金ではない。世界で最も高価な金属(ランキング)
世界一価値のある金属といえば、金やプラチナを思い浮かべるかもしれないが、実はそれより何千倍も高価な金属が存在する。その価値の高さは、たとえばその金属の希少さや性質、製造の難度などの要素がからんでくる。
価格順に、グラムあたりの値段が高い金属を10位からご紹介していこう。
10位.ルテニウム 約170円/g
(via Metalle-W)
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プラチナの仲間で、固くてもろい銀白色をした貴金属。酸やアルカリに強く、融点は2500℃で熱にも強い。この金属は1844年にロシアの化学者クラウスによって発見され、ロシアの地名に因んで名付けられた。
年間の採掘量はたった12トンで、金の200分の1以下である。しかも残りの埋蔵量は5000トンほどしかないとされ、きわめて希少。
・用途
(via zak zak)
主な用途は、電子部品の材料である。たとえば、チップ抵抗器や電気接点材料に使われている。また塩素の製造に使う電極のコーティングや、アンモニアや酢酸を製造する触媒、太陽電池の材料にも用いられる。さらに、宝石としての価値も高い。
9位.レニウム 約1100円/g
(via GrrlScientis)
あらゆる元素の中で3番目に融点が高く(3186℃)、地球の地殻に10億分の1(ppb)の割合でしか存在しない希少金属である。年間の採掘量は50トンほどで、全体の埋蔵量は残り6000トンほどだとされている。採掘の多くはチリで行われており、生産量の半分を占める。
・用途
(via Pixabay)
熱耐久性が極めて高いことから、飛行機部品として最も重要である。具体的にレニウム・ニッケル合金にしてジェットエンジンのタービンブレード、燃焼室の材料としている。
二番目に重要な用途は触媒で、様々な化合物への水素付与に用いられる。
8位.スカンジウム 約1300円/g
(via wikipedia)
銀色の柔らかい金属で、空気中に出すとサビてすぐに黄色っぽくなる。スカンジウムはスカンジナビア半島からとった名前で、これは1879年にこの元素を発見した分析学者ラース・ニルソンがスウェーデン出身だったからだ。
スカンジウムは、希少金属の中で最も埋蔵量が多いとされているが、世界で採掘しているのは数ヶ所の鉱山だけである。その理由は、ほとんどのスカンジウムが濃縮されることなくまばらに分散しており、ごく限られた場所でしか濃縮スカンジウムが見つからないためだ。
・用途
(via wikipedia)
用途としてよく知られているのが、ナイターなどで使われるメタルハライドランプという照明である。スカンジウムを使うと、太陽光のように強い光をつくりだせる。
その応用は未だ研究途上であり、これからの新素材として期待が高まっている。アルミウム並みに低い密度と非常に高い融点であることから合金として戦闘機の材料、ハイエンドな自転車のフレーム、野球のバットなどに用途が拡大しつつある。
7位.イリジウム 2200円/g
(via Wikimedia )
プラチナの仲間で、固くて熱に強く、すり切れにくい金属である。プラチナを鉱石から取り出す製造工程の副産物として得られる。
イリジウムの生産量は年間たった3~4トンにしかならない。地球の地殻には10億分の1の割合でしか含まれていないが、地球内部のマントルにはこれよりはるかに多い量が存在するとされる。
・用途
(via wikimedia)
最も一般的なのは、その耐熱性の高さを利用した耐熱容器(るつぼ)である。このるつぼは、LEDの原料となる人工サファイアの製造に不可欠なものになっている。
また飛行機や自動車のエンジンの点火プラグ、高級万年筆のペン先、宝飾品としても使われる。
6位.パラジウム 約3300円/g
(via Laughing Squid)
こちらもプラチナの仲間で、サビにくく銀白色の輝きがいつまでも続く美しい金属。採掘量は2017年の調査で約200トン近くに上り、これまでに紹介した金属よりもずっと量が多い。
・用途
(via Wikimedia )
パラジウムは自動車の部品として、必要不可欠な金属である。全生産量の半分が、排気ガス浄化用の触媒に用いられているのだ。自動車から排気される有毒なガスの90%を、無害なガスに変換してくれる。
また銀歯に使われたり、プラチナリングにも混ぜられていたりする。
5位.金 約5000円/g
(via Wikimedia )
最も価値のある金属だと思われているが、値段の点から言えばそうではない。金はこれまでに紹介した金属よりも希少性は低く、埋蔵量は17万トン以上あると見積もられており、年間の生産量は2500~3000トンで希少金属の中で一番多いとされる。
・用途
(via Pixabay)
貨幣用の金として世界各国の政府が保有している量は、2万トン以上におよび、それらは全て金塊として存在する。また宝石や様々な装飾品として使われることが多い。
4位.プラチナ 約7700円/g
(via Wikipedia)
美しい銀色の光沢を放つ金属であり、金と同様にその美しさは長い期間を経ても損なわれることがない。また金以上に熱に強く、酸をかけても変質することがない。
金よりもはるかに貴重であり、年間の採掘量は200トンほどで金の10分の1以下だ。しかもその埋蔵場所は限られており、南アフリカが生産量の80%を占めている。
・用途
(via Blue Nile)
永遠の美しさを有するプラチナは、結婚指輪などの宝飾品として使われることがよく知られている。だが一番重要な用途は、車の排気ガスを浄化する触媒としてだ。生産されたプラチナの50%はこの触媒に使われている。
3位.ロジウム 2.5万円/g
(via wikimedia)
銀白色の光沢を放つロジウムは、プラチナの仲間で似通った性質を持っている。また採掘されるときもプラチナの鉱石と一緒に見つかる。だが年間の産出量は30トンほどで、プラチナよりも1桁少ない。
・用途
(via wikimedia)
生産されたロジウムの80%は、プラチナやパラジウム、ロジウムと同様に車の排気ガスを浄化する触媒として使用されている。またロジウムは美しい輝きがあり、さびにくいことから、宝飾品やサーチライトなどのコーティングにも用いられる。
2位.オスミウム-187 約2200万円/g
(via Ferroalloy Import)
オスミウムはプラチナの仲間で、特にこの187は、オスミウムの中でも約2%しか存在しない。きわめて製造が困難で、純度の高いものを得るまで9ヶ月ほどの期間を要するという。
・用途
科学研究ににおいて重要であり、化学反応の触媒や高精度の測定装置の製造に用いられる。
1位.カリホルニウム-252 約7.2億円/g
(via Elements4Kids )
カリホルニウムは人工では存在しない金属であり、キュリウムに放射線をぶつけてつくられている。カリホルニウムは放射性元素であり、特に数あるカリホルニウムの中でも252はより多くの中性子線を放出し、極めて危険な金属だ。だがこの中性子線には、後で紹介するように、様々な用途があり実用的。
年間の製造量は30~40μgで、1951年に初めて発見されてから、たった8gしかつくられていない。
・用途
(via Peretz Partensky)
カリホルニウム252は、原子力発電所の原子炉で使う中性子線源である。年間数十μgしかつくられないが、原子炉で使う252の必要量は、数マイクログラムで足りる。
またレントゲンのように、物体を破壊することなくその中身を調べる非破壊検査に利用されている。たとえば空港の荷物検査や石油中に含まれる硫黄分の分析、鉱石に含まれる金や銀の量の分析に使える。
※価格は以下を参考にした
ecstasycoffee
ディスカッション
コメント一覧
カリホルニウムは人工では存在しない→自然界に存在しない
は?どういうこと人工に存在しないはつくれないだけであって、自然界にはそんざいするよ。
写真みた?
カリホルニウムは人工的に作らないと自然には存在してないぞ
値段が高いのは作るのに大規模な設備が必要だからだ
あるよ