驚くべきカメの雑学15個(リクガメ&ウミガメほか)
1.リクガメとミズガメは簡単に見分けられる
(via Gailhampshire/flickr/Public Domain Pictures)
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陸に住む「リクガメ」と水の中に住む「ミズガメ(淡水の水生ガメ)」では、足とコウラに大きな違いがあります。ミズガメの足は水かきがありヒレ状で、爪の長い種が多いです。またコウラはリクガメよりも平べったく、体全体が水の抵抗を減らすために滑らかな流線型になっています。
(via ted)
リクガメは、コウラがごつごつとして丸っこいのが特徴です。またゾウのような足で、重量感があることが多いです。
※ただしコウラの形には一部例外があり、陸に住むカメでもパンケーキガメのようにコウラが薄い種などもいます。
(via Seawayblog/Wikimedia)
2.カメのコウラには血が流れていて、感覚があり、傷つけば出血もする
(via Reddit)
カメのコウラは、背骨と肋骨が変形してできたものです。上側のコウラと下側のコウラは、約50個の骨から成っています。
コウラはカメの体の一部であり、そこには神経もきちんと入っています。もちろん血液も流れていて、コウラが深く傷ついた場合は血も流れますし、痛みもあります。
なので、マリオのゲームに出てくるノコノコのように、コウラだけを脱がすことは出来ません。コウラを脱がせることは、人で言えば、肋骨と背骨だけ取り出すような行為なので、間違いなく死んでしまいます。
3.カメの祖先は、恐竜が出現した時代と同じくらい昔に現れた
(via wikimedia)
カメの祖先は、恐竜の誕生したおよそ2億5千万年前に現れたと考えられています。その祖先はオドントケリスと呼ばれており、中国南西部の貴州省で約2億2千年前の地層から化石が発見されています。
(via wikimedia)
オドントケリスは、現生のカメと見た目は似ていましたが、大きな違いがありました。その違いは、まず歯があることです。現生のカメには歯がありません。その代わりに鳥のように口の周りが固いクチバシとなっており、これでかたい食べ物を噛みつぶすことができます。
そして二つめに、背中に固いコウラを持っていなかったことです。お腹側にはコウラはあったので、下からの攻撃に対しては対処することができました。陸に住んでいれば背中にコウラが必要になりますが、海でなら水面近くを泳ぐので、お腹のコウラだけである程度身を守れます。
こうしてカメは進化を続け、約6500万年前には恐竜も絶滅しましたが、それを乗り越え、姿形を変えて現在まで生き残っているのです。
4.現在生きているカメで最も大きい種はオサガメ
(via Reddit)
ウミガメの一種である本種は、全長が1.83~2.2m、体重は250~700kgに達する世界最大のカメです。コウラの大きさだけでも1.5m近くあります。
オサガメの中で最も大きいのは、イギリスのハーレックビーチで1988年に発見された個体です↓
(via naturalresources)
体重は916kg、コウラの大きさは256.5cmありました。残念ながら、このオサガメは魚アミにひっかかったことでおぼれ、発見されたときには既に亡くなっていました。
5.オサガメの口の中はおそろしい
(via Imgur)
オサガメの主食はクラゲです。数mになる非常に大きなクラゲから、小さなものまであらゆるクラゲを食べます。この口の中にあるトゲは後ろ方向に向いており、一度かみついたクラゲを逃しません。
オサガメはとても大きいので、たくさんのクラゲを食べなければなりません。しかもクラゲは9割以上が水で、栄養もないため、普通のエサに比べて、より一層食べる必要があります。そのエサの量は1日で450kgにもなります。
クラゲを効率よく摂取するために最適化した結果、オサガメはこの恐ろしいトゲを持つようになったのです。
6.オサガメは水深1200mより深いところまでもぐる優れた潜水士であり、世界最速のハ虫類でもある
(via Imarpe)
オサガメはクラゲを求めて、最高で水深1280mまでもぐった記録が残っています。潜水時間は70分近くに達し、最高速度は35.28 km/hです。これはハ虫類の中で最も速いとされています。
普通のウミガメなら深海までもぐると寒い上に、水圧が強すぎて死んでしまいます。しかしオサガメは、コウラがゴムのように柔らかいおかげで、体にかかる水圧を逃がすことができます。
また、オサガメの内臓と骨には、大量の油が含まれています。この油は水よりもずっと冷めにくいため、冷たい場所でも体温が下がりにくくなるのです。
7.オサガメは年間1万6千㎞以上を移動する
(via blogqpot)
オサガメは1日たりとも休むこと無く移動し続けています。毎日数百kgのエサが必要なので、同じ場所で食べていれば、エサがなくなってしまうからです。
8.史上最も大きなカメは、現在2種あげられている
(via wikimedia)
ウミガメとしては最も大きく、史上最大のカメとも言われているのが、アーケロンです。足ヒレを含めた横幅は4.9m、縦の長さは4m以上になります。体重は2200kg以上で、コウラは現在のオサガメのように柔らかかったと推測されています。
アーケロンは7500万年前に生きていましたが、おそらく6500万年前に恐竜とともに絶滅したのではないかと考えられています。
(via CendolGan)
500万~600万年前のブラジルなど南アメリカに実在した川や湖に住むミズガメです。こちらもアーケロンと同じく、全長は4m以上に達したと推測されています。
8.ウミガメには、自分の故郷がある
(via wikimedia)
ウミガメは産卵の時期になると、自分の産まれた砂浜に戻ってきます。ウミガメの多くは数千~数万㎞移動するにもかかわらず、自分が生まれた場所を忘れることがないのです。
一体どうやって彼らが生まれ故郷に戻ってきているかについては、はっきりと分かっていません。しかしハ虫類学の研究者によれば、彼らは海の流れや地球が生じる磁場(地磁気)、水質などたくさんの手がかりから、自らのホームにたどりつくことができるといいます。
9.ウミガメのタマゴは、ピンポン玉にそっくり
(via Hacienda Baru)
ウミガメのタマゴは、鳥のような細長い球状ではなく、ほぼ完璧に近い球の形をしています。2~3年おきに、このタマゴを50~200個産みます。そして数ヶ月後に小さな子ガメたちが産まれるのです。
10.千匹産まれても、子どもが産めるまで育つのはたった1匹
(via US National Park Service)
カメの一生は波乱に満ちています。タマゴからふ化する前におよそ1割が、キツネなどに食べられて現世から脱落します。タマゴがふ化すると、カメの赤ちゃんは海に向かいますが、たどり着けずに力つきたり、途中で食べられたりすることもあります。
そして海にたどり着いたとしても、待っているのは危険ばかりです。赤ちゃんの頃は、多くの魚や鳥が敵になります。その中で繁殖できる大きさまで成長するのは、たった1000匹に1匹で、これは奇跡のような確率です。
11.オスのウミガメは一生海の中で過ごす
(via Pixabay)
メスはタマゴを産むために自分が産まれた砂浜に戻ってきますが、オスはタマゴからふ化して海に一度出たら、まず戻ってきません。これに加えて、私達の住む場所からはうんと離れた遠い海に住む個体が多いため、ウミガメの生息数を推定することはかなり難しいとされています。
12.ウミガメは泣く
(via Pete O’Shea)
ウミガメは産卵の時に目から涙を流します。これを目撃した人は「母ガメが赤ちゃんとのお別れを悲しく思っている」とか、「出産が辛くて泣いている」などと思ってしまうようですが、カメは悲しくて泣いているわけではありません。
ウミガメは、この涙で余計な塩分を排出しているのです。ウミガメの腎臓は、人間のように効率が良くないため、たくさん飲んだ海水を尿として排出できません。
体内の塩分バランスを調節しないと病気になってしまうので、ウミガメは尿以外にも、涙として大量の塩分を外に出すのです。ウミガメにとって、この泣くという行為はとても重要で、陸上だけでなく海の中でも行っています。
13.カメの性別は温度で決まる
(via wikimedia)
タマゴのふ化温度によって、カメの性別は決定されます。たとえばミドリガメの場合、31℃前後でメスになります。一方で27℃前後ではオスになることが分かっています。ウミガメも同様で温度が高ければメスで、低ければオスになります。
このように性別が決定されるのは、カメだけではなくハ虫類で多く、ワニ全般にも同じことがいえます。
14.カメにも耳がある
(via Totally Tortoise)
カメの耳は人間のような形をしていません。目の後ろの部分に、直接鼓膜がはりついています。耳は一応あるものの、聴力はかなり悪いようです。
人間の耳は20~20,000Hzの音を聞くことができますが、カメは50~1500Hzしか聞こえません。それゆえ、カメは高い音が聞こえていません。捕食者が忍び寄る時の足音、すなわち低い音だけを聴いているのです。
15.最も長生きしたカメは255歳まで生きている
(via Nzz)
カメの中で最も長生きした個体は、アルダブラゾウガメのアドワイチャで、1750年に産まれて2006年3月まで生きたとされています。年齢は255歳であり、この歳まで生きた動物は他にはいません。
アドワイチャは、イギリスの軍人で英領インドを築いたロバート・クライブ(1725~1774年)のペットとして過ごした後、1875年にインド・コルカタのアリープル動物園に引き取られました。
アドワイチャの体重は250kgで、平均的なアルダブラゾウガメと変わりませんでした。子どもは残していません。2006年3月に亡くなるまで、動物園の囲いの中で過ごしていました。
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