世界最高レベルの猛毒キノコ・7種
世界には、食べると死ぬレベルの猛毒キノコが約70~80種存在する。その中でも、特に強い毒を持つ致死性キノコを7種ご紹介していこう。
1.タマゴテングダケ
(via wikipedia)
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キノコ中毒による死亡事故では最も被害が多いとされており、その毒はたったキノコ半分で大人一人が死ぬ致死量に達する。北アメリカでは毎年少なくとも1人が、このキノコの毒で亡くなっている。
生育地はヨーロッパを中心とするが、広葉樹の根元ならどこにでも生える。日本では北海道に自生する。
この毒キノコは、他の食用キノコと間違えられることが多い。たとえばシイタケに次ぐ生産量で、世界三大キノコの一つであるフクロタケと似ている。
(via wikipedia)
含まれる毒は、遅効性で熱に強いアマトキシンという成分である。症状が出るのは摂取から6~12時間以内で、最初は激しい下痢や嘔吐、腹痛である。その後、一旦それらの症状は収まり、治ったように見える。
だが、キノコの毒素は肝臓や腎臓を密かにむしばんでおり、それらの細胞が破壊されて肝炎症状などを引き起こし、死に至る。このような肝炎症状が現れた場合、致死率は50%以上になるという。
この毒キノコには解毒剤が存在しない。そのため摂取してから時間が経っていた場合、症状を軽減するための対症療法が治療の中心となる。
また毒素によって破壊された肝臓は元に戻らないため、損傷がひどい場合には肝移植を必要とする。実際に2017年には、このキノコを誤食して死にかけた人が、肝移植で助かった事例もある。
2.コツバイチメガサ
(via wikipedia)
長さ3cmほどの小さなキノコだが、非常に強い毒を持つ。世界中に分布し、アメリカの太平洋岸北西部で最もありふれた種となっている。
その毒は、1番で紹介したタマゴテングダケと同じアマトキシンである。誤食すれば死に至る可能性が高い。よく間違われるのが、シロシベ・キアネセンスという幻覚作用を持つ食用キノコである。このキノコの幻覚成分は水溶性なので、湯がくと安全に食べられる。
(via wikimedia)
もし食用キノコと間違って食べると、摂取後6~24時間で激しい下痢や嘔吐などに襲われる。そして肝臓や腎臓の細胞を破壊され、腎不全などで死に至ることがある。
3.ドクフウセンタケ&ジンガサドクフウセンタケ
(via wikimedia)
どちらもオレラニンという猛毒が含まれるキノコである。ドクフウセンタケはポーランドなどヨーロッパに、ジンガサは北半球の亜高山地帯に広く分布する。山梨県の八ヶ岳でも見つかっている。
誤って食べた場合、すぐには症状が出ないので食中毒だと気づかないことが多い。最初の症状が現れるのは早くて2~3日後で、長ければ3週間かかる。
しかもその症状は頭痛や吐き気、筋肉痛、腹痛などであり、インフルエンザと似ている。その後、キノコの毒素によって腎臓が破壊され、腎不全を起こす。未治療なら死亡する。
特にジンガサは、アンズタケなどによく間違われる。2008年にはイギリスで、アンズタケと勘違いして食べた4人全員が腎不全を起こし、腎移植を受けている。
(via wikimedia)
ドクフウセンタケの中毒事故は、1957年にポーランドで起きた集団食中毒が有名だ。102名がこのキノコを食べて中毒症状を起こし、11人が亡くなった。
4.ヒメアジロガサ
(via wikimedia)
朽木に生える毒キノコで、日本を含む北半球に広く自生している。見た目が茶色で美味しそうに見えるが、猛毒のアマトキシンを含有している。タマゴテングダケなどと同様に腹痛、下痢などの症状が出てから、腎不全になる。未治療ならたいてい7日以内に死亡する。
このキノコは、食用のエノキタケやナラタケなどと混同されやすい。いづれも朽木に発生するので、採取するさいには細心の注意が必要である。
(via wikimedia)
5.ドクツルタケ
(via wikimedia)
ヨーロッパと北アメリカでよく見られる猛毒キノコ。タマゴテングダケと共に、毒キノコによる中毒死の圧倒的過半数を占める。その理由は、キノコ半分ほどの摂取で死亡する猛毒を持つことに加え、食用のマッシュルームやハラタケに似ているためだ。
(via wikipedia)
このキノコの毒は、タマゴテングタケと同じアマトキシンである。5~24時間後に吐き気や精神錯乱、けいれん、下痢を引き起こし、肝臓と腎臓が破壊され、死に至る。
6.カエンタケ
(via NattyBumppo)
危険そうな見た目の通り、猛毒のキノコである。日本や中国に分布しており、広葉樹の周辺に生えている。これまでの毒キノコと異なり、即効性の毒を持つ。最短10分で激烈な症状が現れ、死亡率が非常に高い。
(via wikimedia)
日本での中毒事故が多く、1999年には新潟県で酒に漬けたカエンタケ1gを飲んで2日後に死亡した事例がある。その翌年には、群馬県でフライにしたカエンタケを食べた人物が亡くなっている。
いかにも食用できない見た目にもかかわらず、中毒者が出ているのは、これと似た食用キノコがあるからだ。それはベニナギナタタケであり、サラダやマリネ等に彩りを加える食材となる。
(via wikimedia)
カエンタケの致死量は約3gであり、摂取後すぐに腹痛や嘔吐、下痢などの症状が現れる。その後めまいや手足のしびれ、小脳の収縮による言語障害、顔の皮膚の剥落、脱毛、呼吸困難、腎不全、肝不全など様々な症状を呈し、死亡する。
またカエンタケには、その汁にも毒性があるので、触っただけでも皮膚炎を起こすことがある。
7.レピオタ・ブルニオインカナタ(Lepiota brunneoincarnata)
(via wikimedia)
ヨーロッパに分布するキノコで、日本では見られない。毒は他の猛毒キノコに比べれば弱いが、100gほどの摂取で重大な肝臓の損傷が引き起こされ、死に至ることがある。
2002年にスペインで1人、2010年にチュニジアで4人が亡くなっており、様々な地域において食中毒が発生している。キノコ好きが食べるシバフタケと形が似ており、同じ草地で見つかるので誤って食べてしまう人がいる。またフランスでは、クマシメジと勘違いして採集し、中毒になった家族もいる。
(via wikimedia)
参考;britannica
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