竹の驚くべき事実(豆知識集)
竹に関するあまり知られていない雑学をご紹介していこう。全11個。
1.竹は世界最速で大きくなる
(via Public Domain Pictures)
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竹は「世界一成長するのが早い植物」と言われ、一部の種では24時間で91cmも伸びる。1時間にすると4cm、90秒毎に1mm大きくなるのだ。竹にうっかり帽子を掛けたまま1日放置すると、取ることができなくなる場合さえある。
2. 40m以上の高さになることがある
(via bambooweb)
竹は背丈10m以上になることは珍しくないが、その中でも東南アジア固有のゾウタケは非常に大きくなる。その高さは通常で30m以上に達し、最も大きなインドの個体は高さ42mに達している。そして茎の太さは直径35cmにもなった。
(via bclagge)
インドではこの巨大な竹が橋の建設材として人気であり、住宅の骨組み、コンクリートの補強材、はしごの材料にも使用されている。
3.竹の伸びるスピードを利用して、串刺し刑が行われていた
(via wikipedia)
タケノコが生えた地面に犠牲者を拘束するシンプルな拷問である。成長速度の早いタケノコは、数日内に犠牲者の皮膚に突き刺さり、穴を開け、最終的には犠牲者の体を貫いてしまう。この拷問は、かつてスリランカで行われていたとされる。
非現実的な拷問であるため、実際には実現不可能な方法ではないかと言われていた。しかし2008年の調査で、人間の皮膚を模したゼラチンを用いて実験したところ、竹は3日で数十cmのゼラチンを突き抜け、この拷問が実行可能であることを示した。
4.竹が無ければ、トーマス・エジソンの白熱電球は生まれなかった
(via Abdpvtltd)
偉大な発明家として知られるトーマス・エジソンは、白熱電球を商用化し、家庭に明かりを普及させた。彼が最初に発明した白熱電球こそ、炭化した竹のフィラメントを用いたものだった。竹のフィラメントは非常に長寿命で、1200時間以上光り続けることができた。
1880年には、日本の竹を使った白熱電球の大量生産が開始され、広く家庭で使われるようになった。
5.鉄より強度がある場合も(特に引張り強度)
(via maxpixel)
竹は縦方向のひっぱりに非常に強く、その強さは鉄の1.2倍になる。そのため東南アジアなどでは、古くから建設資材としての利用が盛んである。
また細工が用意で木材には無い弾力性もあることから、弓や釣り竿など、強靭さとバネ性を必要とする道具の素材にも使われてきた。日本では鉄が不足したWWⅡの頃、鉄筋コンクリートの代わりに竹筋コンクリートが用いられていた。
ただし横方向の力には弱く、その方向の力がかかると竹は割れやすくなる。また、建設材としての寿命が30~35年で、吸水性や可燃性があるなど、欠点も存在する。
6.竹は天然の抗菌材
(via wikipedia)
天然の抗菌材である竹の繊維は、衣服用途に最適である。抗菌性の高さから雑菌が繁殖しにくく、汗をかいても臭いが発生しにくい。衣服のほか、臭いの付きやすいおむつやシーツ、タオルに、竹繊維を使用した製品も発売されている。
7.竹は、他の植物より酸素をたくさん作ってくれる
(via Picryl)
成長が世界最速であるうえに、広葉樹に比べて30~35%酸素を多く作り出すことができる。1本の竹で成人が1日に必要な酸素量の約80%がまかなえる。(成人が1日に必要とする酸素量は約850g)
また東京ドーム1個分の敷地に竹が並べば、1年間で約130トンもの二酸化炭素を吸収できる。これは、成人356人分の年間排出量に匹敵する。
竹はこのようにして二酸化炭素の増加を抑制して地球温暖化を遅らせるだけでなく、地面を幅広く覆う頑丈な地下茎で、土壌の崩壊も防いでくれる。
8.竹は最高の再生可能資源
(via wikipedia)
一般的な樹木に比べ、とても成長が早く、植えてから1~5年で収穫できる。もしこれがナラのような樹木なら、収穫可能になるまで数十年とかかる。またそれを伐採すれば、森林破壊によって気候変動を引き起こす大きな要因となる。
一方で竹は刈り取っても、地下に茎が残っているため、別の場所に新芽が生えてくる。
9.お酒作りに使うと、素晴らしい効果が得られる
(via thorny devil beer)
中国の一部地域では、お酒の熟成にオーク樽ではなく、竹を使っている。竹を用いると、竹由来の樹液や抗酸化物質のフラボンなどがお酒に溶け込んで、独特の味わいと体に良い栄養成分が加わる。
竹の樹液は、古くから薬として用いられており、肺に良いと言われている。また健康によいビタミンやミネラルもより多く含むようになる。
10.竹の花は40~130年に一回しか咲かない。咲いた後は全ての竹が枯れる
(via wikimedia)
竹のように、花が咲くまでにこれほど年月のかかる植物は、かなり珍しい。しかも一斉に開花して、一斉に枯れる。竹の花がつける実は、「竹の米」とも呼ばれ、ネズミの大好物である。
(via wikimedia)
竹の開花時は、あたり一面がこの実で覆われるため、ネズミが大量発生し、他の作物を食い荒らし、農業に壊滅的な被害を与えることがある。そのため竹の花が咲くと、悪いことが起きる前兆だと考えられるようになった。
11.紙が発明される前は、竹で本が作られていた(竹簡)
(via wikipedia)
中国では紙が発明・普及するまで、竹に筆で字を書くのが一般的だった。細長く切断した竹の札に書いたものは、紐でつなぎ合わされ、一つの本になった。
(via wikipedia)
このような竹の札は、中国で紀元前5世紀頃から使われ始め、紙が普及する漢王朝(紀元前206年~220年)の時代まで頻繁に使われていた。
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