食用されている驚くべき寄生生物(寄生虫ほか)
見た目は恐ろしいが、実は美味しく食べられる寄生生物を3種ご紹介していこう。
1.トウモロコシ黒穂病菌
(via Roberto FDPioCoach)
これは、トウモロコシに寄生した黒穂病菌の子実体(キノコ)である。どう見ても食べられそうにないし、カビが生えているようでかなり気持ち悪い。
(via .wikimedia)
だが実際には美味であり、ちゃんとキノコの味がする。メキシコでは「ウイトラコチェ」という名前の珍味として食され、非寄生のトウモロコシよりも高く売られている。
また海外では『メキシコのトリュフ』と称されることがあるくらいだ。
(via .wikimedia)
このキノコは大きくなると乾燥してしまうため、未熟なうちに収穫される。トウモロコシの穂に感染させてから2~3週間後に採取したものは、キノコのようで、甘くて香ばしく、木のような、土のような風味がある。
(via .wikimedia)
このキノコは、栄養面でも優れている。体内で必要だが製造できない重要なアミノ酸であるリジンを豊富に含む。
また、コレステロールを減らすβグルテンがオートミールよりも多く、タンパク質含有量があらゆるキノコ科の中でも上位に入る。
(via .Roberto FDPioCoach)
メキシコでは、トウモロコシ料理のサコタッシュの材料として、あるいはオムレツやタコスに加えられる。
(via .tzinr)
2.トナカイヒフバエの幼虫
(via .American Museum of Natural History)
人間が意図的に寄生虫を食べる例は、おそらくトナカイヒフバエぐらいだろう。このハエは、トナカイの皮膚に卵を産み付け、皮、肉、乳に害を与えることが知られている。
(via .polarlife)
卵が孵化して幼虫が生まれると、トナカイの皮膚を突き破り、成虫になる準備が出来るまでトナカイの肉を食い荒らす。一頭のトナカイの皮下には、2000匹もの幼虫が潜んでいることがあるという。
(via .nationalgeographic)
このウジ虫を食べていたのが、アラスカの先住民であるヌナミウトであった。先住民のヌナミウトは、トナカイの皮をはぐ時に口に入れ、生のまま食した。味は”ミルク”のようだという。
3.灰色かび病菌(ボトリティス・シネレア)
(via .wikimedia)
様々な作物を腐らせて駄目にする病原菌であるものの、『貴腐ワイン』として知られる高級ワインを作るためには欠かせないものである。
(via .wikimedia)
貴腐ワインは、あえて白ワイン用の品種にこの病原菌を感染させる。
(via .VideoProFrance)
感染した菌は果皮を溶かして、果汁の水分を蒸発させることで、エキス分が凝集して飴色になる。そしてハチミツのようなとろりとした甘みが出てくる。また菌の代謝により、果実は貴腐香と呼ばれる独特の香りを持つようになる。
(via .wikipedia)
このブドウで造った貴腐ワインは、そのしぼんで腐ったブドウの外見からは想像できないほどの芳香と風味を持つ。かつてルイ14世は「ワインの王にして王のワイン」と絶賛した。
(via .wikipedia)
またマリー・アントワネットの母は、黄金色に輝く貴腐ワインに金が含まれているのではないかと思い、ウィーン大学で分析させたとの逸話も残っている。
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コメント一覧
最後の、見た目はやばいけど、ワインになるとすげぇ透き通っている。
おえーーー