あまり知られてないサソリの驚くべき事実(雑学)
サソリの種類や生態など、サソリについてあまり知られていない雑学をご紹介します。
1.世界には、現在知られているだけで1750種類のサソリがいる。そのうち人間を殺せるほどの毒を持つのは、たった25種類
(Wikipedia)
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サソリの毒針で刺されると、痛いことには間違いありませんが、それでも人間が死ぬほどの毒を持つものはほとんどいません。
実際に人間を殺しうるほどのサソリを、以下でご紹介します。
◆人を殺しうるサソリ達
デスストーカー
(Wikimedia)
オブトサソリとも呼び、主に北アフリカから中東の砂漠と低木地帯に生息しています。極めて強い神経毒で、少量でも致死的であり、健康な大人でさえ刺されると死に至ることがあるほどです。
ブラジリアン・イエロースコーピオン
(braziliantoxins)
ブラジルで最も危険とされるサソリです。ブラジルでは、毎年120万人が様々なサソリに刺され、3000人近くが亡くなっていますが、その死亡事故の多くは本種によってもたらされたものです。
アリゾナ・バーク・スコーピオン
(Branson’s Wild World)
アリゾナ、カリフォルニア、メキシコにまたがるソノラ砂漠でよく見られるサソリです。上記2種に比べると、毒は弱い方ですが、それでも手足のけいれんや体のマヒを引き起こすほどの効果があります。
アメリカ大陸では最も恐れられているサソリであり、年間10万件以上、このサソリに刺される事故が発生しています。
ファットテール・スコーピオン
(Wikimedia)
中東、アフリカに生息するサソリで、体長は平均10cmほど。このサソリは攻撃的な上に、非常にすばしっこいため、きわめて危険な種とみなされています。実際にアフリカでは、毎年死亡者が出ています。
刺されると体中にマヒを起こし、未治療なら1時間以内に死亡することもあります。
インディアン・レッドスコーピオン
(wikipedia)
インドを主な生息地としている、体長5~9cmほどのサソリです。本種は「最も致死率の高いサソリ」として知られています。その死亡率は8~40%で、犠牲者のほとんどは子どもです。
上記のサソリに刺されたからといって、必ず死ぬわけではありません。致死率は刺された人の年齢や健康状態、刺された位置、血清の有無などによって大きく変わります。
特に幼児や老人、サソリに対する重篤なアレルギーを持つ人は、致死率が高くなる傾向があります。
2.サソリは世界最古の動物の一種。その歴史はおよそ4億3千万年前までさかのぼり、かつては海に生息していた
(Wikipedia)
初期のサソリは熱帯の海に生息し、現生のサソリのような書肺と呼ばれる呼吸器官を持たないかわりに、エラがあったと考えられています。その一部が上陸し、現在の姿になったとされています。
(wikipedia)
3億6千万年以前に生息していたとされるサソリが、南アフリカで化石として発見されています。
当時の世界は、いくつもの大陸がつなぎ合わさった超大陸「ゴンドワナ大陸」であり、そこには動物がいなかったため、サソリが最初の陸生動物になったと考えられています。
(Wikimedia)
3.サソリの中には、10~15年生きる個体もいる
(HomeAnimals)
サソリの成長は、他の昆虫よりも比較的遅く、成長しきるまで1~6年ほどかかります。たいていのサソリの寿命は3~8年ほどですが、一部には10~15年と極めて寿命の長い個体もいます。
特にペットとして飼われているサソリは寿命が長く、25年近く生きたという報告も上がっています。
4.サソリは適応能力に優れた動物で、南極大陸を除いた全ての大陸に生息している
(quizly)
サソリは、乾燥した砂漠や湿度の高い熱帯雨林、浜辺、そして山頂や家屋内などあらゆるところを住処にしています。
これまでに最も高い場所で見つかったのは、ヒラタサソリの一種で、ペルーの標高4910mの高山地帯で発見されています。
5.日本にいるサソリは2種類だけ
日本のサソリは、ペットを除けば沖縄や宮古島などの熱帯地方にしかいません。以下に日本のサソリをご紹介します。
◆日本のサソリ
ヤエヤマサソリ
(istorya)
大きいように見えますが、体長は3cmほどで、人が刺されても害は無いとされています。生息域はかなり広く、沖縄を始めとして東南アジアやオーストラリアなどの熱帯地域で見られます。この種はサソリの中でも、オスと交尾することなく繁殖できるかなり珍しい種です。
マダラサソリ
(daintreerainforest)
こちらはヤエヤマサソリよりも大きく、体長は4.5~6cmほどになります。体の規則的なまだら模様が本種の特徴です。本種は熱帯地域ならどこにでも生息しており、人が住む場所にも現れることがあります。
毒はヤエヤマサソリより強いですが、刺されても少し腫れて痛いくらいで、死んでしまうことはまずありません。
6.サソリは、エサを食べなくても1年近く生きられる
(RepticZone)
サソリは食べ物が不足してくると、自らの代謝速度を低下させる能力を備えています。これに加えて、一度に大量のエサを摂取できるおかげで、1年もの間エサなしで生きられます。
実際に1回の食事で体重の1/3程度を食べることがあり、摂取した食べ物を栄養にして体の中に貯めておくことができます。
一度に食べる量が多いため、ほとんどのサソリは年間5~50回しか食事をしません。
7.最も小さいサソリは、キョクトウサソリの一種でたった10mmほどしかない
(scorpion-files)
最も小さいサソリは、Microtityus minimusという学名で、現在のところ和名はついてないようです。2014年にドミニカ共和国の山間で発見された新種で、成体のオスでも体長は10mmより大きくなりません。
8.最も大きいサソリの種類は、ダイオウサソリ。体長は20cmを超える
(Flickr/ snakecollector)
西アフリカのサバンナや熱帯雨林に生息しているサソリです。真っ黒な体と大きなハサミが特徴的で、そのかっこよさから、サソリの中では最もペットとしての人気が高くなっています。
ダイオウサソリは、人が刺されても少し腫れる程度で完治するので、それほど強い毒を持っていません。本種はめったに毒針を使うことはなく、使うのはもっぱら外敵に襲われそうになったときだけです。
むしろ、その大きなハサミの方が脅威となりえます。このハサミに指を挟まれると、出血はまず避けられないでしょう。
9.サソリは2~5組の目を持つが、視力は弱い。その代わり、振動や臭いを感知して獲物の位置を特定できる
(Dan Simon Macrophotography)
サソリは頭のてっぺんに複数個の目がついていますが、ぼやけたような映像しか見ることができません。ですが、真ん中にある目は動物界で最も光の感度が高いとされています。
これは、夜行性のサソリが星の明かりだけで移動できるように進化したためではないかと考えられています。
目が悪い代わりに、体中にはきわめて敏感な感覚毛があり、これで臭いや振動を感じることができます。
(Flickr/AdaptaLux)
10.サソリをブラックライトに当てると光る
(Flickr/nate bolt)
どんなサソリでも紫外線の照射を受けると、蛍光を発することが知られています。ブラックライトだけでなく、月の光でもわずかに光ります。
ただし、赤ちゃんの頃は、体の表面に蛍光物質をまとっていないため光りません。脱皮を繰り返していくうちに発光しだすようになります。またこの発光は、サソリの年齢が高いほど強くなる傾向があります。
光る理由は現在のところ分かっていませんが、以下の理由が挙げられています。
・サソリがお互いを見つけあうため
・獲物と間違われないようにするため
・太陽光からサソリ自身の体を保護するため
11.サソリは、常に食べ物を液状にして摂取する
(list25)
サソリは捕らえた獲物の体内に消化液を注入し、肉や内臓を溶かして液状になったものを食します。これは体外消化と呼ばれ、サソリ以外にも、クモやゲンゴロウ、カメムシなどが行っている食事方法です。
12.サソリは、放射線を反射できる。そのため、核攻撃が人類を絶滅させたとしても、サソリが生き残る可能性は高い
(Wikimedia)
サソリはゴキブリと同様に、放射線に対して強い耐性を持っています。人間が浴びると即座に死亡するような放射線量を受けても、へっちゃらです。
また急激な寒さにも強く、一度凍りつくくらい寒くなったとしても、暖かくなれば息を吹き返して活発に動き出すことができます。
13.一部の国では、サソリが薬として利用されている。薬になるサソリはとても高価で、8万円/gを超える
(Parhlo)
パキスタンでは製薬の際に、サソリが使われています。その値段は40gの個体で1万円。これまでに、60gのサソリに対して500万円の値がついたこともあります。
またサソリの毒は、モルヒネのように痛みを和らげる副作用があるため、1g100万円以上で取引されることがあります。
14.中国の山東省では、サソリのフライが伝統料理になっている
(Weird News Files)
中国の露店では、サソリを串に刺して揚げた料理が並んでいます。毒針は付いたままですが、熱を加えると毒は消えるので問題ありません。
サソリの串揚げはお菓子代わりになり、栄養豊富で体にも良いため、好んで食べる人も数多くいます。
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