残酷な4つの実験
1.脳埋め込みチップ、スティモシーバー
(via medicina interna)
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生理学者のホセ・デルガードは、遠隔操作ができる脳の埋込みチップを発明したことで知られる。チップの大きさは千円札の半分くらいで、リモコンからラジオ波を受け取って脳に微弱な電流を流すことができた。
(via lanutrega)
デルガードはこのスティモシーバーを用いて、人間の感情を引き出すだけではなく、特定の動作をさせることに成功した。例えば被験者の四肢を動かしたり、こぶしを握らせたりすることを、脳の運動皮質に刺激を与えることで可能としたのだ。チップを埋め込まれた被験者は、この刺激が自分の意思よりも強いため、抗うことは困難だったと話している。
彼の実験で最も有名なのが、闘牛の脳にスティモシーバーを埋め込み、リモコンで自由に操作するというものだった。彼は実際に、闘牛の突進をリモコンだけで止めて見せたのである。この実験は大々的に報道され、「脳を外部からコントロールすることで、動物を思いのままに操ることが出来る」と話題になった。
2.精神病の治療に、体の一部を切り取る
(via All That’s Interesting)
精神病院の医師であったヘンリー・コットンは、あらゆる精神病が未治療の感染症によって引き起こされると信じていた。
そのため彼は、病原体の住処だと考えていた患者の歯を引き抜いた。それでも患者の精神病が治らなければ、喉にある扁桃体を感染源だとみなし、それを切除した。
これらの治療が功を奏さなければ、次は睾丸、卵巣、胆のう、胃、脾臓、結腸などの臓器を次々に切除していった。コットン医師はこの治療の治癒率を85％という異常に高い数値で報告していたが、それは彼の捏造によるものであった。
彼は手術後に亡くなった49％の患者を「末期の精神病」であったとして、手術の失敗例としてカウントしていなかった。しかし実際には、手術によって命を奪ったに等しかった。
3.神聖ローマ皇帝による言語剥奪実験
(via wikipedia)
1220～1250年のローマ皇帝として君臨したフリードリヒ2世は、科学の名のもとに数々の残酷な実験を行ったことで知られる。そのひとつとして、小さな穴だけが開いたタルの中に人間を閉じ込めて放置し、その穴を通して人間の魂が抜け出すかを調べさせた実験がある。
だがフリードリヒの最も悪名高い実験は、「神の言語」を探求するものであった。フリードリヒは、産まれたばかりの新生児2人を同じ部屋に隔離し、他の人間との交流をさせずに育てさせた。
新生児たちが発声できるようになって二人で会話し始めたとき、彼らの話した言語こそが「神がアダムとイブに与えた言語」であると、フリードリヒは考えたのだ。
だが二人の子供は、ひとつの言葉も交わすことなく、二歳を迎える前にどちらも亡くなった。
4.性別転換実験
(via Rebel Circus)
性科学者のジョン・マネーは、「性別を自己認識する要因は、遺伝子によるものではなく、環境によるものである」という説の強力な支持者だった。
彼はその説を証明するため、物心のつかない生後22ヶ月の男の子、ブルース・レイマーに睾丸摘出手術を行い、女性として生きることを強いた。
ブルースは生後8ヶ月の頃に、割礼中の医療ミスで陰茎の大部分を失っていた。両親がその医療ミスに悩んでいた当時、マネーは「ブルースを女性として育てることが、彼の将来のためになる」と説得した。マネーは自らの理論を裏付けるために、格好の実験材料を手に入れようとしたのだ。
しかもブルースには、一卵性双生児の弟がいた。これは、マネーの人体実験にとって最高の比較材料となった。
ブルースは睾丸を切除された後、女性としての名前ブレンダを与えられ、女性と認識させるための心理的治療や女性ホルモンの投与を受けさせられた。そしてマネーは、ブルースを女性として生きさせるための教育方針を両親に指導した。
(via Rebel Circus)
だがこの実験は、性別が環境によるものだというマネーの理論を裏付けることにはならなかった。彼の診察にもかかわらず、ブルースは一度も女の子だと思うことはなかったのだ。ブルースは女の子っぽいことをするのが大嫌いだった。
14歳になったときブルースは、父親から出生時は男であったこと、陰茎を失ったことなど、真実を聞かされた。その話を聞いて、彼はすぐに男性に戻ることを決心した。
後にブルースは、乳房切除と陰茎再生手術を受け、女性と結婚もしたが、弟の自殺と結婚の破綻、失職が重なり、彼も自らの命を絶った。