯はわずかだ。また鼻が極端に短く、アゴも短いので、舌が収まりきらず横に飛び出している。

【一つ目のヤギの動画】

この奇跡のヤギは、多数の地元民を魅了している。中には、隣町からわざわざ歩いて見にくる人もいたという。飼い主のダスさんは、「このヤギが、私の家庭に幸運をもたらすことを信じています」と話している。

こんな一つ目ヤギもいる

(via Elite reader)

こちらもインドの子ヤギで、2019年生まれ。生まれてまもなく母親から捨てられたため、地元の人たちが代わりに世話をしている。

【単眼ヤギの動画】

動画を見ると分かるが、アゴが変形し鼻が無いため、舌を出してあえぐように呼吸している。このヤギも生まれたときから人々の好奇心の的であり、多くの人が見物にやってきたという。また神として信仰の対象になりつつあるそうだ。

2.一つ目のサメ

(via snopes)

2011年にカリフォルニア湾で、ドタブカというサメを漁師が捕まえた。そのサメは妊娠しており、そのお腹の中にいたのがこの胎児であった。このサメ以外にも全部で10匹いたが、他の胎児は正常だった。

【成体のドタブカ。最大で全長4.2m】

(via wikimedia)

哺乳類以外で単眼症の生物が見つかるのは、極めて珍しい。サメの専門家によると、これまでに見つかった単眼症のサメは50匹以下だという。

【全長55cm】

(via snopes)

検死の結果、視覚組織が機能していたことから、物を見ることが出来たかもしれない。だが母親の胎内から生まれてきたとしても、長期間生き延びるのは困難だったと思われる。

3.一つ目のイヌ

(via FM SECUENCIAS)

2020年2月に、タイで一つ目のイヌが生まれ、村人たちから幸運の予兆だともてはやされている。飼い主のソンジャイさんによると、雑種の母親から生まれた2匹の赤ちゃんのうちの1匹だという。

【一緒に生まれた子犬】

(via dailymail)

その姿がミニオンズのキャラのように見えるので、そのキャラにちなんでケビンと名付けられた。ちなみに、額にあるピンク色の出っ張りは不完全な鼻である。

【哺乳びんで授乳している】

(via dailymail)

ケビンの目が正常に機能しているかどうかは、まだ分からない。これは、一般的に犬の目が完全に発達するまで2ヶ月を要するからだ。

今のところ健康そのものらしいが、もう一匹の赤ちゃんと違って、自分から母乳を飲むことが出来ない。そのため哺乳瓶でミルクを与えている。

【ケビンと彼の母親】

(via dailymail)

ソンジャイさんは、多くの友達にケビンを譲ってほしいと言われているそうだ。だが彼は、妻と一緒にケビンを育てていきたいと思っている。

4.一つ目のネコ

(via Taringa!)

サイは、2005年にオレゴン州で生まれた一つ目の、鼻がない子猫である。母猫はラグドールで、一緒に生まれたもう一匹のきょうだいは、正常で健康だという。

飼い主のアレンさんは、この子猫をサイクロプスにちなんで「サイ」と名付けている。生まれてからずっとサイと付添い、スポイトでミルクを与えていたそうだが、たった1日で亡くなってしまったという。

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動物

Posted by uti