死刑になった動物たち5種(動物裁判ほか)
中世ヨーロッパなどでは、人間に危害を加えた動物に法的責任を負わせるため、裁判が開かれることがあった。このような動物裁判などで死刑判決を受けたケースをご紹介していこう。
1.卵を産んで死刑。バセルのおんどり
(via Genesis and Science)
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1474年にスイスのバゼルで、おんどりが卵を産んだ。おんどりはオスの鶏なので、身体的にありえないことだ。だが記録には、そう書かれている。
当時の人々は、これを悪魔の仕業だと信じて疑わなかった。こうしておんどりは裁判にかけられ、火あぶりの刑が宣告されたのである。死刑が執り行われた後、処刑人はそのおんどりの体内にさらに3つの卵を発見した。
(via wikisource)
当時の人々は、オスの鶏が卵を産むと、竜と鶏をミックスしたコカトリスが誕生すると信じていた。コカトリスは水を飲んだだけで、その水場を毒で汚染したり、視線だけで人を殺す能力を持つ恐ろしい存在だった。そのため卵を産んだおんどりは、殺害せざるえなかったのである。
しかし実際は、おんどりが卵を産むことはありえないので、当時の人たちが雌雄の判別を間違えた可能性が高いと考えられている。
2.調教師を踏み潰して死刑に。ゾウのメアリ
(via wikimedia)
メアリはメスのアジアゾウであり、調教師を殺した罪で公開の首吊り刑に処されている。この事故は、1916年にテネシー州の小さな町で起きた。その時、メアリはサーカスのスターとして未経験の調教師を背中に乗せ、パレードを行っていた。
事故の目撃者によれば、パレード中にメアリが下に落ちていたスイカに気を取られていたので、調教師がメアリを従わせようと耳の後ろにフックを引っ掛けて突いたという。
メアリはその痛みで怒って暴れ、調教師を鼻でつかみ、地面に叩きつけた。そして公衆の面前で調教師の頭を足で踏み潰したのだった。それを目撃した観客の中には、「ゾウを殺せ!」と叫ぶ者もいた。ピストルを取り出して、メアリを撃った観客もいたが、その厚い皮膚を貫通することはなかった。
この事件は大々的に報道され、メアリへの批判が大いに高まった。サーカスの興行ができないほどの騒動になってしまったことから、サーカスの団長はこの事態を収拾させるため、メアリの公開処刑を決定した。
公開処刑の決定から翌日に、メアリは鉄道の車両基地に輸送された。そしてその首に鎖をつながれ、クレーンで吊り上げられた。だが一度目は鎖が切れてしまった。2度目はより太い鎖が使われ、メアリはついに処刑された。
3.幼児を食べたブタ
(via Wikipedia)
1457年にフランス東部・ラヴィニーで、ブタが幼児の顔を食べる恐ろしい事件が起こった。その幼児は、ブタの囲いの近くで遊んでおり、囲いの中には一匹の母ブタとその子どもたち6匹がいた。
幼児は、囲いの外から子ブタたちと触れ合おうとしていたのだが、不運なことに誤って囲いの中に落ちてしまった。お腹を空かせたブタたちは、幼児をランチだと思ったのだろう。幼児の顔をむしゃむしゃと食べ、死なせてしまった。
当時フランスでは、罪を犯した動物を処刑する場合、動物裁判を開く必要があった。殺人の罪でブタ達は裁判にかけられることになり、母ブタは首吊り刑の有罪判決を受けた。だが子どもたちは、その若さと無垢さ、母親の悪行に追従してしまっただけであるとして、無罪となった。
4.スパイだとして処刑されたハートプールのサル
(via wikipedia)
ナポレオン戦争の時代(1803~1815年)、イングランド北東の漁師町ハートルプールに、フランス船が砂浜に難破した。地元民がその船を調べたところ、フランス軍の制服を着たサルが船から歩いて出てきた。生き残りは、このサルだけだった。
地元民は、この砂浜で即興の裁判を開いた。地元民はこのサルに問いただしたが、サルは質問に一切答えなかった。彼らは一度たりともフランス人を見たことが無かったから、このサルこそフランス人のスパイに違いないと考えた。
こうしてばかげた勘違いにより、サルは死刑判決を受け、即座に砂浜で首吊り刑となった。ちなみにサルがフランス軍の制服を着ていたのは、船員を楽しませるためだったとされる。
5.男に犯された動物たちが処刑
(via wikimedia)
アメリカでは長年に渡って、人と動物との性行為は、同意に基づく下劣な行為であるとして、どちらも生きた状態で火刑に処された。
実際のケースとして、1662年にコネチカット州で熱心なキリスト教信者だったポッターが獣姦の罪で動物と共に処刑されている。ポッターは、ウシ3匹とヒツジ3匹、ブタ2匹でハーレムを作り、行為に及んでいたとされる。
被害にあった動物たちはポッターの眼の前で処刑され、その後ポッターも同じ運命をたどった。
ディスカッション
コメント一覧
なんだか色々と可哀想すぎる
昔の人々の裁判がおかしい‼️サルやゾウが可哀想‼️
あほな西洋人乙
動物に人間の倫理感を押し付けんなよ猿どもが
↑
↑2
当時の民衆の間の世界観やキリスト教的世界観とはどのようなものだったのかを知ろうともせず、嘲笑したり妙な義憤に駆られてる奴こそがあほであり猿なんだよなぁ
「昔の西洋人は馬鹿だなあ酷いなあ」で終わって「どうして当時はそんなことが行われたのか」に続かないからそんなインターネットで喚くだけの猿になっちゃうんだゾ