恐ろしくも魅惑的な世界の深い穴(深さランキング)
今回は見れば見るほど不思議で、吸い込まれそうになる様々な種類の穴をご紹介します。紹介する順序は浅い穴からで、全部で13種あります。
13.地獄の門 深さ30m
(via hongkiat)
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地獄の門は、天然ガスが湧き続けているガス田で、現在も延々と燃え続けています。トルクメニスタンに位置するカラクム砂漠のど真ん中にあり、周囲には約350人が生活しています。
ポーリング調査で地面が崩壊して出来た
石油がここに埋蔵されているということが、かなり昔から分かっていたため、1971年に地質調査が行われました。このときに落盤事故が発生し、幅69m、深さは30mもの陥没穴が出来てしまったのです。
(via lovethesepics)
その後、穴から放出されていたメタンガスが町まで広がることを恐れ、点火したところ、延々と湧き出るガスにより火が止まらなくなって現在に至っています。
12.チャンド・バオリ 深さ30m
(via metiviergallery)
インド北西部のジャイプル市から近いところにある階段井戸です。西暦800~900年ごろに建てられました。
この井戸は貯水用で、モンスーンの時期に得られた雨を次の乾季に向けてためておけるように作られています。
13階建てで、階段の総数は3500、深さは30mあり、インド一大きな階段井戸として知られています。
11.グローリーホール 深さ92m
(via Solo listas)
グローリーホールは、カリフォルニア州のベリエッサ湖にあるダム内の排水口です。洪水の際、ダムの安全を確保するために利用されている放流設備で、余水吐き(よすいばき)と呼ばれています。
グローリーホールは余水吐きとしては世界最大で、直径22m、最大で毎秒140万リットルもの水を放流することができます。
この湖で泳ぐことは非常に危険であり、1997年には大学院生がこのホールに飲み込まれ、溺れ死んでいます。ただし乾季になると水が少なくなるため、ここへスケートボードをしに訪れる人もいます。
(via Reddit)
10.グレート・ブルーホール 深さ125m
(via wikimedia)
中央アメリカのベリーズ海岸から約70km離れた場所にある海底の陥没穴。穴は円形をしており、周囲は300m、深さは125mあります。
陥没穴に澄み切った水をたたえ、穴の周囲には美しいサンゴ礁と無数の海洋生物が住んでいます。その美しさを求めて、多くのダイバー達が訪れています。
(via Vimeo)
ここは数万年前からある穴
この海底穴は数万年前の氷河期に形成されたと考えられています。その頃は現在よりも穴のサイズが小さく、海の水位がかなり低かったため、穴には水が満たされていませんでした。
氷河期が終わり、氷が溶けて水位が上昇すると、穴は徐々に海水で満たされていきました。そのときに水の自重によって穴が崩壊し、現在のような大きな陥没穴になったと考えられています。
(via Newsner)
9.ディーンズ・ブルーホール 深さ202m
(via Amusing Planet)
現在世界で2番目に深い海の穴で、直径25~35m、深さは202mにもなります。
内部はさらに広い洞窟となっており、最大で直径100mに達します。
(via Google map)
ここは、1万5千年以上前に石灰岩の地形が雨で侵食されて作られたと考えられています。その当時はグレートブルーホールと同様に、海水が穴に満たされていませんでした。
氷河期の終わりとともに、海水の水位が上昇して現在のような姿になったとされています。
(via amusingplanet)
8.ビッグホール 深さ215m
(via wikipedia)
南アフリカのキンバリーにあるダイヤモンド鉱山です。手掘りの鉱山としては世界最大で、幅は463m、深さは215mあります。
(via centralkimberleydiamonds)
1871年から掘削が始まり、最盛期には5万人がいちどきに働いていました。1914年に閉山するまで、およそ2700kgのダイヤモンド、価値にして数千億円近くが産出されています。
現在は、地下水が穴に40mほどたまっており、見かけ上の深さは175mになっています。
7.ダイアヴィク鉱山 深さ250m以上
(via The Northern Miner)
カナダ北部のノースウエスト準州にあるダイヤモンド鉱山です。カナダ最大のダイヤ鉱山で、1000人以上がここで働き、毎年700万カラットのダイヤ(1400kg)が産出されています。
また、この鉱山は人里離れた場所にあるため、交通手段は専用の空港か、冬には閉ざされてしまうアイスロードしかありません。
(via mining)
2つの穴があり、そのうちひとつの穴は、最深部が200m以上になると推定されています。
6.ドラゴンホール 深さ300.89m
(via mnn)
現在のところ世界で最も深い海の穴です。2015年にその深さが計測され、かつて1位だったディーンズ・ブルーホールの記録を100mほど更新して世界一となりました。
(via wikimedia)
(via Google map)
ホールの上層部には約20種類の魚が住んでいますが、水深100m以下ではほぼ無酸素のため、生命体はほとんど見られません。
5.フラニツェ・アビス 深さ404m以上
(via slapalek)
世界で最も深い水中洞くつと言われており、下記の図のように経路が分岐し最大深度は400m以上とされています。
(via Phys)
調査は水深404mまで行われていますが、その深度でもまだ水底についておらず、実際の水深は800~1200mになるのではないかと考えられています。
(via The Guardian)
4.ミール鉱山 深さ525m
(via Imgur)
人口3万人を抱える町の中心部にあるダイヤモンド鉱山で、シベリアの奥地に立地しています。
現在、露天掘り自体は閉業済みですが、地下に坑道を掘り進めており、そこでダイヤの採掘が行われています。直径は1200m、深さは525mあり、世界最大級の鉱山として知られています。
最盛期には、年間1000万カラット(2000kg)のダイヤを産出し、600億円以上の利益を出していました。ミール鉱山の露天掘り坑は、1957年から約50年間の操業を経て、2004年に閉業しました。
3.レッドレイク(湖) 深さ530m
(via Cro Terra)
クロアチア南東部のイモツキ市にほど近い巨大陥没湖。
湖の周囲は、酸化鉄を大量に含んだ赤い石灰岩の絶壁となっており、この赤色の絶壁にちなんでレッドレイクと名付けられました。
湖面から崖の頂上までが241m、湖面から湖底までは最大深さ290mほどあります。
(via wikimedia)
また、ここの湖には絶滅の危険性が高いコイの一種が住んでいることでも知られています。
(via Ittiofauna)
2.バークリー・ピット 深さ540m
(via wikipedia)
(via PitWatch)
バークリー・ピットは、アメリカ北部のモンタナ州にある銅鉱山でした。1955年に操業を開始し、1982年に閉業されるまで10億トンもの銅を産出しました。
現在、鉱山は地下から湧き出た水によって満たされており、この汚染水が周囲の環境に悪影響を与えるとして大きな問題になっています。
鉱山水はpH2.5(レモン水ぐらい)に達しており、ヒ素や銅、鉄、硫酸(硫黄)、亜鉛などの危険な物質を多量に含んでいるのです。
また、鉱山の水は1ヶ月に約30cmの割合で増水しており、このまま行けば2020年ごろには、近くの川に汚染水が混入し始めると予測されています。
(via wikimedia)
現在、この汚染水を処理するための施設が建設され、水質基準をクリアする値まで下げられた後に排出処理が行われています。
1.ビンガム・キャニオン鉱山 深さ970m
(via Salt Lake City Tours)
人工の鉱山としては世界最大で、幅4km、深さは970m、面積は東京ドーム165個分(770ha)に及びます。
アメリカ・ユタ州のソルトレイクシティに位置し、ここでは毎年数千万トンの銅が産出されています。アメリカでは2番目の産出量で、銅の他にも銀や金も大量に採掘されている世界でも数少ない生産力の高い鉱山です。
世界で最も深い穴について
世界で最も深い穴は、ロシア北西部にあるコラ半島超深度掘削坑で、深度は12,262mあります。これは当時のソ連が地球の地殻調査のために掘削したものです。現在は放棄され、手付かずの状態です。
(via wikimedia)
その他にも原油の採掘を行う油井(ゆせい)には、深さが1万mを超えるものが多く存在しています。
ちなみに、最も長い穴はサハリンⅠと呼ばれる油田で、総延長12,376mあります。ただし、これは横方向(水平)の長さを含めたもので、深さではコラ半島のものが世界最深です。
※深さ数百mの穴でも、この一覧に入れていないものがありますのでご了承ください。
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