史上最悪レベルの刑務所・5か所

2019年5月1日

囚人に対する待遇があまりにも非人間的で、悪名高い刑務所をご紹介していこう。※現在、閉鎖・一時閉鎖中の刑務所も含む。

1.サンテ刑務所(フランス、パリ)

【中央の建物がサンテ刑務所】

(via wikipedia)

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パリの中心にあるサンテ刑務所は、あまりにも劣悪な環境のため、1999年~2003年に200人以上の囚人が自殺した。彼らは殺そ剤やさびたフォーク、排水管クリーナーを飲み込んで自ら命を絶ったのである。

囚人たちの間では強者が弱者を奴隷化して虐待し、また刑務所職員による性的暴行が日常的に行われていた。

【1867年に開業、1400室の独房】

(via Pierre Lumbroso)

衛生環境も極めて悪く、週に2回しか入浴を許されなかった。湿度の高さと空調の悪さから皮ふ病を発した囚人もいた。また粗暴な囚人は密閉された独房に押し込まれ、そこで催涙ガスを浴びせられたという。

2000年に刑務所の惨状を暴露した本が出版されると、フランス国内で社会問題となった。2014年以降は建物の改修のため、一時的に刑務所は閉鎖されることになった。

2.オグネニー・オストロフ(ロシア)

(via Wikimapia)

湖内の小島に建つ隔絶された刑務所である。島の周囲はカモメが飛び交い、湖には魚が豊富で、木々が揺らめく波に反射して美しく、残酷な刑務所があるとは思えない場所だ。

元々この刑務所は、1517年に修道院として建設されたのだが、それから400年後の1917年以降は終身刑の受刑者を収容する施設に変えられた。

【橋で本土につながっている】

(via Beyond Bars )

既に紹介したサンテ刑務所のように、暴行・強姦・麻薬取引などの悪行は全く行われていないが、ここでは屈強な受刑者でさえ精神が崩壊する非人間的な待遇を受ける。

受刑者たちは、2人用の狭くて明かりのない監房に22.5時間閉じ込められることになるのだ。残りの1.5時間は、外の小さなオリに入れられ、何もできない。つまり受刑者たちは、隔離によって完全に自由を奪われ、精神的な拷問を受けさせられる。

(via Pixabay)

それに加え、服役10年目までは1年に2回しか面会は許されない。10年経てば少し自由が増えるものの、そのころには家族と疎遠になっていることが多い。

建物内では、本の利用も暖房も禁止されていた。それにトイレがないので、受刑者同士でおまるを共有しなければならなかった。このような自由がはく奪された環境では、多くの受刑者が精神に異常をきたした。また衛生環境の悪さゆえ、受刑者の半分が肺結核に感染していたこともあった。

3.サバネタ刑務所(ベネズエラ)

(via dp0a)

ベネズエラが殺人発生率で世界第2位であることを考慮に入れれば、ここが暴力的な刑務所だったと言われても驚かないかもしれない。サバネタ刑務所は殺人などの凶悪犯が収容されていた上に、700名の定員に3700名の囚人がぎゅうぎゅう詰めにされていた。

もちろん想像通りに、刑務所は不潔で過密で放任状態だった。囚人と看守の割合は150:1であり、秩序を維持することは困難で、実質的に囚人の中にいたギャングが、暴力で刑務所を支配していた。

(via All That’s Interesting)

ギャングによって階級制度が形成されていたため、低い地位の囚人は眠る場所を確保するのでさえ、ギャングに気に入られるよう振る舞わなければならなかった。

このような劣悪な環境に置かれた囚人たちは、暴動をたびたび起こした。1994年には囚人のグループが放火し、炎から逃げようとした別の囚人を刺殺あるいは銃殺していった。この暴動によって150人以上が亡くなった。またギャング同士の争いにより、首や手足が切断されるなど残虐な殺人事件が所内で起きている。

(via Jornal)

これらの暴動が続いたため、50年以上にわたって運営されていた刑務所は、2013年に閉鎖されることになった。現在は有名な大量虐殺の場所であるとともに、腐敗した刑務所システムの例として市民に紹介するため、博物館として生まれ変わるプランが立てられている。

4.ギタラマ刑務所(ルワンダ)

(via AirFreshener)

1995年当時、ここは「世界で最も過密な刑務所」と言われていた。サッカー場くらいの広さしかなく、本来なら400人しか収容できないところで、囚人の数は7000人に上っていた。

【恐ろしいほどに過密な刑務所内の動画】

ここに閉じ込められた囚人たちは、1994年に80万人近くのツチ族を殺害した「ルワンダ虐殺」に関わった殺人犯だ。一人当たり畳1/4のスペースも無いため、日昼夜立ち続けることを余儀なくされたり、睡眠をとるにも互いの体を折り重ねなければならなかったりする。

(via talepost)

また囚人はお風呂も入れない衛生環境の悪さの中、土足で歩き周るため、足にばい菌が入りやすく、囚人全体の40%以上が足に壊疽を起こしていた。

【全体の40%以上に足の壊疽が起きていた】

(via ap)

極刑に値する囚人であっても人権侵害は許されないが、この劣悪な状態のまま長期間放置され、結果として1000人以上が獄中死した。中には食糧不足のせいで、亡くなった遺体を食べたという者も現れた。

5.ディヤルバクル刑務所(トルコ)

(via hurriyetdailynews)

1980年にトルコ南東のディヤルバクルに建てられたこの刑務所は、恐ろしい拷問の歴史があった。軍事クーデターの影響で労働党が違法となり、この刑務所に収容されたディヤルバクル市長のマハディ・ザナ氏が語った話では、新しい囚人は過酷な洗礼を受けるという。

実際に体験したマハディ氏は、20人の看守に囲まれてむち打ちにされ、意識を失いかけたところで引きずられ、糞便のたまった浴槽に数時間強制的に入れられた。

日常的に殴る蹴るは当たり前だった。ある時には裸にされた囚人が、手を縛り付けられて体を吊るされ、性器に電線を巻かれて火傷痕が残るまで電気を流された。

また睡眠・水分・食べ物を一定期間奪った後、裸にしてジャーマンシェパードに性器を噛ませる拷問、健康な歯を抜く拷問、直腸に異物を挿入し、その挿入物をほかの囚人になめさせる拷問、腐ったネズミを食べさせられる拷問など、あらゆる残忍な手法で囚人たちは苦痛を受けていた。

これらの拷問などにより、たった数年で299人の囚人が亡くなった。そのうち43人は獄中での自殺、16人は脱獄の途中で銃殺された。

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雑学

Posted by uti