人類史上最悪な22の病気(感染症ほか)
今回は、歴史を通じて人類に大きな影響を与えた致死的な病気をご紹介します。
1.天然痘
(出典:wikipedia)
かつて不治の病と恐れられていた病気だった。一度この感染症にかかると、体中がぶつぶつで覆われる。そして呼吸不全になり、最悪の場合死に至る。治癒したとしても、体のぶつぶつは消えず、一生それに悩まされることになる。
これまでに推計5億人以上が、この感染症で亡くなったとされている。しかし、18世紀後半に天然痘ワクチンが発明され、それが世界的に広がったことで、1980年以降は天然痘の患者は一人も出ていない。完全に根絶されたのである。
現在では、天然痘ウイルスは自然界に存在しないとさえ言われており、人類が初めて自らの手で根絶したウイルスとなった。
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2.コレラ
(出典:todaygh)
コレラは、感染者の糞便やおう吐物に汚染された水や食物を通じて感染する。他の一般的な感染症と異なり、人以外には感染しない。
コレラ菌は、人の小腸で爆発的に増殖し、コレラ毒素を生産する。この毒素は、猛烈な下痢と嘔吐をもたらし、急激な脱水症状によって死に至らしめる。アジア型と呼ばれるコレラの感染では、未治療の場合、死亡率が75~80%にもなる。
世界では、毎年500万人がこの感染症にかかり、10万人以上が命を落としている。その犠牲者の多くが、アフリカの発展途上国の子どもたちである。
3.黄熱病
(出典:caoluongduong)
アフリカと中南米だけで見られる感染症で、メスの蚊に刺されることが原因でかかる。熱や寒気、食欲不振、筋肉痛、頭痛などの症状が見られ、通常5日間以内に良くなる。
しかし、重症化した場合、数日後に再熱する。腹痛も起こり、肝臓の損傷により体中が黄色に染まる。これが黄熱病と呼ばれるゆえんである。
予防ワクチンは存在するが、アフリカの感染地域では普及していない所もある。一旦感染してしまうと治療は難しくなることが多く、重症化後では未治療の場合、致死率が50%近くになる。
毎年およそ20万人が感染し、3万人が命を落としている。黄熱病感染者のうち、90%はアフリカに住む人々である。
4.結核
(出典:techtimes)
現在でもエイズに次いで死者の多い感染症であり、2014年には940万人の患者が発症し、そのうち150万人が死亡している。
感染は、結核患者のせき、くしゃみ、つばなどを通じて起こる。感染しても、たいていの場合は発症することは無いが、免疫力が弱まっている場合は別である。
症状は、慢性的なせき(血痰を伴うことも)、倦怠感、食欲不振、体重減少などが長期間に渡って続く。最悪の場合、呼吸困難に陥って死に至る。治療は内服薬で行われ、初期の段階では完治可能である。
5.インフルエンザ
(出典:pixnio.com)
インフルとも言われる。インフルエンザは、結核のように空気を通じて、あるいは手から直接口にウイルスが移動することで感染する。1918年に大流行し、感染者5億人、死者1億人を出したスペインかぜもインフルエンザの一種である。
多くの場合、ウイルスは石けんによって死滅するため、頻繁に手洗いをすることが、感染のリスクを減らすことになる。
6.肺がん
(出典:dfwsaver)
肺がんで亡くなる男性は、癌の中で最も多い。女性でも、乳がんに次ぐ。2012年においては、世界で160万人が肺がんにかかり、140万人が亡くなった。肺がんと診断される人のほとんどは70歳を超えるお年寄りである。
医療技術の進んだアメリカにおいても、肺がんと診断されてからの5年生存率は17%と高くはない。その原因は、多くの場合取り返しがつかないレベルまで発見されないことにある。
癌の初期段階で気づくことができれば完治可能だが、血痰や喘息などの自覚症状が現れた時には、ほぼ手遅れになっている。
7.下痢
(出典:24sos)
発展途上国においては、死因として最も一般的であり、幼児の死因としては2番目に多い。原因は様々で、ウイルス、 寄生虫、食中毒などがある。世界では毎年17~50億人が発症し、100万人以上が亡くなっている。
8.周産期合併症
(出典:pixabay)
毎年、妊娠・出産による合併症で、およそ50万人の女性が亡くなっている。合併症には、妊娠時の感染症、出産時の出血多量、分娩停止などがある。そして母体死亡の90%は、アジアとアフリカの発展途上国が占めている。
9.百日ぜき
(出典:wikipedia)
人から人へ、百日ぜき菌が空気感染することでかかる感染症。せきが止まって完治するまで、最低でも100日(約3ヶ月)かかることから、このように名付けられた。
重症化すると、肺炎を発症して、呼吸困難に陥り、死に至る。年齢によらず感染する病気だが、死亡例のほとんどが6ヶ月未満の乳児である。
世界の患者数は年間およそ1600万人で、20万人ほどが毎年亡くなっている。現在では、ワクチンを事前に摂取することで、百日ぜきは予防可能である。しかし、予防接種が受けられない発展途上国では、現在でも大きな問題となっている。
10.エボラ出血熱
(出典:ja.wikipedia)
コンゴのエボラ川周辺で、発病者が現れたことから、エボラと名付けられた感染症。
初期症状は風邪に類似しており、進行すると体中から出血して死亡するために、エボラ出血熱と言われている。一度感染してしまうと、発症後の致死率は50~80%と非常に高く、例え命が助かったとしても、重い障害が残ることも多い。
空気感染はせず、人や動物の血液、体液に触れることで感染する。現在のところ、エボラ出血熱に有効な医薬品は存在していない。
11.破傷風
(出典:movie)
土中に生息する破傷風菌がもたらす、非常に痛みの伴う感染症。主に傷口から菌が体内に侵入することで感染する。2013年には5万9千人が亡くなっている。
初期の症状は、肩のこりや舌のもつれなどから始まる。進行すると、筋肉の強い痙攣によって、激しい痛みを伴いながら体中の骨が折れ始める。そして最悪の場合には脊椎骨折などによって呼吸困難に陥り、死に至る。
感染後の死亡率は50%ほどと高いが、事前のワクチン摂取によって予防することが可能である。
12.慢性閉塞性肺疾患
(出典:rtve)
タバコが原因で起こる病気で、COPDと略されることが多い。
症状としては、肺の中にある肺胞が破壊されることで、息切れ、痰が増加する。重症化すると、呼吸困難に陥って死に至る。
世界で毎年300万人がこの病気で亡くなっており、世界における死因の6%を占める。WHOによると、2030年までにCOPDは世界3位の死因になるであろうと予測されている。
13.虚血性心疾患
(出典:slideshare)
心臓への血流が阻害されることで起こる病気の総称。
心筋梗塞や狭心症等がこの病気に含まれる。一般的な症状は、胸痛、肩や首、背中の痛みであり、重症になると心筋が壊死して意識不明となり、死亡する。
虚血性心疾患による死亡者数は、世界的に見ても死因トップであり、年間800万人を超える死亡者が出ている。これは年間死亡者総数の16.8%に当たる。
14.髄膜炎
(出典:prudialchopp.com)
脳やセキズイを保護している膜が炎症を起こす病気である。
2013年には30万人がこの感染症で亡くなっている。主な原因は、ウイルスや細菌による感染によるものであるが、薬品によって引き起こされることもある。
細菌が原因で発症した髄膜炎の死亡率は、未治療の場合、ほぼ100%である。適切な治療が行われたとしても、死亡率は20%近くに達する。
症状としては、高熱や意識混濁などを伴った頭痛、うなじ部分が硬直化して曲がらなくなる項部硬直、嘔吐などが見られる。
15.梅毒
(出典:wikipedia)
毎年600万人以上の症例が新しく報告され、10万人以上が亡くなっている性感染症。症例の90%は発展途上国の患者である。
梅毒にかかると、初期症状は、感染部にウミが現れることである。治療を怠れば、発熱とともに全体に赤色の発疹が多発する。そして最終段階になると、多くの臓器に腫瘍が発生し、死亡する。
この病気は、初期段階で治療すれば完治可能であるが、十分な医療設備が整っていない地域では、未だ死亡率が高い。
16.脳血管疾患
(出典:bitupitaatividades)
脳の血管が障害を受ける病気の総称で、脳出血や脳梗塞(脳に血液が届かずに脳組織が壊死する病気)などがある。
年間4000万人近くが脳血管疾患を発症し、600万人ほどが亡くなっている。この病気は発展途上国ではあまり見られず、先進諸国に集中している。その原因は、先進諸国の高齢化によるものであり、発症する人の多くが65歳以上のお年寄りであるためだ。
17.ペスト
(出典:wikipedia)
げっ歯類やノミからペスト菌が感染することで、発症する伝染病。発症すると、皮膚が黒くなることから、黒死病とも呼ばれている。
これまでに幾度となく世界的に流行し、特に14世紀の大流行は、世界人口の1/3を失わせるほどだった。当時、4億5000万人いたのが、3億5000万人まで急減したのである。
また、ペストは生物兵器としても使われていた。1300年代のモンゴルでは、感染者の死体をカタパルトで敵陣に射出し、敵に感染させる方法がとられていた。現在ではペストの治療法が確立されており、死に至る病ではなくなっている。
18.SARS
(出典:wikipedia)
SARSコロナウイルスによって引き起こされる感染症。2002~2003年に中国で大流行し、8069人が感染し、775人が死亡した。
風邪と似た症状で、発熱、せき、呼吸困難が見られる。2016年現在、その後の感染例はひとつも報告されていない。
19.ハンセン病
(出典:wikipedia)
らい菌が感染することで発症し、身体中に特徴的な発疹が多発することで知られる感染症。死ぬことは稀であるが、この外見上の特徴からひどい差別や隔離が起きていた。
感染者だとわかると、隔離された島に閉じ込められ、一生を過ごさなければならないこともあった。現在でも、年間20万人近くの新規患者が出ているが、治療法が確立されているため、完治可能である。
20.はしか
(出典:arepmf)
進行すると、体中に真っ赤な発疹が現れる、はしかウイルスによる感染症。
症状は風邪と似ているが、脳炎や肺炎などの合併症を引き起こすことが多く、重症化することもある。また、伝染力が非常に強く、感染者のせき、くしゃみなどで容易に感染するため流行が起きやすい。
ただし、はしかワクチンでの予防が可能であり、一度免疫を獲得すると、ほとんどかかることは無くなる。
年間2000万人がこの感染症を発症し、10万人近くが亡くなっている。そのほとんどは、アフリカ、アジアの発展途上国である。
21.エイズ
(出典:wikipedia)
HIV(ヒト免疫不全ウイルス)が感染することで、発症する性感染症である。
ウイルスは、病気から人体を保護する免疫機能を破壊するため、免疫力を極端に減退させる。その結果、重篤な病気にかかりやすくなり、多くの場合、感染症やがんで命を落とす。
未治療での平均生存期間は約11年で、治療によっては最大40年になる。
HIVウイルスの発見から2014年までに、世界では既に3900万人が亡くなっている。2014年のHIV感染者は3690万人、死亡者は120万人となっている。
22.マラリア
(出典:sowetanlive)
世界で最も感染者数が多い病気である。その数は年間2億人に達し、毎年50万人近くが死亡している。死亡者の9割は、アフリカに住む人々である。
マラリアは、ハマダラカに刺されることで感染する。初期症状は風邪に似ており、熱、倦怠感、おう吐、頭痛などが見られる。重症化すると、体色が黄色に染まり、昏睡状態に陥って死に至る。
現在のところ、ワクチンは開発中であり、感染しないためには刺されないようにすることが重要である。
ディスカッション
コメント一覧
なんか…怖い…
絶対なりたくない
狂犬病が無い
こんな病気より怖いのは双極性障害とアルコール依存症のダブルパンチ。1人苦しむならまだいいが周囲に迷惑をかけ、そして一生完治しない。
狂犬病とか分母が小さ過ぎるよ
障害に依存症が危険とか言い出したら核兵器最強で終わりでしょ
福島原発の影響がどれほどヤバいか考えもしなくなった今の日本じゃそんな小さいことしか思いつかないかな?
23. 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
今はコロナが怖い
全部怖すぎるけどマラリアが一番怖い
新型コロナも歴史に残るくらい最悪な病気だよね